Xシリーズと山陽電鉄の旅をする。 〜f.uri vol.2〜

カメラを片手にのんびり旅を楽しむフォトグラファー・f.uri(@555uri555)さんが、愛用カメラ『X-T10』、『X-S10』で撮影した写真とともに綴る全3回の旅コラム。今回は、山陽電鉄沿線の駅で途中下車して、須磨浦山上遊園や明石海峡大橋を歩きます。
山陽電鉄は、別名『シーサイドエクスプレス』と呼ばれる阪神神戸三宮から山陽網干までを結ぶ路線である。阪神神戸三宮から舞子方面へと向かう電車に乗ると、山陽須磨を過ぎたあたりから絶景を眺められる。
そんな山陽電鉄に乗り、途中下車して歩く旅を紹介したい。
須磨浦山上遊園へ
須磨浦山上遊園に向かうため、須磨浦公園駅で降車。駅の目の前には海が広がっている。
須磨浦山上遊園には、展望台やバーベキューテラス、ゲームセンター、サイクルモノレールなどがある。また、それらの施設に行くまでのロープウェイやカーレーターなどが有名だ。
まずは駅に隣接しているロープウェイに乗り、東部展望台に上ると、眼下180度すべてが海という素晴らしい景色に出会うことが出来る。
右手には明石海峡大橋が。
東部展望台で景色を満喫した後は、カーレーターに乗ってさらに上の回転展望台へ。
『カーレーター』は昭和41年に開通された乗り物で、乗り始めは少しガタガタと揺れるが、乗ってからは急勾配に少し驚くものの、楽しく展望台へ上ることが出来る。
カーレーターを降り、回転展望台へ。
回転展望台とは名前の通り、展望台が回転する展望台だ。見たい景色のある窓へ移動することなく、ガラス張りになった展望台に設置された好きな椅子に座っていれば、展望台が回転し360度景色を楽しむことが出来る。約45分で一周するので、併設されている喫茶店で軽食を購入し、それをいただきながら景色を楽しめる。
このほかにも、一人乗りの観光リフトや、サイクルモノレールなどを楽しむ場所があり、まったりと須磨の景色を堪能出来る。子供連れだけでなく、意外と大人の女性やカップルなども訪れていたのが印象的だった。また、須磨浦公園駅すぐ目の前にはおしゃれなカフェもあり、こちらはテラスでランチをいただくことも出来るようだ。
塩屋へ
塩屋は最近、おしゃれなカフェや雑貨屋が多くあり、人気を集めている街だ。坂道が多い街ではあるが、大人がぶらりと街歩きをするのにぴったりな場所である。
塩屋の街並みは『X-S10』で撮影している。『X-S10』は私が使用しているもう一台の『X-T10』と同じく、小型軽量で女性が持ち運びしやすい。初心者でも操作しやすく、迷うことなく撮影することが出来るように感じる。また、個人的にはグリップが非常に持ちやすくて助かっている。
今回は、彩度が抑えられ、フィルムカメラの撮り味に近いレトロな雰囲気が演出できるクラシックネガを使って撮影してみた。『X-S10』を購入した際に一番楽しみにしていたことが、フィルムシミュレーションのクラシックネガを使用できることであった。どのシチュエーションがクラシックネガと合うか考えながら、この時期はクラシックネガを用いて様々な場所を撮影していた。そして、この塩屋のおしゃれだがどこか懐かしい街並みは、クラシックネガを用いて撮影するのにぴったりの場所であると感じた。
滝の茶屋駅へ
滝の茶屋駅にて下車すると、眼下には広い海が。雄大な気分で海を眺めることが出来る。
私が訪れた際は、天気がとてもよかったため、海と空のブルーグラデーションと白い雲、その中を走るオレンジの電車を、ファインダー越しに夢中になって、何度もシャッターを切ってしまった。
駅には地元の中学校の生徒たちが書いた大きな絵が飾ってある。海と電車が描かれており、眺めていると何だか自分のふるさとに帰って来たかのようなほっとした気分になった。
ここの景色は私のお気に入りで、何度も訪れている。
滝の茶屋駅では『X-T10』のクラシッククローム、『X-S10』のクラシックネガで撮影をしている。まず海の色味が全く異なっていた。クラシッククロームの方が緑がかっているイメージ、クラシックネガは青が暗めに入るような印象を受けた。どちらの仕上がりも非常に色が綺麗で、好きである。
舞子公園へ
次の途中下車は、滝の茶屋駅から4駅ほど先の舞子公園駅。ここは、明石海峡大橋がある場所として有名だ。
思っていたよりも随分迫力があった。橋を通る車の音も聞こえてくる。ちなみに、橋の向こうに見える島は淡路島だ。
一通り明石海峡大橋を眺めた後は、舞子海上プロムナードへ。舞子海上プロムナードとは、明石海峡大橋の本州側に造られた回遊式遊歩道で、明石海峡大橋の真下を歩くことが出来る。
歩いている道の途中にガラス張りの場所があり、海を見ることが出来た。遊歩道の途中にはカフェが。明石名物の蛸を使ったランチもあるようだ。
都会からさほど離れていない場所ではあるが、山陽電鉄に乗り、途中下車しているだけで随分遠くまで旅している気分になってくるくらい、絶景を満喫出来た。私のおすすめの電車旅コースの一つである。
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