STAYHOME中に撮影したベストショット Vol.2
3月末から始まった“STAYHOME”。皆さんはどのようなカメラライフを過ごされたでしょうか。この企画では、これまでIRODORIに登場してくれたフォトグラファー・コラムニストの皆さんに、STAYHOME中にXシリーズで撮影したマイベストショットを2枚紹介してもらいます。第2回目は古性のちさん、武居詩織さん、宮沢香奈さんの3名。皆さんのお家撮影の楽しみ方のヒントとなれば嬉しいです。
フォトグラファー・古性のちさん
いつも日本や世界中を飛び回る生活をしているから、私にとってお家は“安らぐところ”ではなくて“トランジット”のような感覚だった。
だからこうしておこもりの時間が長くなり、改めて“家”を見回したとき、普段は大して出ないベランダの床が撮影スポットとして優秀だったり(1枚目)、あまり開けない戸棚の中に並ぶ調味料たちのカラフルが妙に可愛く見えたりして(2枚目)、ウキウキしながらシャッターを切った。
長い時間を共にすると、見えなかった、というか今まで見ようともしなかった魅力たちが顔を覗かせる。その瞬間を残しておけるから、やっぱり写真は愛しい。遠くに行かなくたってカメラと一緒なら、人生は十分に楽しくなる。私にとって、これは大きく偉大な発見だった。
モデル・武居詩織さん
カメラを手にすることと同じように、家にいる時間が増えたことにより、日常のひとかけらがより素晴らしく見える瞬間が増えました。
ずっと同じ景色を見ているようで、毎日は少しずつ違います。今まで当たり前に見ていたものの尊さを実感させられました。
特に室内に差し込む光は空間すらも創造し、一日の中でも様々な表情を見せてくれていました。
少しだけ背徳感が混ざるような日中に入るお風呂でも、その時間ならではのライトアップにまるでそこが舞台かのように夢中になり、対して夕暮れに部屋を染める光は、今までの悲しみすらも包んでくれているように、とても優しいものでした。
光も、色も、陰影も、その粒子ひとつひとつがさらに鮮明に見えてくるような、埋もれていた宝物を見つけなおすような、そんな時間を過ごしていました。
コラムニスト・宮沢香奈さん
季節を感じられる花が欲しいと思っていた時に近所の花屋で見つけた紫陽花。
家の中にいる時間が増えれば増えるほど自然に触れたくなる。自宅と仕事場が同じ空間で、植物たちはとても重要な存在となった。一目惚れした淡いピンクと萌黄色混じりの白い花びらはドレスのフリルのように愛らしい。紫陽花は雨の季節が似合う。梅雨のないベルリンから日本に思いを馳せる。
スイスメーカーのBluetoothをオンラインショッピングにて購入。
“良い音楽は現場で聴くもの” それは私の中での揺るぎないルールだった。エンターテイメントが一瞬で消えてしまった世界は絶望に似ている。そんな喪失感を癒してくれたのが、この小さくてミニマルなステンレス製スピーカーだった。そして、バルコニーで仕事をする時の相棒となった。
お家の中で写真を撮ることは、今まで気づけなかったささいな変化や発見のきっかけになったり、新たなことに挑戦する原動力になることも。ぜひ皆さんもお家の中での撮影を楽しんでみてください。
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