【彩りコラム】by 新井まる(girls Artalk 代表) vol.05「恋人から夫婦へ」
このフォトコラムも5回目の最終回となりました。
昨年の夏に出会ったカメラ「X-E3」ともかれこれ9ヶ月のお付き合い。
「一緒にいるのが当たり前」
そう、ちょうど、恋人から夫婦になったような感覚なのかもしません。
綺麗な景色や、素敵な瞬間を見つけると、大切な人とそれを共有するような感覚で、自然とシャッターを切るのが習慣になっています。
「ほら、見て。ハナミズキから雪が降ってるみたい。」
レンズを通して見ると、同じ景色も違った視点で見ることができる。
(あ、こんな見方もあったのね。)
と気づかせてくれるのです。
ところで、昨年2月に森美術館で開催されたインド出身のアーティスト「N・S・ハルシャ展」はご覧になりましたか?
インドから世界を見た、社会派の素晴らしい展示だったのですが、アーティストのN・S・ハルシャさんがこんな話をしていました。
“クリエイティブな発想をするために、よく市場に散歩に出かけます。散歩の時は、毎回「色」を一色決めて、その色だけを見るようにするんです。例えば、今日は「赤」と決める。そうすると、モノクロームの世界に、赤色だけが色彩を帯びて見えるようになってくるんです。“
そうやって、クリエイティブな脳へスイッチを切り替えているのだそう。
(なんて素敵なんだろう!)
と、感化され、何度か挑戦してみたのですが、なかなか凡人には道程が長そうでした……。
諦めかけていたのですが、なんと、「X-E3」にはハルシャさんのお散歩視点が体感できる機能があったのです!
それがアドバンストフィルターの「パートカラー」。モノクロの中に特定の色一色だけを浮き立たせます。
ほら、こんなふうに。
アドバンストフィルターは、「トイカメラ」や「ソフトフォーカス」など全8種類。「パートカラー」の他には、コントラストと彩度を強調したポップカラーやダイナミックな階調表現で幻想的な効果を加える「ダイナミックトーン」が個人的に気に入っています。
色とりどりの花を「ポップカラー」で撮ると、おとぎの国に迷い込んでしまったような感覚に。
そして、何を撮っても発見があるのは「ダイナミックトーン」。木漏れ日の差す散歩道が、あっという間に別世界になります。
さて、
これは何でしょう?
……正解は、「洗濯物」でした!
こんなふうに、いつもの風景も全く違って見えるのがとても面白いです。
(夫婦って、こんなふうに違う視点を共有しあって理解していくのかなぁ。)
なんて想像してみたり。
(海も、山も、朝も、夜も……。カメラちゃん、これからもずーっと、一緒にいろんな世界をみにいこうね。)
フォトコラムの連載はこれで一旦最後ですが、パートナーのカメラ「X-E3」と私の旅はまだまだ続きます。
girls ArtalkやInstagramに写真を載せていきますので、もしよかったら覗いてみてください。
心のつぶやきばかりのフォトコラム、最後までお読みいただき本当にありがとうございます。
ほんの少しでも、
心が動いたり、発見があったら幸せです。
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