フード&トラベルライター西村愛の「旅するカメラ」Vol.1〜札幌篇〜
〜雪が舞う札幌で煉瓦とカフェを巡る旅〜
2018年3月、北海道・札幌。
まだまだ冬の気配漂う雪雲の下。
時々見られる青空を探して。
北海道札幌で出会ったのは煉瓦造りの建物。
開拓が行われた明治初期の頃、大型建築にうってつけだった煉瓦は時代にマッチし、道内でも本州と同様、建築資材として普及していきました。明治期は札幌の隣の江別市で盛んに作られ、その後白石村(現札幌市)で焼かれた煉瓦が使われました。明治9年に建てられた「開拓使麦酒醸造所」跡地であるサッポロファクトリーは「登り窯」による焼きむらで不統一な色合いと経年変化があります。
一方、札幌の象徴としても知られる「道庁旧本庁舎」の方は一度焼失して修繕されたことから色むらがなく、赤茶色一色となっていることがわかります。
どちらもそれぞれに温かみのある美しい煉瓦色で、歴史的な価値と時代を経た上での技術進歩、建築物としての芸術性を感じさせます。あちこちにある煉瓦の建物はオススメのフォトジェニックスポットです。
道庁旧本庁舎の中で見るべきポイントは三連アーチになった階段付近エントランス、
初期の庁舎にあったシンボルで火災後再建された建物にも復元された八角塔。
自然の光があちこちから差し込むように設計されている1階廊下。「X-T2」に搭載されたフィルムシミュレーション「ACROS」を使用すると光の差し込み方がよくわかります。
疲れたらカフェで一息。「FAbULOUS(ファビュラス)」は大人気のカフェ。奥にはアパレルや雑貨も。
クラシカルで大きなソファ。
最近はInstagram用に予め画像サイズをスクエアで撮影することも増えた。オーダーした「珈琲ゼリーパルフェ」はオリジナルブレンドのコーヒーゼリーを使ったスイーツ。
一番下にはエスプレッソ風味のカラメル、その上にはバニラアイスやホワイトコーヒープリンなど。苦みのあるオトナ味とクリーミーな甘さのミックス。
「シメパフェ文化」を定着させた北海道。酪農王国・北海道。
この街のカフェ、スイーツの高いレベルは誰もが知るところですね!
予定なくふらりと立ち寄ったカフェ「NOYMOND ORGANIC CAFÉ(ノイモンドオーガニックカフェ)」。
地元の素材を使ったジェラートやコーヒーなどの販売。
2階は窓が多く明るい。
フルーツたっぷりのフレンチトースト。バゲットを一晩かけてアパレイユに漬け込んだ、しみしみふわふわ食感。
冷えたからだを温めてくれるカフェ・オ・レも、スクエアサイズで撮影してみました。
旅の中ではいつも、美しい景色や美味しい郷土料理を追い求めてしまいます。しかし心掛けていることは、それらの土台にある「歴史・風土・文化」を知ること。それらは私たちが生まれるずっと前からそこにあって、今の時代にも街の個性と唯一無二の姿を形作っています。
時代を一過性のものとして見るのではなく、その街を色んな方向から深く知るということができれば、
旅はもっと面白くなります。