【レポート】フォトグラファー・浅岡省一さんに学ぶ「女性ポートレートの撮り方」講座
富士フイルムと日本最大のカメラ女子サークル『東京カメラガールズ』がコラボレーションした一夜限りのワークショップ<ゆるふわキレイ!フラッシュで撮るお手軽女性ポートレート>が9月7日(木)に開催されました。
開催されたのはデジタルカメラ「Xシリーズ」や「GFX」の祭典<FUJIKINA 2017 東京>。会場となった綱町三井倶楽部本館は西洋建築史に名を残す傑作としても知られている洋館で、おごそかながら上品な華やかさをまとっていました。
そんななか、ひときわフェミニンな雰囲気に包まれていたのが今回のワークショップ。『東京カメラガールズ』に所属している女性のうち抽選で選ばれた20名だけが、夕景や雨景の中で女性を優しく撮ることで人気の浅岡省一先生による講義を受けることができます。
ドレスコードが定められていたこともあり、きれいにドレスアップした女性たちが続々と入室。女性たちの煌びやかな装いで一気に会場が華やかになっていきます。
今回用意されたカメラは富士フイルムのミラーレスカメラ、「X-T2」と「X-T20」。女性にも持ちやすい手ごろな大きさと、一日使っても疲れを感じさせないであろう軽さ。でもカメラならではの高級感が伝わる手触りも嬉しいところ。レンズは日常スナップにも最適な35mm(XF35mmF1.4 R)やポートレートに活躍する56mm(XF56mmF1.2 R)などの単焦点がスタンバイ。
そしていよいよワークショップがスタート!浅岡先生の挨拶の後に先生による作例を見ていきます。女性モデルの後ろや正面などにフラッシュを配置して撮影されたものが紹介され、特に雨が光で浮き立ったようなポートレートには驚きと感動の声が。どうやったらこんな幻想的な写真が撮れるのでしょうか。
浅岡先生直伝!簡単ゆるふわ撮影テクとは?
「絞り(※)は開放にすると背景がキラキラとボケてくれます。また今日は室内なのでフラッシュは天井などに一回当てて撮影すると光が柔らかくなって肌がキレイに撮れます。」
ほとんどの参加者がフラッシュを持っていないようで興味津々。「キャンドルなどの光源に向いてもらうとキャッチライトと言って瞳に光が写り込んで、より魅力的になります」とのアドバイスにメモを取る姿も。
次は実践へ移ります。基本的なカメラの設定を済ませたら、まずは実際にみんなでカメラを触りながら撮影を楽しもう、ということで参加者は4グループに。すでに照明機材やキャンドルなどの小物類が設置されているベランダに移動し、おのおの撮影をしはじめました。浅岡先生から教わったことを早速実践するべく、貸し出しのフラッシュはみんな迷わずカメラに装着していました。
最初の被写体は小さなキャンドルが10数個。乳白色やミッドナイトブルーといったかわいらしい色がついたガラスケースにほのかなオレンジの炎が揺らめきます。まずはオートモードで何枚か撮りながらもすぐにコツを掴み始める参加者。
「暗い写真を明るくしたかったら露出補正のダイヤルでプラスにすると明るく写りますよ。明るい写真を暗くしたかったらマイナスです」
女性にとってカメラのポイントは使いやすい操作感、というのも大切。「X-T2」も「X-T20」もダイヤル設定がすぐ見えるので初めて触る方でも安心。キャンドルに近づいたり離れたり。構図も2分割構図などにすることによりグッと見栄えがしてきます。
参加者がキャンドルを撮影している横で、浅岡先生がグループごとの集合写真を撮り始めました。フラッシュを連動させアシスタントが後ろからも光を当てています。できあがってくる写真は冒頭に見た作例のような幻想的な1枚に。テンポよく笑顔を引き出しながらの撮影に、参加者の楽しげな声があがります。
参加者同士もお互いに撮りあいっこ。「見て、こんなすてきに撮れた!」なんてすっかり打ち解けています。
「フラッシュがこんなに楽しいなんて知りませんでした。そして人を撮るってすごく面白いですね」との声も。夜の撮影は手ブレなどで難易度が高くなりがちですが、ノイズのないキレイな画質とフラッシュの当て方、そして小物を活用した撮影のコツでこんなにも撮影の幅が広がるのに驚きです。
編集部も「X-T20」で撮影。フラッシュの当て方で雰囲気が全く違いますね。
左:フラッシュ無し、右フラッシュ有り
はやくもワークショップは終盤に。「そもそもカメラの使い方がよくわからなかったので応募してみました」という参加者もいたなか、みんなすぐに使いこなしていた「X-T2」と「X-T20」。ふだんから気軽に持ち運べるの大きさと軽さが魅力ですが、まだまだ使いこなしたいポテンシャルも秘めています。
「X-T2」は防塵防滴性能やフォーカスレバーを搭載し、より本格的な撮影を望むあなたに。「X-T20」はより小型軽量、フルオートモードもついてサクサク撮影したいあなたに。どちらもフイルムの色味をデジタルで再現した「フィルムシミュレーション」機能が搭載されているので、風景をVelviaモードでビビッドに撮ったり、お部屋のインテリアをASTIAモードで優しい色合いで撮ったり、と考えるだけでも色々と試してみたくなります。
たくさんレンズも揃っていて何を選ぶか迷います。でもそんな悩みも楽しみの一つ。今の生活にこんなカメラがあるだけで毎日に彩りが加わりますね。次の週末、カメラを持ってどこに出かけますか?
今回登場したカメラ
text by まるやゆういち
photo by ai matsuura