Xシリーズと奈良へ、電車で行く。〜f.uri vol.1〜
カメラを片手にのんびり旅を楽しむフォトグラファー・f.uri(@555uri555)さんが、愛用カメラ『X-T10』、『X-S10』で撮影した写真とともに綴る全3回の旅コラムがスタートします。今回は、『奈良エリア』でゆっくり時間をかけて楽しむ、電車旅の模様を綴っていただきました。
奈良と言えば奈良公園や東大寺など奈良北部が観光地として有名で、どの時期も賑わいがある。しかし、少し静かな近鉄大阪線沿いの奈良をぶらりと旅するのもまた面白いと思う。電車に乗って、のんびりと奈良観光をしてみたら、きっと心が洗われるのではないだろうか。
長谷寺へ
奈良県桜井市に『長谷寺』はあり、大阪中心部からは電車を用いて約1時間30分かかる。
最寄り駅の長谷寺駅は近鉄大阪線の駅である。
住宅地を駆け抜けて行く電車に揺られていく。
長谷寺駅に近づいて来ると、途端に自然豊かな山や川が見えるようになり、“旅をしている”という高揚感が湧き出てくる。
今回の旅は、『X-T10』を用いて撮影した。『X-T10』の良さは、何と言っても軽さ、見た目のレトロさである。
特に女性は旅する際は荷物を少なめにしたいと思うのではなかろうか。『X-T10』は負担にならず持ち歩くことが出来て、また見た目もシックなので、持っているだけで気分が上がる。
お寺へ行くまでの参道もまた、面白い。草餅を食べながら、どんどんと進んでいった。
長谷寺へ行く道中には法起院。西国三十三カ所巡りの一つのお寺として有名だそう。
長谷寺は法起院と同じく西国三十三カ所巡りで訪れられるお寺として知られ、“花の御寺”としても有名。
長い階段を上っていると、心が落ち着いて行くのが分かる。個人的には、やはり秋の紅葉の時が一番おすすめである。
私は旅をする際は軽いカメラを使用したいと思っているので、レンズも軽いものをつけていることが多い。『XF23mmF2 R WR』はぶらぶら歩きながら撮影するのにぴったりで、旅をする際はほとんどそのレンズをつけて歩いている。
長谷寺の長い階段など迫力を出して撮影したい際は、『XF50mmF2 R WR』を使う。基本的には、どこへ行く際もこの2本のレンズを使用している。
室生寺へ
室生寺といえば、古くから女性の参拝が許されており、“女人高野”として知られている。近鉄大阪線 室生口大野駅からバスに乗って約15分で到着する。
バスに乗車中、室生川を眺めることが出来て、心が癒やされる。
室生寺参道付近の飲食店では山芋を使ったメニューが多くあった。
室生寺も紅葉の時期に訪問するのが個人的にはおすすめである。紅葉時には多くの観光客で賑わっていて、紅葉野点茶会の開催も。
今回ご紹介する写真のフィルムシミュレーションは、ほとんどクラシッククロームを用いた。
奈良の参道の古い建物と、落ち着いた雰囲気の町並みが、クラシッククロームとよく合うように私は思った。特に、木の建物(茶色)の色の雰囲気が個人的には非常に好きだ。
五重塔の手前の階段に、春はしゃくなげが咲き誇るようで、その時期になるとInstagramでは多くの写真がポストされている。
大和高田の桜
近鉄大阪線大和高田駅から歩いてしばらく行くと、高田川という川がある。高田川畔には毎年春になると桜が咲き誇る。
“高田千本桜”として知られており、奈良県を代表する桜の名所となっている。
市民ボランティアの手により植樹されたもので、桜の時期には大中公園を中心に見事な桜のトンネルが続く。毎年、地元の人はもちろんのこと、観光客も訪れるおすすめの場所である。ここは私も数年続けて桜の撮影をしていた場所である。
桜の見事なトンネルを撮影するために、『XF50mmF2 R WR』を使い、どこまでも続くトンネルを表現出来るように撮影してみた。細部までくっきりとした写りだという印象が強い。
しかしながら、桜を前に持ってきて前ボケとして撮影してみても、桜のふんわりとした雰囲気も残してくれた。桜の撮影にもしっかり使用できるレンズだと感じた。
これから気候が良くなる時期。是非一度近鉄大阪線沿いの奈良を楽しんで欲しい。