フィルムシミュレーション『PRO Neg.Std』で撮るベストショット〜shimizu_nobu_・嵩・タケナカナミ〜
Xシリーズを愛用しているフォトグラファーさんに、各フィルムシミュレーションで撮影したベストショット2枚と、そのフィルムシミュレーションに感じている魅力や自身の想いをご紹介していただく本企画。今回は、やわらかな階調が特徴のフィルムシミュレーション『PRO Neg.Std』について、shimizu_nobu_さん(@ shimizu_nobu_)、嵩さん(@ taka_phy_)、タケナカナミさん(@blancoo_house)に語っていただきました。
PRO Neg.Std ①:shimizu_nobu_
PRO Neg.Stdが好きな理由は、やっぱり落ち着いたトーン。
ほんの少しフェード感もあるのでシネマチックな空気感を醸し出してくれるのがとても好きな要素です。
作られた空気感や場面より“日常の瞬間”をカタチに残したくて。
暮らしの中の美や、日常生活で起こる偶然性みたいな瞬間をいつも意識しています。
1枚目の写真は、シナモンロールを形作る際の小指の感じが良くて撮りました。
妻の趣味がパン作りなので時々彼女が作るパンを思い出作りの一環として撮影しています。
生活や暮らしを撮影する際にPRO Neg.Stdの落ち着いたトーンは、切り取る空気感を優しく演出してくれます。
また、ストリートフォトも好きなのでその時々の瞬間を切り取ったりします。
その際のフィルムシミュレーションはPRO Neg.Stdを選んで、少しシネマチックな雰囲気を演出してます。
コントラストと彩度が少し抑えめなので陰影をはっきりつけたい写真の場合は、コントラストを少し上げてもいいと感じます。
発色が柔らかいので少し粒子を足しても素敵な雰囲気を出してくれる。
とても使い勝手が良いフィルムシミュレーションだと思います。
Profile
PRO Neg.Std ②:嵩
普段スタジオ撮りする時は、ほとんど『GFX50S II』で撮影しています。
ライトを組む時はその場で絵作りを完成させていくので、見たままの表現に優れたPROVIAを使う事も多いですが、雰囲気を落ち着かせたい時やRAWから現像する時のベースとしてPRO Neg.Stdは多用しています 。
PRO Neg.Stdはコントラストが低くて彩度も強すぎないので、柔らかく優しい写真が撮れるところが良いと感じています。
1枚目はズームレンズ『GF45-100mm F4 R LM OIS WR』の開放で撮っているのですが、かなり柔らかい光の入るスタジオだったので、レンズのボケの階調と柔らかい雰囲気をより引き立てたくてPRO Neg.Stdを使いました。
2枚目は日差しが強くコントラストが高かったのですが、引きでいろんな色合いを入れた時に全体を柔らかくしたくて、PRO Neg.Stdをベースにコントラストを下げ、彩度を上げて調整しました。
2枚ともRAWから現像していますが、PRO Neg.Stdの淡さをベースにすると良い塩梅の色に持っていきやすいんです。元々濃い味の料理を薄味にしていくより、薄味から好きな調味料を足していく方が好みの味を作りやすいみたいな感覚です。
Profile
PRO Neg.Std ③:タケナカナミ
初めて使った富士フイルムのカメラは『X-Pro1』。
その頃はフィルムシミュレーションのことがあまりわかっていなくて、PROVIAのままで撮っていました。
フィルムシミュレーションの存在を知ったときに気に入ったのがPRO Neg.Std。
時計をした自分の手を撮ったときに一番キレイに見える!と思ったのがきっかけ。
そこから物撮りも建築物を撮るときもお花を撮るときもずっとPRO Neg.Std。
彩度が低めで、柔らかい写りなのが大好きです。
スマートフォンでなんとなく写真を撮るときもPro Neg.Stdのような色味にしようと思うくらい、わたしの写真の基準になっています。
撮るものによってはカラーやシャープネスをプラスにすることもありますが、ほぼ設定は変えず。
他のフィルムシミュレーションを試しに使っても、結局戻してしまうくらいお気に入り。わたしにはかかせないのがPro Neg.Stdです。