【Xシリーズレビュー】 〜キャンプインフルエンサー・マツ〜 映えるキャンプの撮影術! Xシリーズ新製品『X-S20』で撮るアウトドア
カンタン手軽な『ズボラキャンプ飯』をメインに、キャンプのあれこれをSNSで発信するインフルエンサーのマツさん(@ma2.camp)。愛車のジムニーに乗ってフレンチブルドッグの相棒・おもちちゃんと楽しむアウトドアライフは、キャンプ初心者も真似できるテクニックが満載です。 今回は実際にキャンプサイトを設営していただき、『X-S20』の魅力を掘り下げるとともにアウトドアシーンでの撮影ポイントを解説していただきました。アクティブに外遊びを楽しみたい季節、ぜひ今回の記事を参考に“映えるキャンプ”にトライしてみてくださいね!
Interview:マツ
━━日々SNSにアップされるマツさんの写真や動画、見ているだけでアウトドアへの好奇心が高まります。現在のようにSNSでキャンプの様子を発信するようになったきっかけは?
キャンプ歴は4年ほど、SNSは思い出を記録するために始めました。もともとアウトドアには縁がなかったのですが、仕事で疲れているときに友だちが登山に誘ってくれて。そこで食べたカップ麺とコーヒーがすごく美味しくて、もっと外でごはんを食べてみたいなって思ったのがキャンプにハマったきっかけです。最初の一年はおしゃれキャンプを目指して本格的な料理にもトライしましたが、やっているうちに疲れてしまって。もっとカンタンにキャンプで食事を楽しめたらと思って始めたのが『ズボラキャンプ飯』でした。
――現在使用されているフルサイズ機もSNS発信のために購入されたそうですね。富士フイルムのカメラを使うのは今回が初めてとのこと。早速『X-S20』を手にされたご感想から聞かせてください。
軽量&コンパクトだけどグリップが深くてグッと握れて、片手でも撮影できるので写真も動画もすごく撮影しやすいですね。とくに犬を撮影するときは、リードを持っているので片手で持てるというのは嬉しいです。本体のサイズ感に対して液晶がすごく大きいですよね。僕がキャンプのギア選びで重視しているポイントは、極力コンパクトに持ち運びができて、設置の手間がかからないもの。最近はおもちと一緒にキャンプをするようになったので、余計に荷物を減らさなきゃいけないんです(笑)。バッテリーの持ちがいいので予備を持ち運ぶ手間が省けるし、サイズ感も性能もアウトドア向きだなと思います。
━━交流のあるキャンパーにもXユーザーの方がいらっしゃるそうですね。情報交換などをされるなかで、Xシリーズについてなにか耳にされることはありましたか?
YURIEさんの記事も見ましたし、Xシリーズを使っている友だちの写真を見たり話を聞いたりするなかで「富士フイルムのカメラは撮って出しの状態でエモい写真に仕上がる」という印象はもっていました。僕も撮ったその場でinstagramのストーリーにすぐ投稿したいというときがあるんですけど、今使っているフルサイズ機はリール動画撮影での利便性を重視して選んだ反面、撮影後の編集はマストなんです。『X-S20』を使ってみて、編集の手間がかからないって本当だったんだって感心しました。
━━操作感や写真そのものへの印象はいかがでしたか?
部屋で観葉植物とかちょっとした雑貨を撮影したり、カフェなんかでも撮ってみたんですけど、とにかく色みがめちゃめちゃ素敵だしフィルムシミュレーションを選びながらの撮影もすごく楽しかったです。とくに、あたたかみのあるノスタルジックネガが好みですね。いい意味でシンプルなので、初めてだけどとくに迷わずに使うことができました。また、AFもすごく速いですよね。被写体検出モードが搭載されているので、おもちを撮るときは『動物』に設定しました。普段使っているカメラもAF機能が強い機種ですが、遜色ないと思います。
━━『X-S10』と比べてもAF機能は格段に進化しています。今回は、普段マツさんが行なっているキャンプ撮影を『X-S20』を使って実践していただきました。その際に撮影いただいた写真とともに、シチュエーションごとに意識している撮影ポイントを伺いました。
◉ キャンプサイトの撮影は余白が大事
僕の場合、キャンプアイテムは白やグレーで統一しています。色は3色まで、素材は2つまでに統一するとレイアウトにまとまりが出ます。また、余白がとても大事です。モノが多すぎるとごちゃごちゃして見せたいものが埋もれてしまうので、“量より質”の意識でモノはできる限り少なくしています。屋外の撮影では白飛びしてしまうことも多いので、編集しやすいよう露出を下げたり減光フィルターを使用して暗めに撮影。三脚を設置するときは、中心に焦点を合わせ、被写体に対して水平・平行をベースに45°単位で角度・高さを変えています。
キャンプサイトは、背景に緑があっていい感じに影の出来る林間、地面はなるべく土ではなく砂利など白っぽいところに設営すると写真映えしますよ。
◉ 料理撮影は引きと寄りのメリハリをつける
キャンプ時の料理撮影では、写真を見てくれる人が自分で調理していると感じられる角度を意識しています。なので、実際に調理中の撮影をするときは顔の真横にカメラを設置して自分の目線と合わせています。引きと寄りのメリハリをつけることは、美味しそうに撮るテクニックのひとつ。たとえばお肉を鉄板に置こうとするまでは引き、置く瞬間は寄りなど。また、グツグツ煮立ったシーンやチーズがとろ〜と伸びるシーンはかなり寄り撮影でシズル感を意識します。
下の写真は最後の盛り付けの瞬間。メインの料理、トッピング、手元全体が映る構図を意識して撮影しました。
最近ハマっているのは、さけるチーズに豚バラ肉を巻いて塩胡椒して、ホットサンドメーカーで焼くレシピ。さけるチーズは焼くと本当においしくなるんです。持ち運びもしやすいのでオススメの食材です。
◉ 物撮りはリアル感を出すために動作を入れる
物撮り撮影では、水平・平行、45°の角度をベースに、対角線上に被写体を配置するようにしています。リアル感を出すために人の手を入れることも多いです。
焚き火など暗いシーンでは、F値を最大まで開放。ISOはノイズが出過ぎない限界値まで上げ、あとはシャッター速度で調整しています。シャッター速度1/80よりも下げる必要があれば三脚固定で手ブレを防止しながら明るさを調整していきます。『X-S20』のボディ内手ブレ補正は、スチール撮影はもちろん手持ちの動画撮影でもカクつかず、滑らかな映像が撮影できました。
◉ 動画撮影は1コマ1〜3秒に収める
富士フイルムのカメラで撮る写真は「エモい」というのが個人的なイメージなので、今回のリール動画のコンセプトも“コーヒーでエモいチルタイム”をテーマにしました。食べものの調理撮影同様、自身の目線に合わせた画角を意識しています。カット割は長くなると動画に飽きてしまうため1コマ1〜3秒とし、動画内でメリハリが出るようにしました。
━━今回実際にキャンプの現場にお邪魔したことで、発信の裏側にあるさまざまな工夫やアウトドアならではの醍醐味を体感することができました。自然の中で愛着のあるものに囲まれてゆったりと過ごす時間、とっても素敵です。改めて今回、キャンプで『X-S20』を使っていただいた感想を聞かせてください。
『X-S20』の使い心地は、ギアを選ぶうえで重視している“気軽に持ち出して手軽に楽しめる”という点と共通しているなと感じました。インテリアとしても絵になるデザインと使い込むほどに味が出てくるメカニカルな雰囲気も好みだし、芸術作品のような佇まいでカッコいいです。こうしてテーブルに置くだけでもサマになるので、機械以上の思い入れが生まれそう。キャンプでは、モノを少なくするぶんひとつひとつのアイテムにこだわるようにしています。気に入ったものだと長く大事に使おうという気持ちになるし、たくさん持ち出したくなりますよね。そんなカメラなら、写真を撮る機会も自然と増えると思います。
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by 大石隼土