フード&トラベルライター西村愛の「旅するカメラ」Vol.4〜佐渡島篇〜
〜迷路のように入り組んだ港町、佐渡・宿根木さんぽと佐渡グルメ〜
3年ぶりの新潟・佐渡島へ。
佐渡島と言うと真っ先に思い浮かぶのが「佐渡金山」ではないでしょうか。
しかし今回は島の南にある小木港の発展を支えた「宿根木(しゅくねぎ)」の街を紹介します。
宿根木では、「JR東日本の大人の休日倶楽部」のポスターで有名になった「舟形の家」が最も象徴的かもしれません。
細い道が続く道には木造の家々が並びます。
ここ宿根木は、江戸時代に北前船で栄えた船主や船大工、また数々の職人が集まって暮らしていた街。
縦張りになった板と家屋下部に設けられた分厚い腰板。これらは千石船(北前船)に使われていた船板。
統一感があり、また古材の美しい経年美を感じさせる住宅が現在でもこの集落に100軒ほど残っており、後世に残すべき街として、国の重要伝統的建築物群保存地区に指定されています。
江戸時代に発達した北前船は、日本各地の米や物産を運ぶため様々な港に立ち寄り物の売り買いをしていました。その西回り航路の寄港地のひとつであったのが佐渡・小木港。
宿根木は廻船業などで財をなした家や、それらを中心に商売を行う人々でにぎわいがあったことでしょう。この時に使われた大型帆船は千石船と呼ばれます。千石とは米の重さのことで、150トンを指します。
この船を見ることが出来る「佐渡国小木民俗博物館・千石船展示館」。
木造で絶妙なカーブを描く建物もカッコ良い。
船の上にも上ることができますよ。
さて、宿根木には内部見学できる家もいくつかあります。
その中のひとつが「清九郎の家」。
江戸時代から明治にかけて活躍した船主の邸宅、築約180年。
外観は華美にせず屋内にお金をかける粋な造り。当時の最高の素材と意匠を散りばめ、廻船問屋としての威厳を感じさせるどっしりとした風格。
「オマエ」の部屋。ケヤキやアカマツの一本柱、杉の一枚扉が合計4枚。吹き抜けになった上部に張り付いた囲炉裏のすすが時代を感じさせます。
2階へ上がると天井はすべて漆を塗った杉板。ここは客間で、四季を感じさせるふすま絵が迎えてくれる。
家の奥に庭があり、岩盤には穴が掘られています。これは天然の冷蔵庫で、ほかの家にもあるとのこと。
細い路地が重なり合う集落で最も怖い火事に対する対策として、大切なものは全て土蔵にしまい込み、家には必要なものしか置かなかったといいます。
この旅では2泊で佐渡をあちこち見て回る旅でした。
印象強かったのが佐渡の食。
佐渡は本当においしかった!
トキのキャラクターが可愛い「佐渡乳業」ではソフトクリームを。
佐渡乳業のガチャポンでは再現率の高い佐渡牛乳の小さなミニチュアを。
可愛いお土産になります(中は消しゴムです)。
「長三郎鮨」で食べた地物だけの寿司。あわびやアジ、ウニ、のどぐろ、ばい貝など。
写真はまぐろ。佐渡のお寿司レベルの高さを知りました。
「割烹ごしま」では、しらうお鍋。
旅で疲れた身体に出汁が沁みました。
ねばねばトロトロ佐渡特産、ながも(アカモク)と明太子のパスタ。宿根木にある「茶房やました」で食べることができます。
「フルーツカフェさいとう」では目の前のハウスでできるイチゴや、地元のおけさ柿、りんごを使ったフルーツ削り。
佐渡汽船に乗って、佐渡島を後にします。
歴史の片りんを今でも感じられる島、そして美味しい島でもありました。
他にも美しい海、自然が残る場所です。
最後にカモメが盛大にお見送りしてくれました。
フード&トラベルライター西村愛の「旅するカメラ」一覧はこちら