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Tips 2021.04.27

【テーブルフォトテクニック vol.1】スイーツアーティストKUNIKAさんに学ぶ、お菓子を可愛く撮るコツ

おしゃれで素敵なテーブルフォトの撮り方のコツを、気になるあの人に聞く連載企画『テーブルフォトテクニック』。第一回目は、IRODORIでのコラム連載『人生の夏休み紀行 in LONDON』でもお馴染みのスイーツアーティストKUNIKAさんに、お菓子を可愛く撮るコツを教えていただきました。

vol.1 KUNIKA

スイーツアーティストとして、アイシングクッキーやシュガーケーキなどを作っているKUNIKA(@_kunika_)と申します。
食べて美味しいクッキーですが販売はしておらず、キャラクターコラボレーションや、雑誌や広告撮影用の作品を作ったりしつつ、表現の幅を追求するべく、個展を開催したり、写真を撮ったりしています。

私が長年愛用しているXシリーズに出会ったのは、4年前。以来、長年『X-T2』を愛用しています。
ロンドンに住み始めるタイミングをキッカケに、日々の美しい景色や旅の記憶を残したくて、写真を撮り始めました。
以前は外で沢山写真を撮っていましたが、昨年のパンデミックで家にいる時間が増え、そこから自分のアイシングクッキーの写真も撮り始めるようになりました。
主にInstagramに写真を毎日載せています。

私のテーブルフォトは至ってシンプルですが、自分らしく統一感を出すためにいつも心がけている撮影時のポイントが3つあるので、ご紹介します。

テーブルフォト撮影のポイント

ポイント①:強調したいものは何かを明確にする

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:16 /シャッタースピード:1/6 /フィルムシミュレーション:PROVIA

私はクッキーを一番強調したいので、プロップアイテムは使わず、背景色との組み合わせを楽しんでいます。
構図もクッキーをど真ん中に置くことがほとんどです。
そうすることにより、シンプルにクッキーだけに目がいきやすくなります。

デコラティブなデザインのクッキーの背景は、無地のカラーペーパーや大理石模様のカッティングシートなど使用することが多いです。

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:10 /シャッタースピード:1/3 /フィルムシミュレーション:PROVIA

布を使うと優しいニュアンスになります。
光沢感を出したかったので、こちらではアイボリーのサテン生地を使用しました。

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:11 /シャッタースピード:1/8 /フィルムシミュレーション:PROVIA

写真全体でデコラティブなイメージにしたい時は、画材店で売っているテキスタイルペーパーを使用します。
季節によって新しい柄が入荷するので定期的に足を運び、お気に入りのテキスタイルペーパーをコレクションしています。

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:16 /シャッタースピード:1.3/フィルムシミュレーション:PROVIA

ただ、その時使いたいテキスタイルペーパーを使うのではなく、必ずクッキーのデザインに合わせて背景を選ぶことがポイント。“あくまで一番強調したいのはメインのクッキーですよ”という一貫したメッセージを持つことによって、色や形がバラバラでも統一感を出すことができます。

また、たまにアクセントを加えるために、お皿を使うこともあります。ヴィンテージショップやアンティークマーケットで一点ものを探すのが好きです。

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:9.0 /シャッタースピード:1/4 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:10 /シャッタースピード:1/10 /フィルムシミュレーション:PROVIA

ポイント②:自然光で撮影する

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:3.6 /シャッタースピード:1/60 /フィルムシミュレーション:PROVIA

蛍光灯の下で撮るとあまり美味しさを感じない冷たい印象になるので、暖かな印象を与えるためにも晴れた日に撮影をしています。

写真を日常から楽しむために気軽さが重要だと思うので、ライティングなどは使用しません。
陽が差し込む方向を同じにするため、毎回同じスペースで撮影しています。
影が強く出過ぎる時は、白いアクリル板をレフ板にして、太陽の光の当たり方を調節し、影を和らげています。

ホワイトバランスは基本的にオートで撮影していますが、青い背景を使うとクッキーも全体的に青くなりがちなので、WBシフトを使って赤みをプラスして調節しています。WBシフト機能は、絶妙な色味調節に役立っています。

立体のケーキを撮影する時は横から自然光が当たるようにし、ほのかな陰影を出します。

ポイント③:どう見せたいかでアングルを変え、統一する

Instagramに投稿するメインの写真はデザインをわかりやすく記録していきたいので、真上から撮影しています。
ピントも全体にいくようにしています。

X-T2 / XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:3.2 /シャッタースピード:1/125 /フィルムシミュレーション:PROVIA

写真を数枚載せられるTwitter用はアングルを斜めからに変えて、クッキーの立体感が伝わりやすく撮ったり、ズームにして、より細かなディテールを見ていただけるように撮ります。
ピントを手前にあてて奥のクッキーはぼかすと、より雰囲気のある写真になります。

X-T2 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:3.2 /シャッタースピード:1/125 /フィルムシミュレーション:PROVIA

ある程度自分の中の定番のアングル、画角を決めておくことにより、撮るものや撮影日がバラバラでも写真を見返した時に統一感が生まれます。

X-T2 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:18 /シャッタースピード:0.5 /フィルムシミュレーション:PROVIA

外で風景などを撮影するときは、Velvia(ビビット)やクラシッククロームのフィルムシミュレーションを使うこともありますが、クッキーを撮影する時はできるだけ本物の色に近づけたいため、PROVIA(スタンダード)で撮っています。

レンズは『XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS』を使用しています。引きでもズームでも臨機応変に撮影できるので、重宝しています。

X-T2は撮影時に画像の縦横の比率を設定できるので、撮影する前に正方形で画角を確認することができます。
臨機応変に使用することを考えて、私の場合は、正方形で構図を確認したのち、比率を長方形に戻してからシャッターを切ります。そうすることにより、自分のベストな正方形の画角で1発で撮ることができるので、あとで調整する手間がなくなります。

X-T2 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:16/シャッタースピード:1.6 /フィルムシミュレーション:PROVIA

ロンドンは昨年から何ヶ月も続くロックダウンでした。
そんな中でも日々を楽しく過ごせたのは、カメラがある生活だったからだと思っています。
何気なく過ごしていると日々の記憶は忘れがちになってしまいますが、自分の作ったものを撮影して記録することによって、有意義な時間を過ごせていたことを忘れないでいられます。
日常の何気ない食事やおやつなど、みなさまもぜひ記録してみてはいかがでしょうか。

今回登場したカメラ

FUJIFILM X-T2

Profile

KUNIKA

スイーツアーティスト
▶︎インタビューはこちらから
日本菓子専門学校卒業。マンダリンオリエンタル東京でパティシエとして修行し、スイーツアーティストとして独立。
撮影・展示用のシュガーケーキ、アイシングクッキー、キャラクターとのコラボレーションなどを手がける。 2017年~2019年にロンドンに拠点を移し、カップケーキショップのPeggy Porschenでシアターペストリーシェフを務める。2020年に日本での活動を再開し、2021年に再びロンドンに戻る。新たな表現の可能性を模索し、作品を作り続けている。
Web:http://kunika-sweets.com/
Instagram:@_kunika_
Twitter:@kunimilky6

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