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Tips 2024.09.01

ポートレートとは?背景をボカした映え写真を撮るテクニックを紹介!【Snap & Learn vol.14】

【Snap & Learn】の連載企画では、一般によく知られている写真の撮影テクニックやカメラ関連の専門用語を集め、初心者の方にも理解しやすいように作例やイラストを用いて解説しています。

ポートレート写真は、背景をボカすなどの工夫で人物の被写体の魅力を引き立てる撮影スタイルです。本記事では背景をボカすためのカメラ設定や、映える写真を撮るテクニックを解説します。照明機材を使わずに撮影できる方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ポートレートとは?スナップとの違いも解説

ポートレートとは、主に人物を主役にした写真全般を指します。英語の『Portrait(肖像画)』に由来し、被写体、つまり撮影される人物がカメラを意識している点が特徴です。

ポートレート写真では多くの場合、ポーズや表情、背景などを事前に計画し、意図的な構図で撮影が行われます。被写体を際立たせるために人物にピントを合わせ、背景をボカして撮影することが一つの手段としてよく用いられます。

一方、スナップはポートレートとは対照的に、計画性がないのが特徴です。何気ない瞬間や思いがけない被写体の姿を切り取ったもので、被写体が撮影されていることを意識していない場合がほとんどです。たとえば夫婦が何気なく会話をする様子や、子どもが無邪気に遊ぶ姿などが該当します。

背景をボカした写真が撮りたい!ポートレートを撮る際におすすめのカメラの設定方法

続いて背景をボカしたポートレート撮影をする際におすすめのカメラ設定についてお伝えします。具体的には以下の3つです。

ISO感度は基本的にAUTOに設定

ポートレート写真を撮る際のISO感度は、基本的にAUTO設定にします。なぜならISO感度では、カメラのイメージセンサーが捉えた光をどのくらい増幅するかを調整できますが、状況に応じて適切な感度に都度調整するのは手間がかかるからです。ISO感度が上がりすぎるとノイズが増え、画質が劣化する原因にもなります。

最新のカメラには、設定したF値やシャッタースピードに応じて、ISO感度を自動調節する機能が備わっていることが多いです。ISO感度はカメラに任せて、後述するF値やシャッタースピードの設定を優先すると良いでしょう。

ISO感度の目安を5つのシーン別に解説!適切な設定方法や仕組みも【Snap & Learn vol.3】

F値は低めに設定

F値とは、レンズからイメージセンサーに取り込む光の量を数値化したものです。数値が小さくなるとより背景のボケが強くなります。

ポートレート写真ではこの特性を活かし、F値は低めに設定しましょう。背景がボケて被写体が際立つ写真を撮りやすくなります。

F値とボケ・明るさの関係を比較!写真の表現への活かし方も解説【Snap & Learn vol.5】

シャッタースピードは速めに設定

シャッタースピードを速くすると、手ブレを防ぐ効果があります。ポートレート写真は手持ち撮影が多く手ブレにつながりやすいため、シャッタースピードは速めに設定しましょう。

また、被写体が動く場合や屋外で背景に動きがある場合も、速めに設定するとより鮮明なポートレート写真を撮影できます。

シャッタースピードとは?調節することで得られる効果や5つの表現方法を紹介【Snap & Learn vol.1】

映えるポートレートを撮る6つのテクニック

続いて映えるポートレートを撮るテクニックについてお伝えします。「何かが物足りない」「なかなか思い通りに撮影できない」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

緑や紅葉を背景に入れる

緑や紅葉を背景にすると被写体の輪郭が際立ち、写真に奥行きと立体感が生まれます。これにより、映えるポートレート写真の撮影が可能です。

また、自然の光が入ることで写真全体が明るい雰囲気になります。色味のある植物を取り入れると彩りも加わり、いっそう華やかな仕上がりになります。ただし、木の幹が大半を占める構図は暗くなりやすいため、バランスに注意して撮影しましょう。

緑や紅葉といっても観光地である必要はありません。近場の公園など、身近に緑がある場所で撮影してみてください。

距離を変えながら何度か撮影しバランスを調整する

被写体と背景の距離を調整すると、背景のボケ具合をコントロールできます。距離を広げると、背景がボケやすくなります。これはカメラがピントを合わせられる範囲(被写界深度)が限られるためです。

ただし、距離を離しすぎると背景がボケすぎて、何が写っているかわからなくなることもあります。被写体と背景のバランスが保てる距離を探るため、距離を調整しながら撮影してみましょう。

光の向きを意識する

被写体に対して光をどの向きから当てるかも、ポートレート写真の印象に影響を与えます。光の向きには主に以下の3種類があります。

光の向きに絶対的な正解はありません。たとえば逆光も、独特の表現が楽しめる魅力的な光の使い方です。さまざまな角度で撮影を試して、自分のイメージに合った光の使い方を見つけてみてください。

構図やアングルを工夫する

被写体をいかに目立たせるか、視線誘導させるかの手法として構図やアングルが存在します。方法はいくつもあり、それぞれで与える印象が異なるので、工夫して被写体が際立つものを探してみてください。まず代表的な構図をご紹介します。


そのほかの構図は以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて読んでみてくださいね。

写真の構図に迷う初心者必見!基本のカメラ構図10種類と活用例を紹介【Snap & Learn vol.12】

構図だけでなく、アングルも写真の印象に影響します。

構図とアングルを組み合わせて、被写体の魅力を引き出す1枚を見つけてみてください。

モデルにリラックスしてもらう

モデルの魅力を引き出すために、自然な状態でリラックスしてもらいましょう。緊張していると、硬い表情や不自然なポーズになり、違和感のある写真につながります。

撮影者はコミュニケーションを取りながら、自然な表情やいつも通りの雰囲気を引き出せるよう努めましょう。雑談はもちろん、ポーズや表情を褒めるのも効果的です。

【応用編】キャッチライトを入れる

キャッチライトを目に入れると、より映えるポートレート写真を撮ることができます。キャッチライトとはストロボやLEDライトを使って目に光を入れ、輝きを与えるテクニックです。目に輝きがあると被写体が生き生きとした印象になります。

ストロボやLEDライトを被写体に向けると、被写体の目にキャッチライトが写り込みます。ただし、機材の購入が必要になるため、本格的に取り組みたい場合に取り入れるとよいでしょう。

照明なしでも魅力的に撮れる!ポートレート撮影のロケーション

ポートレート撮影には照明機材が必要と思われるかもしれません。プロの撮影では使用されることもありますが、初心者のうちはまず撮影回数を重ねることが大切です。また、照明がなくても自然光で魅力的な写真が撮れるロケーションもあります。詳しく見ていきましょう。

自然光を生かせる屋外

屋外の自然光は太陽光が直接被写体を照らすため、光量が多く全体的に明るい写真を撮りやすいです。照明機材では広い範囲を均一に明るくすることが難しいため、屋外でしか生み出せない仕上がりが期待できます。

ただし、時間帯など条件によって光の強弱が変動する点に注意が必要です。やわらかく明るいポートレートを撮影するポイントとしては、以下の方法が挙げられます。

 ● 朝や夕方のやわらかい光の時間帯を狙う
 ● 木陰や建物の影を活用する

自然光をコントロールすることはできませんが、特性を生かし照明機材とは異なるポートレート撮影ができます。

窓からの自然光が差し込む室内

屋外でなくても自然光が差し込む室内であれば、特別な照明を使わずポートレート撮影が可能です。窓から差し込む光は特定の箇所に集中するため、照明のように使えます。被写体を照らすだけでなく、窓枠を活用した額縁構図での撮影も可能です。

ただし、直射日光は影が強くなりやすいので注意が必要です。解決法として、白いレースカーテンを通した光を活用しましょう。部屋全体がやわらかく明るくなり、被写体に均一で優しい光が当たります。被写体もまぶしさを感じにくくなり、自然な表情を引き出すことができます。

撮影テクニックを参考にポートレート撮影を楽しもう!

ポートレート撮影は背景をボカすカメラ設定や光の使い方、構図やアングルの工夫などで、被写体の魅力を最大限に引き出すことができます。緑や紅葉を背景に入れる、自然光を生かすロケーションを選ぶなど、シンプルな方法でも映える写真を撮ることが可能です。

紹介したポイント・テクニックを参考に、撮影を繰り返しながら自分らしいポートレート写真を追求してみてください。

ポートレート撮影におすすめのカメラ『X-T50』とは

最後に、ポートレート撮影に最適な性能を備えたカメラ、富士フイルム『X-T50』をご紹介します。約4020万画素の高画質センサーとディープラーニング技術を用いて開発した被写体検出AF搭載で、人物の瞳や顔を正確に捉えます。

『スムーススキン・エフェクト』という肌のレタッチを自動で行う機能が搭載。ポートレート写真の撮影時に使用すると、被写体の肌だけを検出し、滑らかで美しく見せられます。

最大7.0段の手ブレ補正により、自然な表情や動きも鮮明に描写可能です。また、フィルムシミュレーション機能では、仕上がりを直感的に変えられるのも魅力です。

クラシカルなデザインと直感的な操作性で、初心者からプロまで幅広く対応します。『X-T50』でポートレート撮影の楽しさを体験しつつ、特別な1枚を残してみませんか?

photo by Mio Tangstad

Profile(記事監修者)

神崎涼

約10年間、某カメラメーカーにてエンジニアとしてデジタルスチルカメラの設計にたずさわり、プライベートでも設計したカメラの実力確認も兼ね様々な被写体の撮影を楽しんでいた。そのため理論に加え実際の使用感も把握しており、カメラの営業マンに負けないカメラ知識を持ち合わせている。現在はカメラ使用歴は15年ほどになり、フルサイズ一眼と1インチセンサーのコンパクトデジカメでの撮影を楽しんでいる。

Profile(ライター)

川人

Webライター歴6年。国家資格である総合旅行業務取扱管理者を取得するほど旅行が好き。旅先での写真撮影を楽しみにしており、お気に入りの写真はスイスで撮影したチューリッヒの街並み。

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