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Tips 2024.12.20

カフェで写真をちょっと素敵に撮るコツ〜Photoli’s Tips vol.3〜

IRODORIの読者の皆さん、こんにちは。Photoliフォトグラファーのsia(@siaspica)です。
Photoli(@ photoli_info)は、写真の楽しさをたくさんの人に広めることを目的に、写真を撮るコツや撮影のアイデアを発信しているメディアです。

この連載では、意識すると少し写真が上手に撮れるようになるかも?というアイデアを、みなさんにわかりやすくお伝えしていきます。

第3回である今回は、“カフェ撮影”についてお話します。
皆さんは、カフェや喫茶店を利用されますでしょうか?
私は撮影の途中で疲れてしまったときなどによく利用しています。

訪れたカフェで頼んだお菓子が素敵だったり、お店に入る光が綺麗だったりすると、その瞬間を残したいと思います。でもいざ店内で写真を撮ろうと思うと、どこを撮っていいのかわからず面白みのない写真になってしまったり、人が入ってしまったり、意外と難しいところもあるように感じました。

読者の皆さんにも同じような悩みがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、カフェで写真を撮るときに意識するといい、おすすめポイントを5つ紹介します。
皆さんのカフェでの撮影が、より楽しくなるお手伝いができたらと思います!

構図を意識する

vol.1で基本構図をご紹介しましたが、カフェ撮影においてはよく使用される2つの構図があります。
構図を覚えておくと撮影のときに役立つので、作例を交えながらご紹介します。

 

– C字構図

C字構図は言葉通り、被写体をC字になるように配置する構図です。
大胆にお皿の半分くらいを切り取ると、こちらの構図を作りやすくなります。

C字構図にすることで、視線の移動を手前から奥に誘導し、写真から奥行きや立体感を感じることができます。
一方でお皿全体を画角内に入れると、動きが出づらく記録写真のようになりやすいです。

X-Pro3 /XF30mmF2.8 LM WR Macro /F2.8 /1/60秒 /ISO250
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

またC字構図は、写真に余白を持たせてスタイリッシュに表現したいときによく使います。文字を入れてポスターなどにも使える構図です。日の丸構図や放射構図などの他の構図では被写体の主張が強くなり、余白を使った表現は作りづらくなります。

C字構図は余白感を表現しやすく、カフェでは器を利用することで簡単に作れるので、静かで洗練されたカフェ写真を撮りたいときに積極的に取り入れたい構図です。

 

— S字構図

カフェでの構図としてはこちらの方がいくらか有名でしょうか。
こちらも文字通り、被写体の輪郭がS字になるように配置する構図です。

X-Pro3 /XF23mmF1.4 LM WR /F3.6 /1/60秒 /ISO1000
フィルムシミュレーション:ETERNA

「頼んだ商品全体を写したいけど、ごちゃごちゃしてしまう」などの悩みがある方におすすめの構図です。お皿が画面をはみ出しても気にしないことがポイントです。

カフェでS字構図を作るときはドリンクとデザートなど二つの皿を組み合わせてみてください。友人と一緒にカフェに行った場合は、デザートメニュー2皿でも表現できます。高低差のあるクリームソーダとケーキなどの組み合わせでは、S字構図を作るのが難しいので注意してください。

光を意識する

カフェ撮影において私が一番重要と考えるのは、光の入り方です。
光の使い方次第で、写真に奥行きを表現しやすくなるだけでなく、食べ物を美味しそうに見せることもできます。

多くは、半逆光で撮影します。
光が食事の表面で反射して、いわゆるシズル感を演出できるためです。

シロップや透明の飲み物などは光を反射しやすいので、印象的な写真を撮ることができます。自分が惹かれた部分に光を当てることができれば、写真を見た人の目線もそこに誘導することができます。

X-Pro3 /XF30mmF2.8 LM WR Macro /F5.6 /1/40秒 /ISO3200
フィルムシミュレーション:PROVIA

逆光だと目をひく写真に。逆に落ち着いた絵を撮りたいのであれば横から光が当たる状態にするのがおすすめです。こちらの写真では、銀食器が印象的だったのでそこに光が当たるように撮影する際の角度を調整しました。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F3.2 /1/60秒 /ISO320
フィルムシミュレーション:PROVIA

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F3.2 /1/60秒 /ISO400
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Hi

私は自然光で撮ることが多いですが、うまく活用すればお店の中の光も利用できます。曇りの日や自然光が入らないお店では、光源がどこにあるか意識してみてください。

ここで、カフェ撮影で光を意識する際のポイントを5つ紹介します。

① ナチュラルで優しい写真が撮りたければ自然光の入る席を選ぶ
② 午前中や夕方などの、柔らかい光がお店に入る時間を選ぶ
③ 木漏れ日やレースカーテン、ブラインドの影などが入る席を選ぶ
④ 真上に光源や光を遮る物がない席を選ぶ
⑤ 店の照明のスポット光を利用する

光を意識した写真をいくつか載せます。
影が写り込んでしまった写真。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F3.2 /1/60秒 /ISO320
フィルムシミュレーション:PROVIA

カーテンの陰がテーブルに落ちることで光に変化が出て、表現の幅を広げることができます。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F5.0 /1/240秒 /ISO160
フィルムシミュレーション:PROVIA

スポット光を利用し、被写体に目が行きやすいよう演出しました。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F2.8 /1/40秒 /ISO3200
フィルムシミュレーション:クラシックネガ

食べかけや食べた後の様子を撮影してみる

カフェ撮影では、きれいに盛り付けられたお皿や作りたてのドリンクを撮影して満足してしまいがちですが、実は食べ始めてからもシャッターチャンスがあります。

 

— 食べかけを撮る

こちらの写真は、食べかけのゆで卵の形がかわいいと思い撮影しました。
食事をしているというストーリーや、食べ物自体の質感が伝わってきませんか?このように、食べる前だけでなく食べている途中にも魅力的なポイントがあります。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F2.8 /1/60秒 /ISO1250
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

 

— 食事後を撮る

食事後の写真では、誰かとそこにいたという時間を強く表現することが可能です。
また、食べる前を撮影するだけよりも、写真に思い出を残すことができます。

X-Pro3 /XF23mmF1.4 LM WR /F3.6 /1/60秒 /ISO1000
フィルムシミュレーション:ETERNA

ストーリーを意識する

カフェで写真を撮るときは、お菓子やドリンクなどのメインの被写体にプラスして、体の一部を写真に写し込むことでストーリー性のある写真に仕上げることができます。

こちらは同席している方がカップを手で持った瞬間を撮った写真です。このように、何かしている瞬間を切り取るだけで簡単に動きを感じる写真を撮ることができます。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F2.8 /1/60秒 /ISO1250
フィルムシミュレーション:ETERNA

こちらの写真では、お店の方に声をかけてドリンクを作っているところを撮らせてもらいました。さらに内装を背景に入れることで、お店全体の雰囲気を伝えることもできます。
1人でのカフェ訪問でも、お店の人と話しながらこのような写真を撮るのも楽しいですね。

X-Pro3 /XF27mmF2.8 R WR /F2.8 /1/170秒 /ISO160
フィルムシミュレーション:ETERNA

被写体に寄ってみる

最後に、カフェに行ったときに試してみてほしいことは、魅力を感じた被写体にとことん寄ってみることです。

このカトラリーの写真はC字構図のところで紹介した写真と同じ物ですが、近くまで寄ることでまた異なる魅力を感じられる写真になりました。

X-Pro3 /XF30mmF2.8 LM WR Macro /F2.8 /1/60秒 /ISO320
フィルムシミュレーション:PRO Neg. Std

こちらは近くに寄って撮影するために、マクロレンズを使用しました。マクロレンズは小さな被写体を大きく鮮明に撮れるレンズです。カフェで料理やドリンクの細部を美しく写せるため、臨場感ある写真が撮れます。また背景をぼかし、被写体を際立たせる効果もあります。

先ほど紹介したこちらの写真も、マクロレンズで撮影したものです。

X-Pro3 /XF30mmF2.8 LM WR Macro /F5.6 /1/40秒 /ISO3200
フィルムシミュレーション:PROVIA

このように炭酸ドリンクの気泡によるなど、自分が惹かれたポイントだけを際立たせたいときに重宝する撮影方法です。撮影に悩んだ際にはぜひ試してみてください。

X-Pro3 /XF30mmF2.8 LM WR Macro /F2.8 /1/60秒 /ISO1000
フィルムシミュレーション:PROVIA

まとめ

今回はカフェ写真をちょっと素敵に撮るコツを紹介しました。

これらのカフェ撮影のコツも、写真を撮る上での一つのエッセンスにすぎません。
ですが、写真撮影は自分の中にいくつ引き出しを持っているかという部分も重要だと思います。これからたくさん写真を撮りにいく中で、今回の記事の内容を一つでも思い出して試してもらえたら嬉しいです。

この記事によって、みなさんの写真生活がより充実したものになりますように!
次回は、“シャッタースピードを使った色々な表現”についてお伝えします!お楽しみに!

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Photoli

「表現の幅が広がると、写真はもっと楽しくなる。」がコンセプトの写真メディア。Instagramを主としたさまざまなSNSで、ひとあじ違った切り口から写真のアイデアや撮り方のコツを紹介している。
見ている人を飽きさせない、記事ごとに制作されるオリジナルのデザインも魅力。写真って楽しい!と思える人が増え、世界のハッピーの量が増えることがPhotoliの願い。

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