【Xシリーズユーザーインタビュー】フォトグラファー・yomowasaと『X-S10』 「愛しい猫との日常をこのカメラで記したい」
Instagramに投稿する、さび猫のワサビと茶白のヨモギとの日常を切り取った写真が人気を博し、7万人を超えるフォロワーからの熱視線を集めているyomowasa(@yomowasa)さん。猫ちゃんたちのかわいさは言わずもがな、暮らしの場として一緒に写し出される洗練された空間づくりも目を惹きます。今回は、愛猫たちの姿を余すことなく記すべく、いつも手の届く場所にスタンバイしているという『X-S10』の魅力と、Xシリーズがあることによって生活にもたらされた変化についてお話を伺いました。
Interview:yomowasa
“仕事用に”と購入した『X-S10』
今では毎日猫たちの写真を撮るように
――まずは、yomowasaさんのカメラ歴について教えてください。
最初にカメラを持ったのは、大学生時代です。そのころは、ちょっと遊びがてら趣味の範囲でフィルムカメラを使ってみたり、美術系の大学に行っていたので、学部にあったデジタルカメラで作品やプレゼン用の写真を撮っていました。インテリア関連の仕事に就いて、リサーチ用に購入したコンデジ(コンパクトデジタルカメラ)や会社のミラーレス一眼カメラを触ったりもしていましたが、仕事に必要だからという感覚でしたね。
――では、現在のように日常を写真におさめるようになったきっかけは?
スタイリングの仕事をしていた当時、SNS用の写真を撮るためにミラーレスカメラを一台買おうと思い立ち、それで購入したのが『X-S10』でした。実は『X-T4』と悩んだのですが、私が結構飽きっぽい性格ということもあり、価格帯を抑えつつ、しっかり良い写真が撮れて、見た目も可愛いという条件にぴったり当てはまる『X-S10』を選びました。
――『X-S10』の使用感とクオリティのバランスが、求めるものに合致したんですね。
最初はあくまで仕事用として買ったんですけど、使っているうちに日常を撮ることが楽しくなってきちゃって。今ではすっかり、『X-S10』では猫しか撮っていないくらい。もともと13年ほど前に猫と暮らしはじめたときからSNSで発信はしていたんですけど、いい写真を撮りたいというより猫が可愛く写ってさえいればいいかな、くらいの感覚。今のようなスタイルの写真を投稿するようになったのは、『X-S10』を手にしてからですね。
――写真のスタイルはもとより、猫ちゃんたちとの暮らし自体に変化はありましたか?
基本的に、毎日写真を撮るようになったというのが一番の大きな変化です。仕事柄もあって、ほぼ家に居るような生活なので、なにか面白い瞬間があったらすぐに取れるよう、いつも傍に『X-S10』を置いています。
『X-S10』で撮る写真は、
能力以上のものを引き出してくれる
――『X-S10』が生活に馴染んでいる様子が微笑ましいです。スマホでパッと写真が撮れてしまう時代にカメラをわざわざ構えたくなる理由はどこにあると感じていらっしゃいますか?
私も『X-S10』を持つ前は、やっぱりスマホで写真を撮っていましたし、それ以前に使っていた一眼レフカメラやコンデジについては正直「スマホと変わんないなあ」っていう印象だったんです。それは、自分に撮影スキルがなかったというのもあると思うんですけど、『X-S10』で撮る写真の仕上がりは自分の能力以上のものを引き出してくれるように感じていて。私にとっては、猫も可愛く撮れるというのが『X-S10』を使いたいと思う最大の理由になっています。
――猫ちゃんたちの写り映えはもちろんのこと、機能面の満足感についてもぜひお伺いしたいです。
まず、シンプルなダイヤル操作ですぐに撮影のモードを決められるところには、かなり魅力ですね。これまでマニュアルで撮影してきていない身からすると、直感的な操作で思い描くとおりの写真がいい感じに撮れるというのは、すごくモチベーションにもなっています。
ノスタルジーを感じる色みと
動物写真との相性の良さは大きな魅力
――レンズは、『XF35mmF1.4 R』、『XF18mmF1.4 R LM WR』、『XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS』の3本をお持ちとのこと。それぞれの使い分けと長所について教えてください。
一番出番が多いのは、『XF35mmF1.4 R』。基本的に、日常を撮る写真はこのレンズを使っています。軽量かつコンパクトで持ち出しやすく、富士フイルム特有の柔らかい雰囲気を表現できるレンズなのかなと思っています。次によく使っているのが、『XF18mmF1.4 R LM WR』。広角気味なので、猫だけじゃなく空間やシチュエーション込みで撮りたいときに。どちらかというと、持っているレンズの中でも解像しやすいので、モノと一緒に猫たちを撮りたいときにも使います。
『XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS』は、購入時にセットになっていたキットレンズ。出番は減ってきていますが、どういう焦点距離が自分は使いやすいのか、次に買う単焦点レンズは何が良いのか知るのに、ファーストレンズとして良かったと思います。キットレンズとはいえ、開放F値2.8で広角27mmから中望遠84mmまでをカバーしますし、ズームレンズなのにボケ感も綺麗。動画撮影時にはAFの音も入らないので、動画の撮影や物撮りで拡大した画像も撮りたいというときに活躍してくれます。
――自然体な猫ちゃんたちの姿が印象的なyomowasaさんのお写真ですが、撮影時や仕上がりに関して、こだわりや気をつけていらっしゃることはありますか?
うちの猫は13歳なので、だいぶ動きもゆっくりですし、どんな時にどんな行動をするのかは大体わかっているのですが、撮影するときはシチュエーションを作り込まず、なるべく普段どおりの様子を納めるようにしています。写真そのものに関してこだわっている点を挙げるとすれば、ワサビとヨモギの毛色。それぞれ違っていて、特にワサビの毛色は結構複雑なので、できるだけ目で見たままに近い色みになるように普段はレタッチ調整をしています。とはいえ、富士フイルムのカメラは撮って出しでも十分気にいった色みに仕上がります。
――Xシリーズの色表現には、どんな印象をお持ちですか?
これはXユーザーのみなさんが仰ることだと思うのですが、やっぱりフィルムっぽい、ちょっとノスタルジーを感じるような色みは大きな魅力。動物を撮っている身からすると、パキッと解像しすぎない感じがすごく相性がいいなと感じています。普段フィルムシミュレーションは、クラシッククロームを使用することが多いです。
――最後に、愛する猫たちや暮らしの様子、ご自身のライフスタイルを写真に撮って発信することの面白みはどんなところにあるのでしょうか?
自分としては、ライフスタイルを発信しているという意識はあまりなく、猫の成長記録と可愛さのおすそ分けとして写真を投稿しているような感覚。私が撮った写真を見てくださった方が「猫と暮らす生活っていいな」「猫と一緒に暮らしてみたいな」って思ってくだされば、とても嬉しいですね。
text by 野中ミサキ(NaNo.works)