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Interview 2020.03.31

【Xシリーズユーザーインタビュー】カメラが教えてくれる、私の愛おしい瞬間たち。モデル・武智志穂と『X-A7』

読者モデルとして活動を開始し、現在はファッションだけでなく旅や料理、ダイビングなど、多岐に及ぶ自身のライフワークを通して“自分らしさを楽しむ”ことを発信している武智志穂さん。IRODORIでのコラム『アルバムの1ページ』では、旅先で出会った景色とともにカメラと旅に出る素晴らしさを語ってくださいました。今回は、数々の旅をともにした『X-E3』、そして日常生活でも欠かせないモノになっているという『X-A7』について、コラムで訪れたアイスランドのエピソードも交えて語っていただきました。

Interview:武智志穂

--ファッションモデルの域を出て、旅や料理などさまざまな情報を発信していらっしゃいますが、今の活動スタイルに至った経緯は?

旅とか料理とか、もともとは自分の好きなことを発信していただけなんですけど、そこに興味を持ってくださる方がだんだん集まってきてくれて、気がつけばそれがお仕事になっていたっていうのが正直なところです。人とのご縁と自分の好きなことが繋がって、今のスタイルになったなあとは感じています。

--仕事にしようと思って始めたのではなく、本当に好きでやっているからこそ共感する方が多いのかなと思います。

ありがたいことですよね。好きなことしかがんばれないし、逆に目標を達成するにはどういうことをしていけばいいのかっていうことはずっと考えています。読者モデルを始めた頃も、モデルのお仕事って何色にでも染まれなきゃいけないところがあると思うんですけど、それより「私が持っている個性ってなんだろう」ってずっと考えていました。

--個性や自分に出来ることを考えていたからこそ、常に自然体でいられる環境を自分で引き寄せたのかなと思います。モデルというお仕事柄、カメラ自体はすごく身近なものだと思うのですが、自分で撮ることに興味を持ったきっかけは?

私の場合は、ブログですね。それも自分らしさを知ってもらうために始めたことだったんですけど、せっかく載せるならきれいな写真を撮りたいなっていうところから、まずカメラに興味を持ちました。それが20代前半の頃。当時、ブランドのディレクターをしていて、撮影に来ていた外国人のモデルさんが富士フイルムのカメラを持っていたんです。それを見て、まずデザインに惚れ込んでしまって。少し触らせてもらったら、シャッターの音もすごくカッコいいし、クラシックなデザインがすごく気に入ってしまいました。

--もしかしてそれが、武智さんが初めて手にした『X-E2』?

そうです! それまではコンパクトデジタルカメラしか使っていなかったんですけど、「これなら私でも使いこなせるかもしれない」って思えたし、当時は周りに本格的なカメラを持っているモデルの子がいなかったから「これは私の個性になるかも!」って。撮りだすと、もう楽しくてしょうがなくて。「私、撮られるより撮るほうが好きかも」って思うくらい(笑)それがキッカケでひとり旅にも出かけるようになりました。

--ひとり旅を始めたキッカケは、カメラだったんですね。

もちろん誰かと一緒に行くのも楽しいんですけど、たとえば「このお花を撮りたくて、また光が出てくるタイミングまで待ちたい」って思ったときに待たせてしまうかなって気をつかうのが億劫で。カメラと出会って、楽しみの幅が広がったなあって感じました。

--カメラを持つと、普段と時間の感じ方や視点が変わったりしますよね。

本当にそうですよね。人って結構幸せには鈍感になりがちというか、身近にあっても気づけないことって多いじゃないですか。そういう過ぎ去っていく日常の中にふと愛おしさを感じる瞬間があったりして。撮った写真を見返すことで、そういう場面がたくさんあることに気づけるというか。

--IRODORIの連載コラムでは、武智さんが旅先で目にしたさまざまな景色をご紹介いただきました。コラムでは主にX-E3と最終回でX-A7を使用していただきました。

コラムでの撮影用にX-E3を貸していただいたんですけど、X-E2からさらに機能性がアップしていることを感じましたし、操作がシンプルなので、カメラにそこまで詳しくない私でも楽しく写真を撮れるカメラだなって。X-A7は本当にその最たるもので、ダイヤル操作だけでカンタンにきれいな写真が撮れるんです。カメラマンさんの前で言うのはアレですけど、知識がなくてもいい写真が撮れちゃう(笑)。カメラ素人の私には、ありがたいカメラですね。

--全5回のコラムの中で、特に印象的だった回は?

アイスランドは、ずっと憧れていた国ということもあって人生観が変わったというか。非現実的な景色が広がっているので、本当にとにかくずっと撮ってました。たとえば、ここ。映画のワンシーンに迷い込んだような場所だったんですけど、DJのMartin GarrixがMVを撮ったことで有名になって、実際はすごく人が多いんですよ。私が行ったときも中国人観光客の方がここでウェディングフォトを撮っていたり(笑)。だから、人がいなくなるタイミングをずっと待ちましたね。

--世界の果てのような静寂が感じられる写真なのに、そんな裏話があったとは……

あとは、飛行機の残骸を見た帰りに、この滝の写真をとったのですが、ちょうど夕陽が射していて。なかなか滝の裏から夕陽を見ることはないので、すごく感動しましたね。

流氷のスケール感にも驚きました。流氷と流氷がぶつかり合うダイナミックな音とか、溶けていくときのパチパチパチっていう音とか、本当に初めて聴くもの、初めて見るものばかりで。アイスランドで絶景を見てしまって以来、次の旅先が思い浮かばなくなっちゃったんです。次はどこ行こうかなって、旅先迷子になってます(笑)。

--こうしてお話を聞いていると、シャッターを切る前後のことをすごく明確に覚えていらっしゃるんだなって感じます。

思い出って、どうしても忘れていってしまう部分が多いと思うんですけど、写真が記憶のー部になってくれているような気がしています。動画よりも写真の方がより思い出せることってありますよね。録画ボタンを押すと、そのまま流れて行っちゃうというか。写真は、自分が「今だ!」って思った、心が動いた瞬間を切り取っているから。だから、そのときのことをすごく鮮明に覚えていられるのかなって思います。

今回のアイスランドは、新婚旅行でもあったので旦那さんに1日5〜6時間ずっと車を運転してもらっていて。「あっ、今のとこ撮りたかった!」っていうときも急に止まってもらうわけにはいかないし、さすがに気をつかうので(笑)。次に行くことがあれば、自分で免許をとっておかなきゃなって思ってます。

--旅先で出会った景色を切り取るうえで、X-E3のどんな機能が役立ちましたか?

やっぱり、専門的な知識がないので急に訪れたシャッターチャンスに対応が出来なかったりすることがあって。そういうときに画面をタッチするだけでピントを合わせてくれるのは本当にありがたかったです。“撮りたい!”っていう欲求に応えてくれるカメラだなって感じました。

--コラムではX-E3で撮った非日常の景色をたくさん見せていただきましたが、X-A7は日常でも活躍しているそうですね。

そうですね。今は海外に行く機会が減っているぶん、国内でお出かけしたり、飼っている犬と散歩したり。特に『X-A7』は、美肌機能がすごい! アプリだと“加工している感”が出ちゃうんですけど、これだと程よく美肌にしてくれるので、よく使っています。Instagramに投稿するコーディネート写真も、三脚を立ててセルフで撮ったり。フィルムシミュレーションは、まだ変えたことがないので、これから挑戦したいです。まだまだ自分の中でカメラ上達の伸びしろを感じてます(笑)。

--ライフスタイルがお仕事に直結しているからこそ、いつでも持ち運べるという点も大切なポイントになってくるんですね。

そうなんです。いつも小さいバッグしか持たない派なんですけど、これなら持っていて苦にならないから、スーパーに行くときとか以外はほとんど毎日持ち歩いていますね。それに、このカメラで撮った美しさを知ると、スマホでは撮ろうと思えないです。周りの人から「どんなカメラで使っているんですか?」って本当によく聞かれるし、日常でもお仕事でも欠かせないものになっていますね。

--武智さんの写真を見ていると、いつだって自分らしさを楽しむことの素晴らしさに気付かされます。これからは、どんな自分らしい視点を撮っていきたいですか?

これまでモノとか風景を撮りがちだったんですけど、最近は人をたくさん撮ろうと思うようになりました。この歳になって、当たり前にいる人のありがたさがわかるようになってきて、今ちょっとずつ撮りためているところです。それと先日、結婚とあわせて双子の妊娠のご報告をさせていただいたんですけど、知人が「お腹の変化を撮っておくといいよ」って教えてくれて、週に一回撮るようにしています。ようやく授かった子たちなので、身体の変化が愛おしくて。出産後は子どもばっかり撮ることになるだろうなって思ってます(笑)。
アイスランドにもいつか一緒に行けたらいいなって思っていて。そういう気持ちを鮮明に残してくれるのがカメラなんだなって、改めて感じていますね。こういう時代だからこそ、写真を撮って残しておいてあげたいなって思っています。

今回登場したカメラ

FUJIFILM X-A7

text by 野中ミサキ(NaNo.works)
Photo by コハラタケル

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