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Interview 2023.04.24

【X/GFXシリーズユーザーインタビュー】フォトグラファー・歩雪のわと『X-T5』想像力を掻き立てるメロディアスな写真

ノスタルジックで幻想的な写真がSNSで人気の『X-T5』ユーザー、歩雪のわ(@n_tearsphoto)さん。ミュージックビデオの一コマを切り取ったかのようなドラマチックなポートレート写真が、特に注目を集めています。今回は、富士フイルムの色に惹かれてXシリーズとGFXシリーズの各機種を手にして以来、写真がもっと好きになれたという歩雪さんに、歴代機種と現在メイン機として使用している『X-T5』を通して感じる富士フイルムのカメラの魅力を語っていただきました。

Interview:歩雪のわ

――まずは、歩雪さんのカメラ歴について教えてください。

カメラ歴は4年ほど。初めて使ったのは父からもらったフィルムカメラでした。もともとカメラに興味を持ったきっかけは、父と祖父がカメラ好きだったこと。ちなみに最近では母と妹もカメラを始めたので、家族で撮った写真を見せ合ったりしています。初めて持ったデジタルカメラは、他社製のフルサイズ機でしたが、ある日カメラマンの友人に『X-T1』を見せてもらったことからXシリーズに出会いました。

GFX50S Ⅱ /F1.0 /1/160秒 /ISO500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――歩雪さんはこれまでに『X-Pro2』『X-Pro3』『X-T3』『X-T4』『GFX50S II』『GFX 50R』と、さまざまな機種に触れてこられたそうですね。富士フイルムのカメラのどんなところに魅力を感じられたのでしょう?

富士フイルムのカメラを初めて使ったときに、それまで使っていたフルサイズ機では感じられなかった、言葉にならないような感動を覚えました。そのひとつが、やっぱり“色味”。日本人が好きな色味をわかっているなという印象を持ちました。RAW現像の状態でもとてもきれいで、それまでと比較してレタッチの時間が約半分くらいになりました。

――これまで使ってこられた各機種それぞれへの印象を教えてください。

一台一台に思い入れがありますね。Xシリーズで初めて購入した『X-Pro2』は今でも本当に好きなカメラ。新潟の長岡花火大会を撮りに行ったのはいい思い出です。『X-Pro3』と『X-T3』は同時期で2台持ちしていました。スナップは『X-Pro3』、ポートレートは『X-T3』で撮影していて、お気に入りの写真がたくさん生まれて楽しかったです。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/250秒 /ISO640
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

『GFX 50R』は、一番長く使ったカメラ。「趣味でも妥協をしたくない、本気で写真を撮りたい」と思って手にした最初のカメラです。好きな写真家の方が使っている機種ということと、当時中判カメラを持っている人があまり周りに居なかったこともあって、購入を決めました。実際、フルサイズとも一線を画した表現ができて、撮ることがもっと楽しくなりましたね。『GFX50S II』は、『GFX 50R』と同じセンサーでありながらより色味がきれいに見えたことと、手ブレ補正が決め手になり買い換えました。『GFX 50R』も『GFX50S II』も中判カメラの魅力がギュッと詰まったカメラだなと思っています。

GFX 50R /F1.0 /1/60秒 /ISO1600
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

GFX50S Ⅱ /F1.0 /1/320秒 /ISO400
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――そして現在、『X-T5』をメイン機として使用されているそうですね。同機の使用感や気に入っているポイントは?

▲歩雪さんがお使いの『X-T5』

富士フイルムのXシリーズを使ってきたなかで、ずっと「高画素機がほしい」と思っていたので、僕にとって『X-T5』は念願でもありました。併せて、高い動画性能にも惹かれました。6.2Kで動画が撮影出来るのは、かなりすごいことだと思います。

Xシリーズならではのフィルムカメラのようなボディデザインも可愛くて好きですし、「それってフィルムカメラ?」って驚かれることも多いですね。ボディもコンパクトなので、GFXシリーズを使うにあたり気になっていたボディの重厚感が解消されました。GFXとは用途が違うということもありますが、『X-T5』はポートレート撮影の場面でサッと構えられるのでふとした表情を瞬間的に捉えられますし、ずっと写真を撮っていたいなという気持ちになりますね。

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/1600秒 /ISO500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/2500秒 /ISO500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――機能面についてはいかがでしょうか?

『X-T4』と比べてオートフォーカスの追従性能が、かなり上がっていると感じました。また、個人的に嬉しかったポイントは、背面がチルト式液晶に戻ったこと。動画撮影も加味して購入したとはいえ、写真がメインであることには変わりないので、やはりチルト式が便利です。

――『X-T5』には、Xシリーズとして初めてフィルムシミュレーションのノスタルジックネガが搭載されました。その点もふまえて、改めて歩雪さんが惹かれる富士フイルムの色への感想を聞かせてください。

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/15秒 /ISO1600
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

これまでクラシッククロームを好んで使っていたのですが、ノスタルジックネガの美しさに惹かれ、好きなフィルムシミュレーションがまたひとつ増えました。自分にとって富士フイルムの色は「最高」の一言に尽きます。先ほどもお話ししましたが、日本人が好きな色味に設計されているなと思います。撮影データを編集していても、撮って出しから色味をあまり変えたくないと思うことが多いです。友人に他社製のカメラを貸してもらい色を見比べたことがあるのですが、そのときに自分らしい写真の要素として富士フイルムの色は欠かせないものだなと感じました。

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F8.0 /1/6秒 /ISO500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――以前はフルサイズ機を使用されていたということですが、センサーサイズについて気にされるようなことはありませんでしたか?

正直なところを言えば、APS-Cとフルサイズではボケ感が違っていたりするので、気になるところがないわけではありませんでした。ただ、そういった部分もカバーできるくらいに本当に写真を撮ることが楽しくなるカメラだなと感じていて。これまでのAPS-C機では夜の撮影が難しいと思うところもありましたが、『X-T5』には手ブレ補正が7段あるので特に不足だと感じる点はないですね。

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/4000秒 /ISO800
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F8.0 /1/1000秒 /ISO1600
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――Instagramでは『#デジタルでフィルムを再現したい』というハッシュタグをつけて投稿されていらっしゃいますが、そうした写真に仕上げるうえでどんなところを意識していらっしゃいますか?

目指しているのは『Fujicolor Pro 120 400H』や『Fujicolor Pro 120 160NS』のような色合いと雰囲気。フィルム写真特有の、画質の劣化による趣のようなものが出せたらいいなと思っています。併せて自分の場合は、中判カメラの空気感を再現したいなと思っているので4:5か4:3の比率で画像をトリミングしています。

X-T4 /XF35mmF1.4 R /F1.8 /1/4000秒 /ISO640
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――レンズは、富士フイルムのカメラを手にした当初から『XF35mmF1.4 R』を愛用されていらっしゃるそうですね。

そうですね。これまで33mm、23mm、56mm、18-55mmといろんなレンズも試してきたのですが、結局は『XF35mmF1.4 R』が一本あれば十分だなと。ボケ感が美しいし、収差があったりゴーストも入ったりするので、きれいに写すだけではない魅力があります。発売からかなり経ってはいるので、AFがついているオールドレンズのような感覚で使っています(笑)。これから富士フイルムのカメラを使ってみたいという人に、最初の1本として絶対におすすめしたいレンズです。

GFX 50R /F1.0 /1/1000秒 /ISO400
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

――歩雪さんのお写真は映像の一コマのようなストーリー性を感じるものばかりですが、撮影するうえでのインスピレーションはどこから得ていらっしゃるのでしょうか。

本当にいろいろあるのですが、音楽やミュージックビデオからイメージを膨らませることは多いです。『X-T5』で本格的な映像撮影にもトライしてみたい気持ちもあるのですが、一方で写真だからこそカメラを続けられているという気持ちがあります。写真って、100人いたら100通りの受け取り方があると思うので。見た人の想像が膨らむような写真を撮りたいなと思っています。

X-T5 /XF35mmF1.4 R /F4.0 /1/2500秒 /ISO500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

text by 野中ミサキ(NaNo.works)

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