IRODORI by X Series

Tips 2020.07.03

“自分らしい写真”を見つけるまで〜フォトグラファー・shabonさんの場合〜

カメラが⼿に馴染むようになってくるころ、おそらく多くの⼈が考えるのは“⾃分らしさをどう表現するか”ということではないでしょうか。現在プロとして活躍されているフォトグラファーの⽅々も、きっと「これだ!」という形に出会うまでは紆余曲折があったはず。そこでIRODORIでは、Xシリーズを愛用しているフォトグラファーの皆さんに“⾃分らしい写真”を見つけるまでのストーリーやそれを叶える機材・設定などを詳しく綴っていただきます。第4回目はInstagramで人気を集めるフォトグラファーのshabonさんです。

Vol.4:shabon

フリーランスフォトグラファーとしてポートレートやスナップを主に撮影しているshabonです。
普段は日常の中の幻想的なシーンや多重露光を駆使したアート作品も好んで撮影していますが、近年では風景を活かしたポートレートも撮影しています。

元々趣味で始めたフィルムカメラの柔らかい描写に惹かれ本格的に写真を始めました。
2010年にリリースされたばかりのInstagramを始めたのですが、それから徐々に仕事を貰うようになり、デジタルでも撮り始めるようになります。

2017年、東京カメラ部10選に選出して頂き、そちらのお仕事で『X-T3』のレビューをさせて頂いたのですが、それが富士フイルムカメラとの出会いでした。

自分らしい作風に仕上げるために試行錯誤した初期

X-T3 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:8 /シャッタースピード:1/480 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

写真を始めたばかりの頃はフィルムカメラオンリーで撮っていたのですが、フィルムの特徴的なカラーはあるものの、写真屋さんで現像してもらった色なので自分らしさを出すのは難しかったです。多重露光や小物などを使い自分らしい作風に仕上げるために試行錯誤が続きました。
デジタルで撮り始めた初期の頃はオールドレンズを使い、フィルム風に撮る事が多かったのですが、この頃から少しずつ自分らしいカラーを見つけていく事になります。

X-T3 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/1000 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

富士フイルムのカメラに出会ったのは約1年前ですが、描写や色表現がとてもしっくりきたのを覚えています。このカメラで自分が1番表現したい日常の中の幻想的なシーンを撮れたらいいなぁと思いました。

“日常の中の幻想的なシーン”をテーマとした作品作り

X-T3 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:8 /シャッタースピード:1/2900 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

SNSを始めて初期の頃は特にテーマを決めず、お花、風景、食べ物、子供の写真など、載せたいものを何も考えず載せていたのですが、ある時、素敵なポートレートの作品を見て、「自分もこんな作品を撮ってみたい!」と思ったのがきっかけでポートレート撮影を始めました。
更に、SNSに投稿した際の統一感が気になり出したので、SNSにはポートレートを中心に載せていこうと決めました。

X-Pro3 /XF16-55mmF2.8 R / F値:6.4 /シャッタースピード:1/680 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

ポートレートの初期は季節のお花と撮る事が多かったです。でもそれだけだと自分の中で幅が狭いなぁと感じていたので、部屋撮りや街撮り、海で撮ったりと、いろんな場所で撮るようになりました。撮影場所がバラバラだとSNSに載せた時に統一感が損なわれがちですが、色味に統一感を持たせる事でだいぶギャラリーも見やすくなりました。

自分が気をつけている色は、グリーン、ブルーとブラックの割合です。撮った写真の多くにグリーンが入る事が多いのですが、最近ではこのグリーンはどの写真も同じような色合いにしています。
また、寒色系で統一する事により幻想的な雰囲気が増すので、イエロー、レッドはかなり彩度を落としています。その時、人の肌の色が寒色過ぎると元気無く見えるので出来るだけ自然な肌の色になるよう気をつけています。

X-T3 /XF50-140mmF2.8R LM OIS WR /F値:2.8 /シャッタースピード:1/1400 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

自分の中のテーマである日常の中の幻想的なシーン、季節に合った美しさを感じるシーン、風景を活かしたポートレートでもストーリー性のある写真を撮るよう心がけています。
基本自由に動いてもらう事が多いのですがモデルさんのポーズ、角度、表情など細かく指示を入れる事もあります。

SNSの場合は寄りや引きの写真をバランス良く載せたいと思っているので撮る時もどちらかに偏らないように意識しています。

X-T3/XF16-55mmF2.8 R LM WR / F値:5.6 /シャッタースピード:1/50 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

フィルムの色味が再現しやすかったのが大きな決め手に

Xシリーズとの出会いは、前述した通り、仕事でX-T3を貸して頂く機会があった時です。最初の印象から自分の撮りたい作風に合っているなぁと感じ、機材をお返ししてからすぐに購入してしまいました。

主に使用しているカメラは『X-T3』。(最近、『X-T4』に買い替えました)、『X-Pro3』、レンズは『XF16-55mm F2.8 R LM WR』、『XF50-140mm F2.8 R LM OIS WR』、『XF35mm F1.4 R』を使用しています。

今までフィルムカメラを使用してきた事もあり、フィルムシミュレーションによってフィルムの色味を再現しやすくなったのは大きな決め手だったと思います。また、作風で拘り続けているブルーとグリーンの色表現がとても綺麗で、かつシャドウの入り方も好みでした。

X-Pro3 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:3.2 /シャッタースピード:1/45 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

フィルムシミュレーションはクラシッククロームを主に使用しています。かつて中判のフィルムカメラで『フジカラー PRO400H』という青みが特徴的なフィルムを愛用していたのですが、クラシッククロームに少しレタッチを加えるとその色味に近づける事が出来ました。

レンズは『XF16-55mm F2.8 R LM WR』のボケ感と画角がお気に入りで1番使用しています。このレンズは、風景を活かしたポートレートを撮る時などにも大活躍してくれます。

ポートレートを撮る上で、肌の色表現も重要になってきますが、富士フイルムのカメラは肌の発色もとても美しく、滑らかで透明感が素晴らしいです。レタッチもしやすいですし、未編集の段階でモデルさんにデータを見せると喜んでもらえる事も多いです。

臨場感を出すために、モデルさんに自由に動いてもらいながら撮影する事も多いのですが、AFが速いのも魅力の1つです。最近お迎えした『X-T4』でも自分らしい作品を沢山残していきたいです。

自分らしさを見つけるには撮り続けることが1番

X-T3 /XF16-55mmF2.8 R LM WR / F値:6.4 /シャッタースピード:1/30 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

自分が好きなものを撮り続けてみる。自分らしさを見つけるのって撮り続ける事が1番だと思います。
撮っていくうちに、どういう雰囲気の写真、色味、構図が好きなのかなどが分かってくると思いますので、それからテーマを絞っていくと良いと思います。

撮る事に行き詰まったら、音楽を聴いたり、映画や絵画や漫画を見たり写真展に足を運んだりインプットも大切にしています。学生の頃に好きな写真やデザインをスクラップしていた事があったのですが、今は『Pinterest』というアプリを使っています。データで管理出来るのでとても便利ですね。

影響を受けた写真ってすごく印象に残るから真似したくなる事もあると思うんです。
最初は真似だとしても、毎回真似ではなくてそこから自分らしさをプラスしていけば良いと思います。

私は思い切って機材を換えた事が自分らしさを見つけるきっかけにもなったので、相性の良い機材との出会いも大切だなぁと感じました。

自分の好きな色や物って何でしょうか?
それを写真に反映させるだけで“自分らしさ”が表現出来るかもしれません。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F値:1.4 /シャッタースピード:1/50 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

※記事内に登場する人物には掲載許可を取っています

今回登場したカメラ
今回登場したカメラ
Profile

shabon

フォトグラファー
宮城県生まれ。埼玉県在住。

関東を拠点として活動。主に日常の中の幻想的なシーンを撮影している。また、風景を活かしたポートレートや多重露光を駆使したアート作品も手掛ける。
東京カメラ部10選2017。Instagramフォロワー数約78,000人
Instagram:@shabon

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