IRODORIいろはvol.3 〜絞り(F値)篇〜
「デジタルカメラデビューをしてみたけれど、なんだか難しい……。カメラをどう設定すればイメージ通りの写真が撮れるの?そもそも露出って?シャッタースピードって?」そんな、デジタルカメラ初心者さんが気になるカメラ用語や機能の“いろは”を解説する連載「IRODORIいろは」。富士フイルムのミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」の実際の操作方法と合わせて、写真講師のやまぐち千予さんが詳しくご紹介します。
第三回目となる今回のテーマは「絞り(F値)」。背景をボカしたり、全体をシャープにみせたりすることのできる機能です。一気にプロっぽい写真に仕上がる人気の機能ですので、ぜひチャレンジしてみましょう!
絞り(F値)とは?
「背景をボカした写真を撮りたい!」というときに使いたいのが「絞り(F値)」。絞り(F値)を調節することで、背景のボケをコントロールすることができます。
イラストにある丸い穴は、レンズの中で光を取り込む量の大小を調整するためのもので、「絞り」と呼びます。そしてこの絞りの大きさの違いを数値化したものがF値(F+数字 例:F5.6など)となります。このF値の数字が小さいほど背景がボケやすく、大きいほどくっきり全体にピントが合っているように見せることができます。
絞り(F値)を変えてみよう
FUJIFILMのミラーレスデジタルカメラ「Xシリーズ」で絞りを調整するには、レンズについている「絞りリング」を回転させます。目盛に設定したいF値を合わせることで絞りを変更できるので、難しいボタン操作なく、直感的な設定が楽しめます。
※「X-E3」と「XF23mmF2 R WR」との組み合わせを用いて説明しています。「絞りリング」がなく、カメラ側で絞りの設定が必要なレンズもあります。
※レンズ横の絞り設定を切り替えるスイッチがついているレンズ(例:F18-55mmF2.8-4 R LM OIS)の場合、レンズ横の絞り設定を「A」から「」に切り替えることで準備OKです。
こちらは、「XF35mmF1.4」のレンズを使って、同じ被写体を、F値を変えて撮ったものです。
数字が小さいほどボケ感が大きくなり、ピントの合っている主役を強調することができます。逆に数字を大きくすることでピントの合う幅が広がり、全体にシャープな印象になります。
絞り(F値)を使って玉ボケをつくろう
写真の背景にある丸いキラキラした光のことを「玉ボケ」といいます。難しそうにみえる玉ボケも、絞りのコントロールができれば意外と簡単につくることができます。
<玉ボケステップ3>
1:光の素をさがす(木漏れ日がおすすめ)
2:F値を最も小さくしておく
3:木漏れ日の手前にある主役にしたいものを撮影する
(木漏れ日と主役の距離は3m以上離れていること)
「玉ボケ」をつくることで、写真の中に光のきらめきがはいり、生き生きとした写真になります。写真を楽しみながら、背景のボケのコントロールや「玉ボケ」にチャレンジしてみてくださいね!
photo&text byやまぐち千予
Illustration by 編集部K