古性のち×富士フイルムレンズ『ときめく写真を探して vol.1』 XF8-16mmと旅するトルコ
「いつもと違うレンズを連れて旅する連載をしてみませんか」
と声をかけてくれたのは、口を開けば誰かれ構わず捕まえて、隙間から愛を好き勝手垂れ流しにし続けていた大好きなカメラメーカー、富士フイルムさん。
はじめてファインダーをのぞいたあの日から、私はその色に、音に、手にずっしりと染み込む重みに、恋をしている。
初めまして。旅をしながら世界中で“ときめき”を蒐集している、古性のちと申します。
言葉と写真が呼吸しあうような、日々やさしい世界を綴っています。(青が好きなので、全体的に写真も青が多めになりがちです)
今回、大好きな富士フイルムさんと一緒に全5回で“色んなレンズと色んな場所に出かけてみる”連載をつくりました。ファインダー越しにのぞいた景色と、旅の匂い。そして、私が日々大切にしている、ほんのちょっぴり写真が楽しくなる“ときめく写真の作り方”の魔法のTipsをひとつずつ、お届けしていきたいと思います!
ファーストトリップは遠い魅惑の2カ国、トルコとウズベキスタンへ。
一緒に旅したレンズ『XF8-16mmF2.8 R LM WR』
記念すべき企画のファーストトリップ、一緒に旅したのはこのレンズ。とっても広い世界を見せてくれるレンズです。普段23mmの私からすると、未知の世界。
【ポイント】その場の空気を丸ごとすくい上げるイメージで
広い世界のときめきを写真に閉じ込める時に大切なのは、シャッターを切る時にイメージを明確にすること。もちろんときめいたものに素直にシャッターを下ろすのも良いのですが、例えば風を待ってみたり。視界を横切るあの人が止まるのを待ってみたり。
広い視野で、世界観づくりをする楽しさを意識すると、写真は更に見る人の心に残る、ときめきをたっぷりと含んだ一枚になります。
『XF8-16mmF2.8 R LM WR』と旅するトルコ
まず驚いたのは、その広さと明るさ。風の動きも、光がシャワーのように落ちる様も、その場の空気をそのまま切り取るような感覚。トルコの街を歩きながら、見慣れない広さの世界を、丁寧に閉じ込めていく。綺麗な風景を伝えたくて、人がいなくなるのをじっと待ちながら撮影しました。
景色を際立たせるため、被写体を真ん中や端にポツンと残す写真が多いわたし。ひとりぼっち感を大事にしたいので、すべて早朝誰もいない時間を狙い撮りました。
いつもは全部写せない旅の宿もまるっと全て切り取れる嬉しさ。余計なものが写り込まないように、荷物はまとめて自分の足元へ。
もっとダイナミックに切り取りたい時は、思い切って縦もおすすめです。
今までに見たこともない世界を魅せてくれた
普段、手に持ったときめきを切り取ろうとすると、どうしても歯を食いしばって距離を取らなければいけなかった23mmの世界。いつも近い世界ばかりをのぞいている私にとってこのレンズは、世界を広げてくれました。
「この子がいるなら大丈夫だ」
と絶対的な安心感を寄せるようになったのは、旅を始めて間もなくのこと。
さあ次はどの子と旅に出ようかな。