『X100V』で撮る、好きで溢れた私だけの美術館〜オリンvol.3〜
フォトグラファー・オリン(@fujii_orin)さんが愛用カメラ『X100V』で撮影した写真とともに綴るコラム。連載最後となる今回は、オリンさんの”好きで溢れた空間”での物撮りの魅力について綴っていただきました。
一人暮らしを始めた頃。ふと部屋を見渡すと、そこは”好きで溢れた私だけの美術館”の空間でした。
同じ部屋なのに気持ちを切り替えたい時や季節を感じたい時に合わせて模様替えをしていると、空間やその日の感情もガラッと変わるんです。
別の世界に入り込んだかのように気持ちがリセットされ、それと同時に自然とクリエイティブな発想が生まれるようになりました。
この部屋で自分だけのカフェを作ってみたらどうだろう?この影で何か遊べないかな?と、視点を変えると見慣れて気づけなかった自分の部屋の魅力に改めて気づける様になりました。
以前までの物撮りは、お気に入りの物を片手に持って撮ることしか考えてきませんでしたが、自分だけの空間を生かした撮影をすることで更に愛着のわく写真として残る事に喜びを感じました。
そんなきっかけから、日常に変化を交えることで沢山の発想とも出会い、”私だけの美術館”が作られ続けています。
”私だけの”と言いつつも、撮り続けている写真達は日記の様に日々SNSで発信しています。
SNSではたくさんの方に「どんな事を考えて撮影をしているの?」と聞かれることも多かったのでこの場を借りて少しご紹介を。
物撮りをするタイミングは光が差し込む時間帯が特に多く、「撮影するなら今だ!」と瞬間的に動いてしまいます。季節やその時の感情に任せて撮ることも多いです。
「今だ!」という瞬間が来た時は、身近にある好きな物を主役としテーマを考えています。
例えば、季節は梅雨の時期、天気は雨のち曇りで柔らかい自然光が入ってきました。「この瞬間を撮りたい!」と行動に出ます。
そこで近くにあったお気に入りのクマ人形を主役とし、テーマを季節に合わせ“湿気と暑さをアイスコーヒーで誤魔化す梅雨の季節。のんびり自分と向き合う雨の時間”に。
テーマにあった雰囲気に小道具を配置し完成。という流れになります。
自己流の撮り方なので、他の人達はどんな撮り方をしているのか見てみたい気持ちもあります。
物撮りの中でも多く撮影するのは、日常では欠かせない珈琲タイム。
特にドリップをする瞬間は片手でシャッターを押さなければいけないため苦戦してしまいます。そこでどうしても!という時に使用しているお助けマン(機能)がいくつかあるんです。
一つ目は、『インターバルタイマー撮影』
シャッター回数やシャッターを切る時間の間隔を秒単位で調整できる機能。三脚でカメラを固定し、撮影をはじめると何度もシャッターを同じ間隔で切ってくれるので助かっています。
二つ目は、スマホと連動して撮影をする『ライブビュー撮影』
専用のスマホアプリを使ってWi-Fiと接続することで、スマホ一つで撮影確認ができたりシャッターを押せたりと遠隔操作が出来るので何度も画面を確認しにいく必要もありません。
物撮り撮影は部屋だけでは終わらず、お出掛けをした時にもシャッターを押す手は止まりません。
個人的に味のある喫茶店が大好きで巡ってはついつい撮ってしまいます。
特にステンドグラスの反射が写り込む珈琲の写真は面白かった撮影の一つで、見る角度や焦点、物の配置を少し変えるだけで見たことのない世界が待っていました。
見えているものが全てではないってこういうことなんですかね。もっと冒険してみたくなります。
部屋は私の美術館であり、物撮りの写真は“好き”を映し出す鏡みたいです。
第3回にわたるX100Vの可能性をギュッと詰め込んだコラムはいかがでしたでしょうか。
そのときの感情や空間で写し出される写真は世界に一つだけ。 あなたにとって大きな存在になると思います。
そして、写真として残したい気持ちがある今を大切に。
私はこれからも、X100Vが教えてくれる感動や発見のために、写真を撮り続けていきます。
またどこかでお会いしましょうね。