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Interview 2020.08.21

【Xシリーズユーザーインタビュー】勧めたいのは、人生に寄り添う1台と新しい体験。フォトグラファー・安永明日香とX シリーズ

※ソーシャルディスタンスを保ち、安全に十分に配慮したうえで取材を行っております

フォトグラファー、ライター、アクセサリーデザイナーと多方面で活動している安永明日香(@noahbase2016)さん。SNSなどを通じてカメラについての相談に応えるオンライン・カメラコンシェルジュの取り組みも行っています。物心つく以前からカメラに触れていたという安永さんが現在メイン機として使用しているのが『X-Pro2』。スナップ写真をはじめ、ポートレートから動画撮影まで幅広いシーンで頼れる存在なのだとか。「ちょっと気分屋で不器用、でもそこが好き」という愛機で撮る写真は、新しい体験へと誘い出してくれるワクワク感で満ち溢れています。今回は、いち愛用者の視点に加え、コンシェルジュとしての観点からXシリーズの魅力について語っていただきました。

Interview:安永明日香

--写真をはじめ、コーヒー、アウトドア、旅などなどSNSのプロフィールに好きなことがずらりと並べられているのを拝見してすごく多趣味な方だなという印象なのですが、そのなかでもカメラには物心つく前から触れていらっしゃったそうですね。

はい。小学生くらいのときに『写ルンです』を使ってたら、祖父がフィルムカメラをくれたんです。そのカメラで毎日空を撮って、お小遣いで現像に出していました。本格的に一眼レフを使い始めたのは、10年ほど前。以前勤めていたアウトドアの会社の研修で山登りをすることになったのが購入のキッカケでした。私、山登りがあまり好きじゃないんです。でも仕事だから行かなくちゃいけない。だったら、そこに自分が好きなカメラを一緒に連れて行こうって思ったんです。登ること自体は楽しめなくても、地上では撮れない画が撮れるから。フィルムカメラじゃちょっと心もとないってことで、一眼レフを買いました。

--そのとき購入したカメラは、何年くらい使われたんですか?

8年くらいですかね。そのあとアウトドアの会社を辞めて、2年ほどカフェ勤務を挟んで、今はフォトグラファーと並行して量販店でカメラ販売員をやっています。富士フイルムのカメラに出会ったのは、今の仕事を始めてすぐの頃。当時、店頭に並んでいた富士フイルムのカメラがとにかく可愛くて興味を持ちました。そしたら富士フイルム担当の販売員さんに「これ、いいよ、ちょっと覗いてみて?」って勧められて、『X-Pro2』のファインダーを覗いてみた瞬間に「うわあ、これめっちゃいい! 欲しい〜」ってなっちゃって。その時、自分の手を撮ってみたんですけど、肌の色もとてもきれいだったんです。そこで初めて、今までずっと使っていたメーカーから富士フイルムのカメラに変えようって思ったんです。

--過去この企画にご登場いただいた方の中にもファインダーをのぞいた瞬間に心を持って行かれたという方がいらっしゃいました。恐るべし、ファインダーの魔力ですね(笑)。

今では私もお客さんに勧めています、「一回覗いてみて?」って(笑)。ただ、最初はとにかくひと目惚れだったんですよね。はじめて見たときにフィルムカメラみたいだなって思ったし、ダイヤルとかもいちいち可愛いんですよね。それに、X-Pro2はいまどきチルトじゃないんですよ? そこも好きなんです。写真機であるっていうところが大きな魅力だと思います。

--それまでのカメラとX-Pro2とでは、撮るものが変わったりしましたか?

撮るものは自体は変わらないです。ずっとスナップと空をメインに撮っています。X-Pro2ならではだと感じるのは、スキントーンの美しさ。それと、自然の中で撮ると緑と青の中間色もきれいに出るんです。1番好きなのは、朝日や夕日を撮ったときに出る中間色のグラデーション。写真を撮る方の中には自分のテーマカラーを決めている方もいらっしゃいますけど、私は結局ひとつに絞れないんです。しっとりした感じに撮りたいときもあれば、ビビッドに撮りたいときもあって。でも、それであっていいんじゃないかなって思うし、どれも「安永さんらしいね」って言われたら嬉しいじゃないですか。カメラ内で色の設定が変えられるし、何より私はこのカメラの撮って出しがすごく好きなんです。

X-Pro3 /XF23mmF1.4 R /F値:1.4 /シャッタースピード:1/500 /フィルムシミュレーション:クラシックネガ

--Xシリーズには、初心者でも親しみやすいものから作品性を追求したい方向けのものまで多種多様なモデルがラインナップされていますよね。コンシェルジュとして相談を受けた際、富士フイルムのカメラについてはどう紹介していらっしゃいますか?

よく富士フイルムのカメラについて相談を受けたときに、家族に例えるんです。たとえば、小型で軽量なX-T2桁は子ども、万能なX-T1桁はお母さん、そしてゴツくてちょっと不器用なX-Proシリーズはお父さん。お父さんは液晶がチルトしなかったりといった不器用な一面もあったりして、でも私はそんな一筋縄ではいかないところが好きですね。ただ、“初めてカメラを持つ”という方に最初からX-Proシリーズはまず勧めないです。ちょっとクセが強いので、そこでつまずいてしまうとカメラを辞めちゃう可能性もあるので。なるべくなら、カメラを長く楽しんでほしいという気持ちが強いです。

--逆に、自分なりのカメラとの付き合い方をわかっている方であれば、表現や楽しみの幅を広げてくれる一台とも言えますよね。X-Proシリーズのオススメポイントは?

私が使っているX-Pro2でいうと、光学ファインダーと電子ビューファインダーに切り替わるところはオススメしたいポイント。デジタルモニターが苦手という方でもこれなら切り替えられるので便利だと思います。SDカードのスロットが2つあるのも助かりますね。JPEGとRAWデータで分けて入れることができるし、ムービーと写真で分けても管理がラクでいいと思います。あとはやっぱり顔ですね(笑)。富士フイルムが好きな人って、この見た目が好きっていう人が多いと思います。せっかくなら持っていてテンションが上がるカメラがいいと思うんです。

--オンライン・カメラコンシェルジュの活動についてもお伺いしたいのですが、始められたキッカケは?

X-Pro2 /XFXF10-24mmF4 R OIS /F値:4 /シャッタースピード:1/750 /フィルムシミュレーション:Velvia

今、なかなか店頭に行くことが難しいなかでカメラについて相談を受けたときに、これはもしかしたら需要があるのかなと思ったのがキッカケですね。相談の中で1番多いのは、スマホからの買い替えですね。「今まではスマホで撮っていたけど、背景がボケるカメラが欲しい」っていう方もたくさんいらっしゃいます。最初の一台って、すごく大事なんですよね。それで辞めちゃうか、続けていけるかが決まってくるので。やっぱり長く使って欲しいっていうのが1番にあるので、メーカーを限定せずお話を聞いて合いそうだなと思うものを勧めています。ただ、結果的にXシリーズを買うことになったよっていう方は多いです(笑)。

--たしかに、最初に手にした一台とそれを勧めてくれた人の視点って、その後に大きく影響しそうですね。コンシェルジュとして、これまでカメラと縁遠かった人がカメラや写真を通じてどういう体験をしてくれたら嬉しいですか?

X-Pro2 /XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR /F値:4 /シャッタースピード:1/2900 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

思い出に思い出をプラスしていってくれたらいいなって思っています。SNSにアップしてみんなから“いいね”をもらえたり、写真で見た風景を実際に自分で撮りに足を運んでみたり、その写真に対する思い出が重なっていくのって楽しいんですよね。私自身がカメラでやっているのも“記憶の記録”だなって、フォトグラファーを始めて思うようになりました。

--きっと相談した方にとって安永さんは、カメラそのものはもちろんカメラを持った先にある新しい体験を後押しするような存在なんだろうなと思います。今後、ご自身としてはX-Pro2と一緒にどんなことをしていきたいですか?

今、新たに映像クリエイターになるべく、パソコンも総取っ替えして、勉強中なんです。ちょうど昨日作った動画を見てくださった子が「富士フイルムのカメラでこんな動画が撮れるんだ、新しい世界だな」ってコメントしてくれて。動画は写真と違う脳を使うので、今それがすごく楽しいですね。新しいことをするのが多分好きなんです。それと最近は、ポートレートも撮りたいと思うようになって。これまであまり撮らなかったんですけど、写真を教えながら、ポートレートを撮ってあげたりしています。

--これからもまだまだ撮る楽しみもお仕事の幅も広がりそうですね。

X-Pro2 /XF60mmF2.4 R Macro /F値:2.8 /シャッタースピード:1/3500 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

もうカメラのない人生が考えられないです。XシリーズのXって10年っていう意味もあるんですよね。10年先まで一緒にいられるカメラ。コンシェルジュとしても、やっぱりカメラは長く使って欲しいという気持ちで勧めています。フォトグラファーとしては、こういう設定すればこういう写真が撮れるんだっていうことをいろんな人に知ってもらえると嬉しいですね。Xシリーズは、自分に合ったカラーを見つけて、作れるカメラ。自分色に染めていって欲しいです。私の写真や活動が。カメラでこんなことが出来るんだ!って感じてもらえる、人生に新たな彩りになるキッカケになればいいなって思っています。

今回登場したカメラ

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取材協力:KAKULULU
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by Nozomu Toyoshima

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