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Tips 2024.08.31

被写体とは?撮影対象の選び方や魅力的に撮影するポイントを紹介【Snap & Learn vol.13】

【Snap & Learn】の連載企画では、一般によく知られている写真の撮影テクニックやカメラ関連の専門用語を集め、初心者の方にも理解しやすいように作例やイラストを用いて解説しています。

人や草花など、カメラを通して撮影する対象物は『被写体』と呼ばれます。被写体は私たちの身の回りにあふれていますが、写真を始めたばかりだと何を撮れば良いか悩むことも多いでしょう。

本記事では、カメラ撮影において最初の一歩となる『被写体の選び方』を中心に、被写体の意味から魅力的な写真を撮るポイントまで解説します。思い通りの写真を撮影するためのヒントにしてください。

被写体とは?言葉の意味を解説

被写体とは、写真や映像の撮影においてカメラのレンズを通して捉えられる対象物のことです。具体的には人物や風景、動物、静物などが挙げられますが、被写体の範囲は非常に広く、目に見えるものだけではありません。

たとえば、夕日の柔らかい光に包まれた部屋の写真から『温かさ』を感じることがあるように、抽象的な概念や感情・感覚を表現するものも被写体に含まれます。被写体は、単なる視覚的対象に留まらず、撮影者の意図やテーマを伝える重要な要素といえるでしょう。

主被写体と副被写体の意味

被写体には、写真や映像の中でメインとなる『主被写体』と、主被写体を引き立てる脇役にあたる『副被写体』があります。

たとえば、カフェでリラックスする女性を撮影する場合、女性が主被写体で、手元にコーヒーカップがあればそれが副被写体となります。コーヒーカップが加わることで、『くつろぎのひととき』といった雰囲気やストーリーが生まれ、主被写体がさらに引き立つでしょう。

副被写体を意識することで、より魅力的な写真が撮影できます。

被写体は身近なところに!選び方・探し方を解説

何を撮影すれば良いか決められないという人は、『特別なもの』を撮影しようとするあまり、身近にあるさまざまな被写体を見逃しているかもしれません。ここでは、大きく3つのテーマに分けて、被写体の選び方・探し方を解説します。

季節やイベントから選択

季節やイベントに着目することで、写真に季節感や特別な雰囲気を取り入れられます。たとえば、次のような被写体です。

特に普段と異なるイベントシーンにおいては、写真で感情や動きを強調しやすく、日常ではなかなか撮れない印象的な1枚を撮影できるでしょう。

日常生活の中から選択

被写体は、日常生活の中に無限にあふれています。散歩道で見かける小さな花や家族・友人とのなにげない瞬間など、普段の生活の中にこそ素晴らしい撮影チャンスがあり、どれも思い出深い写真を作り出す素材になります。

普段の生活の中から被写体を選ぶ際は、周囲の環境や人々の動きに目を向けてみましょう。たとえ特別な日でなくても、普段見過ごしているふとした瞬間やありふれた景色を捉えることが、心を動かすような写真を撮影することにつながります。

お気に入りの写真の被写体を選択

ウェブサイトやSNS、雑誌などでお気に入りの写真を見つけ、その写真を参考にして同じ被写体を撮ることも1つの方法です。お気に入りの写真を見つけることで、被写体や構図(被写体・背景の配置)など、自分が撮影したい写真のヒントも見つかります。

たとえば、朝日に照らされた花の写真が素敵だと感じたのなら、近くの公園で朝日を浴びる花を探してみるなど、同様のシチュエーションで撮影をしてみましょう。写真の構図や明るさ、ボケ具合なども参考にできるため、今後の写真撮影にも活かせます。

まずは撮影してみよう!いますぐ撮れる被写体の例を紹介

写真の上達には、実際に撮影を重ねることが大切です。撮影のためにわざわざフォトジェニックな場所へ足を運ぶ必要はなく、身近な人物や場所など、気兼ねせず撮影しやすい被写体から始めてみると良いでしょう。ここでは、すぐに撮影できる被写体の例を4つ紹介します。

家族や友人をモデルにしたポートレート

家族や友人は、初心者にとって最適なモデルです。気心の知れた相手であれば緊張感が少なく、自然な表情や仕草を引き出して撮影しやすいことが魅力の1つです。

撮影の際は、モデルがリラックスできるよう会話を交えながら進めましょう。同じ構図やアングル(カメラの角度)にならないよう希望するポージングを柔らかく伝え、時には自分が動いてアングルを調整することで、バリエーション豊かなポートレートを撮影できます。

ペット

犬や猫などのペットを飼っている人は、ペットがおもちゃで遊ぶ姿や寝顔など、さまざまなシーンを撮影してみましょう。動きや表情には個性があり、撮影するたびに新たな一面を発見できるかもしれません。

ペットの表情を撮影する際は、カメラに近い方の目にピントを合わせましょう。動きが多い場合は、連写モードを使うと一瞬の仕草や表情を逃さずに記録できます。

自然

暮らしの中に溶け込んでいる自然を被写体とするのも良いでしょう。登山やダイビングが趣味であれば山や海を撮影しやすいですが、通勤通学中の道や家の近くの公園などにも自然はあふれています。

たとえ同じ木であっても風の吹き方ひとつで葉の揺れ方が変化するように、撮影する時間帯やその日の天気などによっても自然は違った顔を見せてくれます。こうした変化を意識しながら、撮影してみてはいかがでしょうか。

食べ物

日々食事を摂る私たちにとって、食べ物は撮影できる機会が多く、身近にある被写体として適しています。家庭料理からカフェやレストランの料理、お取り寄せしたグルメまで、どんな料理も撮影の練習にぴったりです。

たとえば自宅で料理を撮影する際は、より料理が際立つ構図を考えるとともに、食器やランチョンマットなどの小物を工夫することで仕上がりはグンと変わります。

被写体を魅力的に撮影する4つのポイント

写真を魅力的に仕上げるには、被写体の捉え方やちょっとした撮影技術も大切です。ここでは、実践しやすい4つのポイントを紹介します。それぞれの基本的な考え方や具体的なポイントも併せて押さえていきましょう。

写真の印象を決める構図やアングルの工夫

写真を魅力的に仕上げるには、構図とアングルの工夫が欠かせません。構図は写真全体のバランスを決定し、メッセージ性をも左右する重要な要素です。適切な構図を選択することが、被写体の魅力をより効果的に引き出すことにつながります。

写真の構図に迷う初心者必見!基本のカメラ構図10種類と活用例を紹介【Snap & Learn vol.12】

また、アングルを調整するだけでも被写体の印象は大きく異なり、たとえば次のような効果があります。

 ● ローアングル(低い位置から見上げる):大きい、力強い、迫力がある印象となる
 ● ハイアングル(高い位置から見下ろす):小さい、親しみやすい、かわいらしい印象となる

写真の完成度を高めるためにも、まずは撮影時に構図とアングルを工夫しましょう。

光を活かした撮影方法

 
光には太陽や月の光などの『自然光』と、電球や蛍光灯のような『人工光』があります。それぞれの光は異なる特徴を持ち、上手に活用することで被写体の表情や質感をより際立たせられます。
たとえば、自然光の柔らかな光は肌のトーンをきれいに見せられるうえ、さらに陰影を効果的に取り入れることで立体感をも生み出せます。

また、被写体をシルエットとして強調する『逆光』や輪郭・表面の凹凸を際立たせる『サイド光』を活用するなど、光の方向にも意識を向けてみると良いでしょう。光の当て方を変えるだけで印象が異なる写真に仕上げられます。

ホワイトバランスの調整

ホワイトバランスとは、撮影環境における光の色味を補正し、白色をより正確な白に再現する機能です。

カメラによって種類は異なりますが、ホワイトバランスには『AUTO』『晴れ』『日陰』『電球』『蛍光灯』などの設定があります。シーンに応じて適切に設定することで色の再現性が向上します。

また、意図的に設定することで写真全体の雰囲気を変えることが可能です。たとえば、夕景のシーンで高い色温度を設定することで赤みが強調され、より印象的な夕景のシーンを演出することができます。

なお、多くのカメラには自動的に色温度を調整する便利な『オートホワイトバランス(AWB)』機能も搭載されています。しかし、自動調整により色味が思い通りにならないこともあるため、複数の光が混在する場合の撮影や意図的に色味を変えたい場合などは手動での設定が推奨されます。

ホワイトバランスとは?設定・調整方法と表現の広げ方を解説【Snap & Learn vol.4】

被写体に合った機材選び

撮影機材の選択は、写真のクオリティーや表現力に直結します。カメラ本体やレンズ、照明など、被写体やシーンに合った機材を選ぶことが大切です。

たとえば、壮大な自然を細部まで忠実に再現したい場合は、高解像度のミラーレスや一眼レフに広角レンズを合わせるのが理想的です。一方、スポーツや動物のような動きの速い被写体を撮影する場合には、高速連写性能を備えたミラーレスカメラに望遠レンズを合わせるのが適しています。

三脚や一脚といった補助機材を活用すれば、手ブレを抑えつつ安定した構図も実現可能。そのほか、背景のボケ感なども機材選びのポイントとして併せて確認してみましょう。

一眼レフとデジカメの違いは?ミラーレス、コンデジなど初心者向けに解説【Snap & Learn vol.8】

撮りたい被写体を見つけてオリジナリティあふれる写真を撮影しよう!

被写体は、カメラを通して捉える対象物のことで、人物や風景、動物だけでなく、感情や抽象的な概念まで幅広く含まれます。

カメラを手にしたばかりで撮影する対象がまだ見つかっていない場合でも、特別な被写体にこだわる必要はありません。撮影の第一歩として、家族や友人、自然など、身近なものから始めてみましょう。身の回りのなにげない瞬間を捉えることで、オリジナリティーあふれる写真が生まれるかもしれません。

さまざまな被写体を撮影するのにおすすめな『X-T50』

 
カメラの軍艦部にフィルムシミュレーションダイヤルを新たに搭載し、フィルムシミュレーションの選択がこれまでにないほど直感的になった富士フイルムの『X-T50』。被写体やシーンに合わせて全20種類の多彩なモードを切り替えることで、色味やコントラストを瞬時に変化させられます。

さらに、約4020万画素の高画素化と、改善された画像処理アルゴリズムによって解像度の向上を実現しました。快適な操作性と高画質が魅力の『X-T50』を使って、日常のワンシーンを1つの芸術作品として切り取ってみませんか。

Profile(記事監修者)

神崎涼

約10年間、某カメラメーカーにてエンジニアとしてデジタルスチルカメラの設計にたずさわり、プライベートでも設計したカメラの実力確認も兼ね様々な被写体の撮影を楽しんでいた。そのため理論に加え実際の使用感も把握しており、カメラの営業マンに負けないカメラ知識を持ち合わせている。現在はカメラ使用歴は15年ほどになり、フルサイズ一眼と1インチセンサーのコンパクトデジカメでの撮影を楽しんでいる。

Profile(ライター)

Necomaki

人材業界出身のフリーライター。得意分野である求人・HR領域から、漢方薬やピルなどの健康・美容、日々の暮らしにまつわる雑学記事まで幅広く執筆している。趣味は、愛猫とおいしいご飯をお気に入りのカメラに収めること。ライティングでは、読者の「知らない・知っている」が「理解している」に変わるよう ”ことばを紡ぐ”ことを心掛けている。

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