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Interview 2021.07.30

【Xシリーズユーザーインタビュー】フラワーデザイナー・滝沢可奈子と『X-S10』 「届けたいのは、ありのままの美しさと素敵な気持ち」

“もうひとつ暮らしを豊かにしてくれるもの…” をテーマに、リースやアレンジメントを製作している『Honey Garden(ハニーガーデン)』主宰のフラワーデザイナー・滝沢可奈子さん(@kanakophoto )。アーティフィシャルフラワー*をナチュラルに組み合わせた作品の数々は、生花のように瑞々しく色鮮やか。ひときわ目をひくその美しさは、インテリアやプレゼントとして素敵なものに親しむ人たちから大きな注目を集めています。今回は、長らくフルサイズ一眼レフを使用してきたという滝沢さんが『X-S10』と出会ったことで感じたミラーレス機の魅力や植物の繊細な色あいをリアルに写し出すことへのこだわりについてお伺いしました。

*アーティフィシャルフラワーとは:生花をリアルに再現し、生花にはない美しさを表現した造られた花

Interview:滝沢可奈子

--滝沢さんのinstagramには眺めているだけで癒されるような作品の数々がアップされていますが、現在のお仕事を始められた2002年当初から作品の撮影にはこだわってこられたそうですね。

やっぱり作品を見ていただく機会がないことには届けることもできないので、そのきっかけになる写真は作品と同じくらい大事なものと考えています。始めてすぐの頃はコンパクトデジタルカメラを使っていたのですが、その後フルサイズの一眼レフを購入しました。ただ、写りはいいけれど、重たくて持ち運びしづらいところが気になっていて。もっと気軽に持ち歩けて、動画にも向いているようなカメラを試してみたいなあ、というところからミラーレスカメラに注目するようになりました。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.8 /1/250秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

--そうしたなかで、現在お使いの『X-S10』に出会われたんですね。数あるミラーレスカメラの中で「これだ!」という決め手はどういったところだったのでしょう?

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.0 /1/320秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

新しいカメラを探すうえで、アングルを自由に変えて撮影したいので、バリアングル液晶は絶対に外せないなと思っていました。また、手ブレ補正も欲しかった機能のひとつです。X-S10は、私がカメラを探していたときに発売されたXシリーズの最新モデルだったのですが、技術も進歩しているし、元々使っているカメラにも負けないくらいきっとすごくいいカメラなんじゃないかなと。それで家電量販店に行って実物を触ってみたら、すごく軽くて。デザインもシンプルで気に入りました。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/800秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

--作品撮影以外では、どんなシチュエーションでX-S10を使っていらっしゃいますか?

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F1.8 /1/180秒 /
フィルムシミュレーション:ASTIA

ご飯を食べに出かける時とか、お花を買いに行く時などに使っています。ちょっとしたときでも「カメラを持っていこうかな」と思うことが多くなりました。カメラが重いと自宅とアトリエを往復するだけでも大変で、途中に買い物をしたりして荷物が増えたときにかさばってしまうので。X-S10を使うようになってからは、その点がすごくラクになりました。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.8 /1/60秒 /
フィルムシミュレーション:ASTIA

写真の仕事をしている友人が普段の撮影に富士フイルムのカメラを使っていて。その友人の作品を見たことも「富士フイルムのカメラを使ってみたい」と思うきっかけだったのですが、X-S10で撮影した写真はキレイなのはもちろん、特に露出やホワイトバランスを設定しなくても、きちんと明るく撮れているなあと感じます。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.0 /1/320秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

--植物やお花を使った商品を見せるという点では、実物のリアルな色みを伝えるというところが重要になりそうですね。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F1.8 /1/750秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

そこはすごく大事だと思っています。雰囲気重視ではなく、あくまで実際の色みが伝わるように普段は見たまま発色の『PROVIA』を使い、ホワイトバランスを少し調整して撮影しています。たまに色が鮮やかに出過ぎていると感じる時は、『ASTIA』を使うこともあります。作品をつくる段階できれいに見える組み合わせや不自然にならない色合わせを意識してはいるのですが、撮影する時に設定をあれこれ変えなくてもそのままの色みを再現してくれるのは頼もしいですね。仕事で使わないぶん、お出かけ先で写真を撮る時には、他のフィルムシミュレーションをいろいろと試してみたいなと思っています。

--そうした色みや明るさ以外で意識されていらっしゃることはありますか?

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.8 /1/250秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

一番は、ピントの合わせ方です。たとえばリースですと、1番手前にあるお花にピント合わせるようにしています。真正面から撮影する以外にも、奥行きがあるものは斜めから撮ってみたり、厚みがわかるように横から撮ったり。じっくり何枚も気に入るまで撮ります。商品撮影なので、あまりぼかさずにF2.8くらいで撮ることが多いです。あとは、自然光で撮ることですかね。今、『XF35mmF1.4 R』の単焦点レンズを使っているのですが、ふわっとした写真も、鮮明な写真も、思ったように撮れるレンズですごく気に入っています。

--製作風景やワークショップ用の動画などではX-S10のバリアングル液晶が大活躍しているそうですね。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.8 /1/8秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

そうですね。動画を撮る時は三脚を使うのですが、カメラ本体を下に向けて手元だけを撮影しているのでバリアングルじゃないと液晶を見ながらの作業が出来ないんです。それと、重くて大きいカメラだと三脚が倒れてきちゃうので、軽くて小さなミラーレス機は動画の撮影にも向いていると思いました。動画の場合も特に色の補正はしていません。

--写真に動画にと、カメラには作り手である滝沢さんの想いと受け取る方の喜びを繋ぐ役割があるようですね。今後、作品づくりを続けるうえでX-S10を使ってやってみたいことなどはありますか?

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F3.6 /1/60秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

自分で撮った写真を使って本を作ってみたいなと考えていたりはします。毎年カレンダーを作っているのですが、今年はX-S10で撮影した写真を使ってカレンダーをつくります。どの作品も受け取った方が喜んでもらえるように、飾られたときにその空間が明るくなるようにという気持ちで作っています。これからも、ちょっとでも暮らしのプラスになるようなものを作り続けたいなと思っています。

X-S10 /XF35mmF1.4 R /F2.2 /1/640秒 /
フィルムシミュレーション:PROVIA

その他【Interview】記事はこちら

text by 野中ミサキ(NaNo.works)

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