富士フイルムXシリーズとそぞろ歩き〜フィルムシミュレーション『PRO Neg. Std』と葛西エリアへ〜
フィルム時代から90年に渡って色彩表現を追求・研究してきた富士フイルムならではの、20種類のフィルムシミュレーション。今回は、鮮やかな景色や強い光もやさしく写し出してくれる『PRO Neg. Std』で写真を撮りながら、葛西臨海公園駅から西葛西駅まで、そぞろ歩きしてきました。
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今回降り立ったのは、千葉にほど近い葛西臨海公園駅。
この日は雨模様だったので、それを逆手に取って“雨だからこそ撮れる写真”を裏テーマに進むことにしました。
まずは、駅の右手に延びるなだらかな道へ。
濡れて艶やかに光る地面は、このお天気ならではの光景です。
突き当たりに臨海橋が現れたので、右折して橋を渡っていくことにしました。
橋の端にあった右手の螺旋階段をぐるり降りて地上へ。桃色のタイルが可愛らしく、思わず1枚。
葛西中央通り沿いをまっすぐ行くことにしたのですが、巨大ゴルフ場や運輸会社、企業の営業所などが立ち並び、ふらりと立ち寄れるようなお店などは特になし。その分、道で見つけた“水”で遊んでゆきます。水溜りがあるのなら、水面の反射を利用して“リフレクション写真”を撮るのも一つの手です。
葛西中央通りと左近通りの交差点を越え、中左近橋を渡ります。
左近川沿いを眺めると、すでに花を咲かせている桜も! 薄く色づく木々に、春の訪れを感じます。
葛西中央通りと虹の広場通りの交差点に差し掛かり、またしても桜の木を発見。6分咲きといったところで、開花しきっていない丸っこいシルエットが新鮮です。望遠レンズ『XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR』で撮影すると、雨露までしっかりと捉えることができました。
ぼんやりと太陽が現れたと思ったら、しばらくしてまたポツポツと雨が降ってきたり。この日は、カメラの防滴構造とレンズフードに随分助けられました……!
悪天候の際、コントラストの強いフィルムシミュレーションで撮影すると、おどろおどろしい画になることもあるのですが、『PRO Neg. Std』は多少メリハリがありつつも軟らかな階調なので、微妙な天候とは意外と相性が良いかもしれません。ほんのり鮮やかな色彩に仕上がるので、濡れて濃色になったお花も、アクの強さが軽減された気がします。
さて、西葛西駅に到着しました。高架下を通り過ぎ、振り返って見上げると、“東京メトロ”の巨大ロゴが目に入ります。メトロの色合いに合わせているのか、駅周りのデザインが水色で統一されていて、何だかスタイリッシュ。
いつしか、虹の広場通りから虹の道へと名前が変わっていた一本道。駅を背に、そのまま虹の道の終わりまで歩いていくことにしました。
実は“リトル・インディア”と呼ばれている西葛西。徐々に、インド系の方たちとすれ違い、インド料理屋が目に飛び込んでくるように。道なりにあった大きな団地(小島町二丁目団地)1階の商店街を歩くと、インド食料品店『TMVS FOODS』を発見。未知の食材を求め、立ち寄ることにしました。
見たことも聞いたこともないような香辛料やインスタント食品、お菓子などが棚にぎっしり。裏面に貼ってある日本語ラベルなどを見ながら、しばしお買い物タイムです。
お土産を手に入れたのは良いけれど、随分と歩いたのでお腹が空きました。スパイシーな香りに刺激され、頭の中はカレー一択です。
虹の道の終わりに到着。新田仲町通りを右に進んで発見したインド料理屋『ムンバイ・パレス』に迷わず入店です。
頼んだのは、『南インドターリー』のセット。まずはマンゴーラッシーで喉を潤し、サラダから。選べるカレー2種には、サグ(ほうれん草)カレーチキンとバターチキンカレーを選びました。そこに、野菜と豆のスープ『サンバー』、辛くて酸っぱいスープ『ラッサム』、お煎餅『パパド』、漬物『アチャール』といった南インド特有のメニューが加わり、ボリューム満点。カレーとナンの組み合わせは言うまでもなく、様々なスパイスを背後に感じるスープたちが絶品でした。
店内はボリウッド映画の名ダンスシーンの映像や音楽が流れる、ワクワクする雰囲気。蛍光色をアクセントにした壁画も何だか小洒落ています。
最後に店員さんたちを記念撮影。カメラを持つことで生まれるコミュニケーションに感謝です。ご馳走さまでした!
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photo by Mio Tangstad
text by 編集部Y