古性のち×富士フイルムレンズ『ときめく写真を探して vol.2』 XF23mmF1.4と旅するバンコク
「寒いのが苦手だから」だなんてまるで子供のような理由で、日本の冬の寒さから逃れタイ・バンコクに暮らしていた。
もともとご飯も、温暖な気候も私の波長とぴったり合うゆるい空気感も大好きで、いつか海外に移住する時がきたら、絶対にこの国にしよう!と、そういえば随分前から決めていたのだ。
それは国民性から来るものなのか。この街にあふれる、決して1mmも妥協を許さない“かわいい”と“ときめく”の数々が、毎日心の扉をノックするものだから、いつの間にかいつも、自然とふにゃふにゃ笑っている。
この街に暮らしていた幸せな9ヶ月。
隣にいてくれたのは、いつも富士フイルムのカメラだった。
こんにちは。世界を旅しながら写真を撮っている古性のちです。
前回は『XF8-16mmF2.8』の超広角レンズとともに、トルコを旅してきました。
▶︎『ときめく写真を探して』 vol.1 XF8-16mmと旅するトルコ
今回は富士フイルムさんにワガママを言い、普段わたしが愛してやまない普段使いの愛用レンズと共に、これまた同じく愛してやまないタイを巡ってきたので、ご紹介させてください。
このレンズに込めた愛が、少しでもお伝えできれば本望です。
一緒に旅したレンズ『単焦点広角レンズ XF23mmF1.4 R』
「そのレンズどう?」と聞かれたら相手の都合なんておかまいなしに、永遠に愛を語ってしまいたくなるほどに溺愛するレンズ。自分が見たままの距離感を、更にそこにふんわり優しくラップをかけたような、柔らかい表現をしてくれる子です。
【ポイント】柔らかなボケ感を恐れずに。F値をとことん下げてみる
このレンズ最大の魅力は“柔らかなボケ感”だと思っています。だからわざとF値を最大限まで下げ、ふんわり仕上げてみるのがときめく写真のポイント。ピントが合う範囲を狭めることで、写真自体はピントが合っている、だけれど優しい雰囲気の写真が出来上がります。(わたしはほぼ最大のF1.4)。
また、遠くの景色よりも、自分の身近な半径1m以内を切り取るのがオススメ。普段見ている好きなもの達が、更にもっともっと、愛しく感じられるはず。「F1.4じゃ焦点が合わないし何だか怖い……」という方も、思い切って1度、そのボケ感に恋してみてほしいです。
単焦点広角レンズ『XF23mmF1.4 R』と旅するバンコク
まずはこの国の輪郭からゆったり捉えてみる。自分の目で見た世界と近しい目線で切り取ることができるので、旅の空気感をたっぷり含んだ等身大の写真に。全体を写した方がストーリーが伝わりそうだと判断した時は、少し遠くから写しました。広角レンズなので、単焦点でも広々切り取れます。
バンコクは一歩足を踏み出せば、心の奥底まで魅了されてしまうときめくカフェ天国。横からでも、真俯瞰でも。
わたしは“その場にいる体験”ごとデザインするのが好きなので、自分の手を写し込んだり、あえて食べかけを切り取ったりすることが多めです。
木漏れ日を求めて席を移動したり、お日様を待ったりしながら撮った写真達。私が木漏れ日好きなのももちろんあるのですが、やっぱりこのレンズで写す光は抜群に美しいなあと感じています。
木漏れ日がない時間帯(やお天気)は、電球の光を代用するのもオススメです。背景に写すことで、こんな風にキラキラした写真を作ることができます。
どんな場面も“この子がいれば”の安心感
いつも「近くはこれ、でも遠くはこれ……」とブツブツ呪文を唱えながら旅をしていたから、このレンズと出会って、大抵の場合この1本でどうにか撮れてしまう(もちろん、毎回ベストが撮れるわけではない)ことを知った時、衝撃でした。
わたしの足取りを軽くしてくれたこの子とは、これからもずっとずっと良いお付き合いをしていきたい。
さあ次はどの子と旅に出ようかな。