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Interview 2021.03.30

【Xシリーズユーザーインタビュー】ブロガー大和貴英と『X-T4』 ファインダー越しに見つける好奇心の種

“季節の記録係”を名乗り、日々撮影した花や景色を自身が運営するカメラブログやTwitterに投稿しているブロガーの大和貴英さん(@takaphotoslog)。「なにか新しいことを始めたい」と写真に興味を持って以来、さまざまなメーカーのカメラに触れるなかで、Xシリーズに出会ったのだと言います。ミラーレス機のコンパクトさとレンズの性能といった側面に惹かれていたという大和さんが、『X-T4』のファインダー越しに見つけた“撮る喜び”とは?自分のペースで写真を楽しむいちリアルユーザーの視点を語ってくださいました。

Interview:大和貴英

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:3.6 /シャッタースピード:1/1250 /フィルムシミュレーション:PROVIA

--大和さんは現在、X-T4と他メーカーのカメラを併用されているとのことですが、そもそもカメラを始められた動機はなんだったのでしょう?

特に写真が好きというわけでもなく、とにかくなにか新しいことをしたいと思ったのがきっかけでした。実は、もともと音楽を作っていたんです。だけど、ずっと続けているうちにマンネリを感じてしまって。音楽制作って、3分の曲を作るために何時間も部屋にこもって作業しなくちゃいけないんですよね。その点、写真は外に出られるし、自分の感じたことが瞬間的にカタチになるので。それで、ひとまず代表的なメーカーのフルサイズ一眼を買ったのが、8年ほど前のことです。

--まったく逆のことをしてみたいと思っていた大和さんにとって、カメラは最適のツールだったんですね。その後『X-T2』をご購入されたそうですが、富士フイルムのカメラに触れたキッカケは?

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/3000 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

私の場合、撮影のときはカメラを複数台持っていくことが多いのですが、たとえばフルサイズ一眼を3台持って桜並木を3kmほど歩くこともあるんです。そうすると、とにかく重たくて。そこでコンパクトなミラーレス一眼に移行したいと考えたところで、Xシリーズに目が留まりました。それで、まずは使ってみようということで『フジフイルム スクエア*』で『X-T2』と標準ズームレンズ『XF16-55mmF2.8 R LM WR』をレンタルしてみました。

--初めて触った富士フイルムのカメラ、第一印象はいかがでしたか?

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:11 /シャッタースピード:1/200 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

そのとき、自分の中でまだミラーレス機というものの概念がはっきりとしていなかったんです。ただ、前からXF16-55mmF2.8 R LM WRを使ってみたくて。フルサイズだと重いんですけど、フルサイズで使っていたレンズとほぼ同じ画角で写りもとてもきれいでしたし、持った感じも軽かったので購入しました。富士フイルムのカメラのフォルムも好きです。デザインとしていいですし、コンパクトだけど軽すぎないので、手に馴染みますね。

--具体的に使ってみたいレンズが決まっていたということは、撮りたいものもある程度固まってきていたんですね。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:5.6 /シャッタースピード:1/800 /フィルムシミュレーション:PROVIA

そうですね。その頃には、今のように季節の写真を撮るようになっていました。

--現在お使いのX-T4には、手ブレ補正や最新のフィルムシミュレーション・クラシックネガが搭載されるなど、先代モデルを使っていたからこそ感じられるポイントが多々あるのではないでしょうか?

X-T3 /XF16-80mmF4 R OIS WR /F値:4.5 /シャッタースピード:1/60 /フィルムシミュレーション:PROVIA

そうですね。『X-T4』に関しては、発売が発表されたタイミングですぐに予約したのですが、決め手はクラシックネガとボディ内手ブレ補正でした。特にボディ内手ブレ補正は、ずっとあるといいなと思っていた機能だったので。X-T2での撮影は、暗くなってくるとどうしてもブレてしまうことがあったんです。手ブレ補正が入っていればISO感度をそこまで上げなくてもきれいに撮れるので、自分にとってはすごく大きなメリットです。

--その他、操作性や機能面でX-T4の進化を感じた点はありますか?

バッテリーの持ちが明らかに長くなったと思います。屋外で撮影するときは基本的にバッテリーを2個持っているんですけど、X-T4は1個で1日まかなえてしまう。これまでは、3個のバッテリーを1日で使い切ってしまうこともあったので、そこはかなり大きいですね。一度シャッターを切り始めると外にいる時間が自然と長くなってしまうので、予備バッテリーと給電バッテリーも持ち歩いているんですけど、ほとんど出番がないです。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/1500 /フィルムシミュレーション:ACROS

--バッテリー残量を気にせず撮影に没頭出来るのは嬉しいですよね。X-T4と他メーカーのカメラとで、普段どういった使い分けをされていらっしゃいますか?

花や日中のスナップ撮影はX-T4、夕景や夜景を撮るときは他メーカーのカメラを使っています。きれいな画を撮るために使い分けているというよりは、運用のしやすさで分けている感じです。逆に、X-T4で撮りたくなるのは、曇りや雨のとき。光の状態がよくないときにフィルムシミュレーションを使って撮ると、雑多なだけの風景もいい雰囲気に見せてくれる。なので、空模様が悪いときにあえてX-T4を持って外に出てみることはあります。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:10 /シャッタースピード:1/20 /フィルムシミュレーション:PROVIA

--フィルムシミュレーションも、被写体ごとに使い分けていらっしゃるそうですね。

花の場合は、PROVIAで撮ることが多く、スナップのときは、濃淡が美しいACROSやクラシックネガを使っています。これはX-T2のときから感じていましたが、やっぱり富士フイルムさんの色が好きです。他メーカーのカメラで撮るときは時間をかけて色づくりをしたいのでRAW現像で撮るんですけど、X-T4はボディ内でこまかな色みの設定が出来るので、その場で思うままの画が仕上がるというところが大きな魅力だと思います。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:11 /シャッタースピード:1/200 /フィルムシミュレーション:PROVIA

--大和さんは“季節の記録係”としてSNSで日々写真を投稿されていらっしゃいますが、もともと植物に詳しかったのでしょうか?

いえ、はじめは桜の種類もソメイヨシノしか知らないくらいで、撮りながら「これはなんだろう」って調べているうちにいろいろ覚えていきました。以前は撮影のために遠くまで出かけていたんですけど、去年は、なかなか外出が出来なかったので主に自宅近くで撮影していて。道端に咲いている花なんかを見ているうちに、今までとは違った植物の見方ができるようになりましたね。特に4月と5月は本当にどこにも行けなかったけれど、その代わりその時期に咲く身近な花の魅力を知ることが出来ました。今年は、旧中川っていう桜の名所に開花の一ヶ月くらい前から通い始めて、桜が蕾から咲いていく様子を撮り続けてみました。初めて夜桜も撮ってみました。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/3200 /フィルムシミュレーション:PROVIA

--そうした発見を撮影した写真とともにブログやSNSで発信することは、撮り続けるモチベーションに繋がっているのでは?

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:5.6 /シャッタースピード:1/640 /フィルムシミュレーション:PROVIA

音楽をやっている時からそうなんですけど、やっぱり作品は人に見てもらわないと上手くならないっていうことを知っているので。見てもらって、反応がなくても出し続けて、自分の中でこういうふうにしてみようっていう気づきを得られるんじゃないかなと思います。

--そうした気づきをもとに、今後撮ってみたいテーマや挑戦してみたいイメージはありますか?

実は、去年頃からポートレート撮影をやってみたいなとは思っています。都市風景が好きなので、人だけにフォーカスするものではなく“都市と人物”のような写真も撮ってみたいです。あえて花と人物ではなく、固いものと柔らかいものを組み合わせてみようかなってイメージを膨らませています。

--ファインダーを覗くことで、身近な環境がより鮮明になっていく喜びをお話から感じます。最後に、X-T4で撮った印象的な1枚を紹介していただけますか?

普段あまりX-T4では夕景を撮らないのですが、夕陽がきれいだったので思い立ってふらっと撮りに出かけたことがあるんです。そのとき、ふと撮影した1枚はすごくいいものが撮れたなと感じました。そうした、思いがけず心に残る瞬間に出会えるのもカメラを持って歩く楽しみだと思います。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:11 /シャッタースピード:1/100 /フィルムシミュレーション:PROVIA

*現在レンタルサービスはFUJIFILM IMAGING PLAZAのみでの受付となります。(以前は『フジフイルムスクエア』内にある東京サービスステーションでレンタルサービスを行っておりましたが、丸の内のFUJIFILM IMAGING PLAZAのオープンに伴い東京サービスステーションは閉鎖)

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text by 野中ミサキ(NaNo.works)

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