IRODORI by X Series

Interview 2021.03.05

【Xシリーズユーザーインタビュー】どんな過酷な環境でも“私らしい視点”を。登山家・いのみんと『X-T4』

看護師として病院に勤務する傍ら、国内の山々を登る登山家としてInstagramでさまざまな風景を発信している、『いのみん(@lalatxm)さん』。ダイナミックな山岳フォトとは一線を画す繊細かつ柔らかな自然の表情を切り取った写真の数々は、観る人に新たな絶景写真の在り方を示しています。もともとは一人で行動することが苦手だったといういのみんさん。現在所有している『X-T4』で撮影した写真とともに、山登りを通じて出会った自分らしさについて語っていただきました。

Interview:いのみん

▲いのみんさん

--いのみんさんは登山歴4年以上だそうですが、もともとはあまりアクティブなタイプじゃなかったそうですね。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/5000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

一人だと遠出できないし、友達との待ち合わせ場所に辿り着くのも難しいくらいでした。そんな自分がすごくいやで、なにか大きなことをすれば変われるんじゃないかと思って、仕事を辞めて海外でバックパッカーをしようと考えていたんです。そしたら、九州出身の職場の先輩が「まずは屋久島に行ってみたら?人生を深く考えるキッカケになるかもしれないよ」って勧めてくれて、思い切って一人で行ってみました。そこでたまたま知り合った山岳ガイドの方に誘われて、初めて山(白谷雲水峡〜太鼓岩)を登ったんです。そのときの感動がすごく大きくて、「私がこれからやっていくのはコレなのかもしれない」って思いました。

--山登りとの出会いは、思い切って一歩踏み出した先で得たものだったんですね。

それまでは一人で山に行くなんて考えられなかったんですけど、最初の頃は周りに登山をしている友達がいなかったから見よう見まねで始めました。山は危険だったりするので、準備も計画も適当には出来ないじゃないですか。そういうところで自分のためにいろんなことをしっかり考えるようになったし、今までの自分と決別するキッカケになったのかなって思っています。登山を始めて体力もついたし、昔からの友達は「別人みたいだ」って、すごくびっくりしていますね。きっと今までの私は、一人が寂しいっていうのもあったし、知らないことがひたすら怖かったんだと思います。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/125 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--Instatgramでは山で出会った風景がたくさん投稿されていますが、カメラ自体は登山を始められる前から使っていらっしゃったとか。

そうですね。初めて屋久島に行ったときもカメラは持って行きました。最初は、本当に記録用っていう感じで友人のお下がりを使って撮っていたんですけど、いろんな山を経験するなかで2年くらい前から撮ることに対する考え方が変わってきました。山って「本当に生きてて良かった」って思わず泣けてくるような景色がたくさんあるんです。だけど、いろんな事情があって山に登れない人もいて、そういう人たちも写真を通じて山の景色を少しでも体験してもらえたらいいなって思うようになりました。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/2000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--現在お使いのX-T4を手にしたのも、そうした気持ちがキッカケだったのでしょうか?

実は、登山を始めた頃にも「自分のカメラを買おう」って家電量販店に行ったことがあったんです。そこで対応してくださったスタッフさんが偶然にもK2(エベレストに継ぐ高峰)を登るようなクライマーの方で、「雪山とか過酷な環境でも使えるいいカメラがあるよ」って勧めてくださったのがX-Tシリーズだったんです。だけど、そのときは登山用品を揃えるのに結構お金を使っていたこともあって、新しくカメラを買える状況じゃなくて。それから数年間フィルムカメラを使って撮ったりしていたんですけど、一年前ようやく「念願のX-Tシリーズを買おう」と決めました。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/8000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--なんと、家電量販店でも山つながりの出会いがあったんですね!

驚愕でしたね(笑)。そのスタッフのお兄さんが「X-Tシリーズは防塵防滴だから悪天候にも強い」と教えてくれたので、他のカメラと比べて悩んだりはしなかったです。あとはX-T4はバッテリーの持ちが良いです。やっぱり山に登るときのバッテリー問題ってすごく大きくて。何個も持っていければいいんでしょうけど、雪山で手袋を外してバッテリーを変えたりするのはすごく大変だし。そういうことを考えるとバッテリーってすごく重要だなって。それと、そのお兄さんの話を聞くまでは“山で撮る=フルサイズ一眼”だと思っていたのですけど、フルサイズに全く劣らない画質と持ち歩きが苦にならないコンパクトさっていう点にもすごく魅力を感じました。山に登るときは、ホルスターを使ってカメラを持ち歩いています。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/80 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--過酷な環境でもストレスなくパフォーマンスを発揮してくれるというのは、重要なポイントですよね。実際X-T4を持って山へ行ったときは、どんなところに良さを感じましたか?

一番いいなって思ったのは、手ブレ補正ですね。朝焼けとか夕焼けとかのちょっと暗い時間って、山が一番きれいな時間でもあって、そんな時に活躍してくれています。そういうときって、結構みんな三脚を立てて撮るんですけど、自分の好きな構図に持っていきづらいから私はあんまり三脚が好きではなくて。前のカメラだとブレてしまうことがあったんですけど、X-T4は手持ちで撮ってもブレてることがほとんどないです。あとは、雪山だと木の上から雪が落ちてくることもあるんですけど、X-T4は防塵防滴・耐低温なのでそういった環境でも安心感がありますね。

--カメラのタフさが、過酷な環境での“撮りたい気持ち”を支えてくれているんですね。レンズは『XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR』を使われているそうですね。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/1600 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

はい。私はこの『XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR』一本を追求しようと思っていて。望遠だから出せる色ってありませんか?奥行きがあることで色の表現も変わる印象があって。フィルムシミュレーションは、ほとんどクラシックネガを使っています。基本、青みがかった色が好きなんですけど、クラシックネガの特に青みがかったキレイな緑色とフィルムっぽさが感じられるところが気に入っています。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/6000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--いのみんさんの写真は、カメラだからこそ映し出せる繊密さに絵画のドラマチックさを掛け合わせたような美しさが印象的ですが、現在のような写真を撮るようになるまでに試行錯誤はありましたか?

自分の撮るものはありきたりな写真だなって、ずっと思っていました。山そのものが絶景だから、その場所に立ってカメラさえ持てば、みんな同じ画になるんですよね。そこに埋もれるのが本当にイヤだったし、山岳写真って迫力のあるものが多いですけど、それは私が撮りたいものではないなと思っていて。もっと自分の視点で撮りたいって考えていた時期は長かったです。

--そうしたなかで、あえて三脚を使わない撮影や望遠レンズ一本での表現方法を模索してきたんですね。いのみんさんにとって、登山とカメラの関係ってどういったものでしょう?

私、今までに一度だけカメラを忘れたことがあるんですけど、そのときは山に登りませんでした。山に登ること自体もすごく好きなんですけど、登山ってカメラがあるともっと面白くなるところもあって。「こんな景色があるんだ!」とか「こんなところに動物がいる!」とか、カメラを持っているだけで気づきが何倍にも膨れ上がって、山を歩くことがすごく楽しいんです。今はなかなか山に登れないので近所の公園で撮ったりしているんですけど、カメラを手提げに入れて近所の公園まで出かけて「夕日がキレイだなあ」って思ったときに撮ったりしています。それでもやっぱり楽しいんですよね。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/2000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--山の中でも近所の見慣れた風景でも、カメラは自分らしい視点で撮り歩く楽しみを与えてくれるんですね。自然の風景とあわせて、今後もいのみんさんがどんな写真を見せてくださるのか楽しみです。

感染症の拡大が収まったら、ウェディングフォトはもっと撮りたいですね。山好きの夫婦はたくさんいると思うし、自然の中で結婚の記念写真を撮るのは誰でも出来ることではないので腕を磨きたいなと思っています。それと、今年は仕事を辞めて、北アルプスの最奥地の山小屋で夏のあいだ働く予定なので、そこでも山に住むことで出会える景色をたくさん撮りたいなと思っています。新しいチャレンジの年にしたいなって思っています。

X-T4 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/1600 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

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text by 野中ミサキ(NaNo.works)