愛おしさという哲学。

『X half』とヨーロッパを旅したら、最高だった話

『X half』とは

かわいい
そもそも『X half』とは?という方もいると思うので、ざっくり説明。
『X half』は、富士フイルムから2025年6月末に発売されたデジタルカメラ。
ハーフサイズカメラをモチーフにしていて、撮影すると縦構図で記録されるのが大きな特長です。 約240gととても軽く、手のひらに収まるサイズ感。
レトロで可愛らしい見た目にもときめく、遊び心あふれるカメラです。

正直最初は、「うーん…」だったカメラ

構えるとより際立つかわいさ
8年以上富士フイルムユーザーの私は、新製品として『X half』が発表された瞬間に胸が高鳴りました。 「大好きな富士フイルムから、こんなに可愛くておもしろいカメラが出るなんて…!絶対買う!」と意気揚々と思っていたタイミングで、『X half』を試す機会があり、早速使ってみました。 …ところが、実際に使ってみた最初の印象は、ちょっと残念。
というのも、モニターに写った写真の画質が、正直あまりきれいに見えなかったんです。 もちろん、センサーが普段使っている『X-T5』などのカメラと違うことは理解していましたが、「もう少し画質が良かったら…」「背景ボケももう少し出てほしいな…」と、少しだけ期待が空振りしたような気持ちに。
おもしろいカメラではあるけれど、心のどこかで価格に見合うクオリティかどうかを考えてしまったのも事実です。
思っていたより、きれいに写ってる!
でも、結論から言うと、それは「液晶モニター上で見た印象」に引っ張られすぎていただけでした。
PCやスマホに取り込んで見てみると、思っていた以上にきれいで、ちゃんと味のある写真が撮れていて。
フィルムシミュレーションを当てた写真が撮れるのは、やっぱり唯一無二の魅力だな…と思ったことから、イメージは少し好転。使っていくうちに、どんどん好きになるカメラだと実感しました。
その時にふと思ったのが、「このカメラでヨーロッパを旅したら、おもしろい写真が撮れそう」。 ということで、『X half』を持って、ポルトガルとオランダへ。
その選択が最高だったんです…!

どんな瞬間でも片手で残せる、気軽さが嬉しい

今回の飛行機は、久しぶりのKLM
この旅で『X half』を最初に使ったのは、飛行機の中。いつもスマホで撮る機内の写真を、『X half』で撮ってみました。なんだか可愛くないですか? 飛行機の中って、カメラでこだわって撮るには狭いし、いちいち出すのも面倒。でもスマホだと味気ない写真しか撮れない(技術によるが)。そんな時に片手で出せる『X half』があると、手早く味のある1枚が撮れるのが嬉しい。
ごはんとか、ホテルとか、「さくっと良い感じに」が叶う
そのほかにも、移動中や食事中など、「カメラを出すのは億劫だけど、さくっと素敵に残したい」という時に、『X half』は大活躍。これまでスマホでしか残していなかったちょっとした思い出も、素敵に彩ってくれます。

味があっておしゃれ。『X half』で残す海外旅写真

そんなこんなで、『X half』を持ってポルトガルを旅してきたのですが、とにかく撮れる写真がどれも素敵。
ノスタルジックで美しいポルトガルの街並みや自然は、『X half』で切り取ると優しく華やかな1枚に。
特にくっきりとした夏空との相性が良い
フィルムシミュレーションは『クラシッククローム』をメインに使用。
普段Xシリーズのカメラでは、どちらかというと『PROVIA/スタンダード』を選ぶことが多い私ですが、『X half』で撮る写真には、『クラシッククローム』独特の色味とトーンが驚くほどよく馴染みました。
ユーラシア大陸最西端 ロカ岬
もちろん普通のミラーレスカメラでも写真を撮影しているのですが、普段使っているカメラと『X half』で撮る写真はまったく違う魅力を持ちます。
『X half』ならではの、唯一無二の写真が残せることがとにかく楽しい。 気づけば、「撮りたい!」と思った瞬間にまず構えるのが『X half』になってしまうほど、『X half』の虜になってしまいました。

見ている世界をそのまま切り取れる、32mmレンズの魅力

アムステルダムの街とザーンセスカンスの牧場。対比する『2in1』も良き
『X half』の搭載レンズは、フルサイズ換算32mm。『写ルンです』と同じ画角であり、広すぎず狭すぎず、馴染みのある使いやすさが魅力。
旅先で構えると、目の前に広がる景色をそのまま残すことができます。 
リスボンの蚤の市。小物を単焦点で撮りたくなるけれど、『X half』で広く残す景色も良かった
シチュエーションにもよるのですが、私はどちらかというと、50mmなど少し望遠気味のレンズが好きで、旅先でも付けっぱなしの時も多いのですが、『X half』で切り取る景色を見ていると、「あ、その画角いいな」と気づいて、ズームレンズに変えて撮影することもしばしば(笑)。
車や瓶の蓋など。いつもは写したくないものが入っても、「いいじゃん」となる
F2.8のレンズではあるのですが、ボケ感はあまり表現できないので、見たままをそのまま切り取れる潔さも魅力。 カメラを使っていると、どうしてもボケを入れたくなったり、余計なものを写らないように意識してしまうのですが、『X half』を使っている時は、ありのままを撮ることを素直に楽しめる不思議。
『X half』があったからこそ立ち止まれた風景、気づけた光景がいくつもあって。いつものカメラでは写しきれない旅の魅力を、このカメラが教えてくれたような気がします。

『X half』の楽しさを何倍にも高めてくれる、アプリが大活躍

『X half』を使えば使うほど実感するのが、専用アプリの使いやすさ。
撮るだけじゃなく、撮ったあとの楽しさまで広げてくれる存在です。 このアプリがあることで、『X half』との日々がもっと気軽に、もっと楽しくなりました。
『X half』の写真でストーリーズもたくさん残しているので、良ければインスタも見てください◎
まず、『X half』は、専用アプリとの接続がとてもスムーズ。
撮った写真をすぐにスマホに取り込めるので、リアルタイムで写真を楽しめることが魅力です。 そのままSNSにシェアしたり、旅の途中で身近な人に送ったり。
スマホよりもおしゃれに写ってくれるからこそ、編集なしでも抵抗なくシェアできるのが嬉しいポイントです。
一目惚れで買ってしまった、アズレージョのノート
もちろん、他のカメラでも同じように写真を転送してシェアすることはできます。 でも普段からRAW現像で仕上げている私にとって、「撮って出し」をそのままシェアするのは、やっぱり少し抵抗があって。「もう少し編集した方がいいかな?」なんて思って、つい写真編集ソフトを立ち上げてしまうと、その時点でもう「気軽に」とは言えなくなってしまいますよね。
かわいいカモメたち
『X half』は撮ってそのままを楽しむカメラ。そのため、『X half』を使う時、私は基本編集をしません(多くの人がそうだと思うけど)。
それでもちゃんとおしゃれに仕上がる、その絶妙なバランスが本当に心地良いのです。
ベレンの塔でマジックアワーを見ながら、エッグタルトを頬張った夜
『2in1』をアプリで簡単に作れることも魅力的。好きな写真を組み合わせたり、線の太さや色も変更できるので、旅の思い出をより素敵に仕上げることができます。

旅をもっと楽しませてくれる、唯一無二のカメラ

『X half』と旅したポルトガルとオランダ。
このカメラと過ごす時間は、写真を「撮る」というよりも、「感じたままを残す」に近いものでした。
『X half』を通して出会った景色は、どれも飾らない自然体で、どこか愛おしさを感じるものばかり。 写真が変わると、旅の景色も変わる。
そんな新鮮な気づきをくれた、かけがえのない旅の相棒になりました。 Photo&Text:Yuri https://www.instagram.com/camel8326/

出典元:https://note.com/camel8326/n/naaf3fd3ea8b6

X half

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Yuri

Yuri

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大阪を拠点に活動するフォトグラファー。「ときめきとやすらぎを届ける旅と季節の写真」をテーマに、国内外で撮影を行う。観光PRや企業広告・SNS撮影、映像制作を手掛けるほか、写真講師やメディア執筆などを通して写真の楽しさを発信している。

富士フイルム使用歴:
9年
富士フイルム愛機:
X-T5、GFX50S II、X half
好きなフィルムシミュレーション:
PROVIA/スタンダード、クラシッククローム
あなたにとって愛おしさとは?:
私にとっての「愛おしさ」は、きっと「一期一会」です。風景やお花、人や光など。一見、また出会えそうに見えるものでも、実際には二度と同じ瞬間には出会えません。空の色も、植物の様子も、一緒にいる人の表情も、その時の自分の気持ちさえも、全部がその瞬間だけのもの。そんな「もう出会えない、かけがえのないものに出会えた時」に、記憶ごと閉じ込めるようにシャッターを切ること自体が、私にとって写真における「愛おしさ」なのだと思います。

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