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Tips 2024.08.22

写真の画素数は多い方が良い?解像度との違いや5つの撮影テクニックも紹介【Snap & Learn vol.9】

【Snap & Learn】の連載企画では、一般によく知られている写真の撮影テクニックやカメラ関連の専門用語を集め、初心者の方にも理解しやすいように作例やイラストを用いて解説しています。

写真の画素数と解像度は、デジタル写真の品質を左右する重要な要素です。画素数が多いほど詳細な情報を捉えられますが、必ずしも多ければ良いわけではありません。解像度は画像の密度を表し、用途によって適切な値が異なります。

本記事では、画素数と解像度の違いを解説し、撮影テクニックも紹介します。

そもそも画素(ピクセル)とは?

画素(ピクセル)は、デジタル画像を構成する最小単位の点です。各画素は色や明るさの情報を持ち、これらが集まって写真として認識されます。画像を拡大すると、正方形の点の集合として確認できます。

デジタルカメラのセンサーには多数の画素が配置されており、被写体の光を電気信号に変換して画像にします。画素の配列や密度は画像の品質に直接影響し、より多くの画素を持つ画像データは、被写体をより詳細に、かつ滑らかな色の遷移で表現できます。

写真の画素数と解像度の違い

画素数は写真に含まれる画素の総数を表し、解像度は画像の細かさや詳細さを示します。同じセンサーサイズであれば、画素数が多いほどピクセル密度が高くなり、解像度が高くなります。しかし、解像度は画素数だけでなく、レンズの性能やセンサーの処理能力、画像処理エンジンの品質なども影響を受けます。

画素数の定義

画素数は、デジタル画像を構成する画素(ピクセル)の総数を表します。通常、縦の画素数と横の画素数を掛け合わせて算出されます。例えば、6240×4160ピクセルの画像は約2600万画素となる計算です。

画素数が多いほど、画像はより詳細で滑らかに見えます。画素数を上げると、より多くの情報を含む高解像度の画像になるメリットもありますが、ファイルサイズも大きくなる点がデメリットです。逆に、画素数を落とすと相対的に画像の細部が失われ、粗い表現になりますが、ファイルサイズは小さくなります。

解像度の定義

解像度は、単位面積あたりの画素数を表したものです。画素数が画像全体のピクセル総数を表すのに対し、解像度は画像の密度を表すので、同じ画素数でも、小さなサイズに詰め込まれた画像は高解像度となります。

解像度が高いほど、画像はより詳細で鮮明になりますが、ファイルサイズも大きくなります。解像度は、デジタルや印刷での出力の際に選択できるので、適切に設定することが重要です。

■DPIは解像度の単位
DPIは、主にプリンターの出力解像度を示す単位です。1インチ四方に印刷されるドット数を表し、値が大きいほど精細な印刷が可能になります。この単位はピクセルとは異なり、あくまで印刷時の点の密度を表しています。

つまり、DPIは実際に紙面上に配置されるインクの点の細かさを数値化したものです。

高画素カメラで撮影する2つのメリット

高画素カメラの主なメリットは、トリミング耐性が高く、細部まで鮮明に撮影できることです。これにより、画像の一部を切り取っても高品質を維持しやすく、より詳細な被写体の表現が可能になります。

トリミング時に画像が荒れにくい

低画素のカメラで撮影した画像は、拡大時に画素数が少ないため、画像が粗く、カクカクした見た目になりやすいです。特に、細部を強調したい場合や特定の部分を切り取る際には、その影響が顕著です。

一方、高画素のカメラは高解像度で撮影できるため、画像の一部を切り抜いても十分な画素数が残り、画質の粗が目立ちにくくなります。そのため、トリミング後も比較的高品質な画像を維持しやすく、撮影後の編集の自由度が向上します。

きめ細やかな写真撮影

高画素カメラは、多くの画素で被写体を構成するため、きめ細やかな撮影が可能です。画素数が多いほど、1画素あたりの面積が小さくなり、質感や微妙な色の変化、細かな模様を精密に捉えられます。

特に人物や食べ物、風景などの撮影において、陰影や質感を細密に描写できるのが高画素カメラの大きな魅力です。拡大して見ても、被写体の詳細が鮮明に保たれ、より立体的で豊かな表現が実現できます。

高画素カメラで撮影する3つの注意点

高画素カメラにもデメリットはあり、情報量が多いため画像データの容量が大きくなること、そしてブレやノイズが目立つ場合があることです。これらは高画質を追求する一方で生じる課題となっています。

画像データの読み込みが重い

高画素カメラで撮影した画像は、画素数が多いためファイルサイズが大きくなります。RAWで撮影したファイルでは50MB以上になることもあります。これにより、大量に撮影した画像を保存や転送、編集するときに時間がかかる場合があり、PCのスペックによっては負荷が増大することもあります。

PCの性能によっては、画像の読み込み時にフリーズするおそれや、大容量のストレージが必要となることでのコスト増加など、運用面での課題もあります。

関連記事:RAWとJPEGの違いを解説!知っておきたいメリット・デメリット【Snap & Learn vol.10】

手ブレが目立ちやすい

高画素カメラは被写体の微細な部分まで捉えるため、わずかな揺れでも画像に影響を与えやすいです。特に低速シャッターや望遠レンズを使用する場合、手ブレの影響が顕著に表れ、高画質のメリットが相殺されてしまうことがあります。

この問題を解決するには、手ブレ補正機能を搭載したカメラやレンズを選択するか、三脚を使用しカメラを固定した上でリモートレリーズ撮影を行うことが効果的です。

感度を上げるとノイズが増える(ISO感度の調節が必要)

高画素カメラは、ISO感度を上げるとノイズが増加し、写真の鮮明さが失われる傾向がありました。(ただし最新のカメラではこの課題は改善されてきています。)ISO感度とは、カメラのイメージセンサーが捉えた光をどのくらい増幅するかを調整する数値で、感度が高いほど暗い環境でも撮影が可能になります。

しかし、ISO感度を上げすぎてしまうと画質を低下させる「ノイズ」が発生し、画像の鮮明さが損なわれるため注意が必要です。

関連記事:ISO感度の目安を5つのシーン別に解説!適切な設定方法や仕組みも【Snap & Learn vol.3】

おすすめの高画素カメラ『X-H2』

X-H2』は、約4020万画素の高画素センサーを搭載したカメラです。この高画素により、細部まで鮮明に描写でき、特に風景やポートレート撮影で圧倒的な解像度を実現します。

さらに、5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正機能を搭載。これにより、夜景や室内など暗い環境でも三脚を使わずに手持ちで撮影することが可能です。

また、防塵・防滴設計が施されており、あらゆる場所での撮影を可能にします。

カメラを選ぶ際は画素数もチェック

写真の画素数と解像度は、画像の品質を理解するうえで重要な要素です。画素数が多いほど、細部まで鮮明に描写でき、トリミング耐性も高くなります。一方、解像度は画像の密度を示し、印刷や表示時の鮮明さに影響します。

高画素カメラにはメリットが多い一方で、データ管理や手ブレの点では注意が必要です。自分の撮影スタイルに合った機材選びが大切です。

高画素フラッグシップモデルと同等の高解像を実現する富士フイルム『X-T50』

X-T50』は『X-H2』と同様に、約4020万画素の高解像度X-Trans CMOS 5 HRセンサーを搭載し、細部まで詳細に描写します。さらに、進化したAF予測アルゴリズムにより、動体追従性が大幅に向上しました。これによりゾーンAFやコントラストの低い環境下でも高精度なフォーカシングが可能で、安定したピント合わせを実現します。高画素カメラのデメリットを抑えるべく、強力なボディ内手ブレ補正機構も備えています。

『X-T50』は、クリエイターの表現力を最大限に引き出す、多彩な機能と高い操作性を兼ね備えたミラーレスカメラです。

main photo by Mio Tangstad

Profile(記事監修者)

神崎涼

約10年間、某カメラメーカーにてエンジニアとしてデジタルスチルカメラの設計にたずさわり、プライベートでも設計したカメラの実力確認も兼ね様々な被写体の撮影を楽しんでいた。そのため理論に加え実際の使用感も把握しており、カメラの営業マンに負けないカメラ知識を持ち合わせている。現在はカメラ使用歴は15年ほどになり、フルサイズ一眼と1インチセンサーのコンパクトデジカメでの撮影を楽しんでいる。

Profile(ライター)

後藤翔栄

4歳の頃、父親にもらったフィルムカメラがきっかけで写真に熱中するようになり、2020年からカメラマンおよびWebデザイナーとして活動を開始。趣味であるダイビングと写真を組み合わせ、水中の非日常的な世界をよりクリエイティブに表現し、海の魅力を伝える活動をしている。

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