富士フイルムXシリーズとそぞろ歩き~michiyo×フィルムシミュレーション『ASTIA』×滋賀・近江八幡~
フィルム時代から90年以上に亘って色彩表現を追求・研究してきた富士フイルムならではの、20種類のフィルムシミュレーション。
今回Xシリーズと一緒にそぞろ歩きをしていただいたのは、SNSや写真展『日々彩』の定期開催などを通じ、地元・滋賀の魅力を発信しているフォトグラファーmichiyoさん(@michiyo01130312)。ふだんから愛用されている『ASTIA』を使って、歴史の趣を感じられる近江八幡市、そして同市から望める豊かな自然を切り取っていただきました。
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私が長い間住み続けている滋賀県近江八幡市。近江商人の町であり、また水郷の町でもある。その日常のどこを切り取っても絵になる町だと思う。
写真を趣味にしてから地元をぶらぶら歩くことが増えたし、より一層好きになった。そんな地元を『X-T4』片手に今日もぶらぶらしてみよう。
近江商人のお屋敷が立ち並ぶ新町通りでは、塀から外へ出るように植えられた見越しの松が印象的だ。通りの奥に見えるのがかつてお城のあった八幡山。今日は山へ行こうかな。
山頂へは徒歩かロープウェーで。もちろん徒歩でと言いたいところだけど楽ちんロープウェーの誘惑に負ける。15分間隔で運行しているし、たった4分で山頂へ行けるし、とっても便利なのだ。
到着したらまずは展望台へ。今日は伊吹山がとても綺麗に見える。霞んだり、雲に覆われていたりして見えないことが多いからこういう日は得した気分になる。滋賀県民の多くは琵琶湖と伊吹山が大好きだと思う。
上から見ると水郷が冬色のヨシ原に囲まれているのもよくわかる。ASTIAで切り取る冬景色は優しい色合い。
山頂にはかつて豊臣秀次(秀吉の甥)が築いた八幡山城があった。今はその本丸跡に、母(秀吉の姉・とも)が非業の死を遂げた秀次の菩提を弔うために建てられた村雲御所瑞龍寺が京都から移築されている。
「ようこそいらっしゃいましたにゃ」猫さんのお出迎えに癒される。
時代を感じる廊下の踏み心地と現代アートの組み合わせが面白い。毛氈も壁画に合わせた青で目を惹く。ASTIAは優しい色だけでなく鮮やかな青色も美しく表現してくれる。
ちょうどお雛様も拝見することができた。お雛様が飾られている部屋の古い襖絵や壁も素敵。金箔をふんだんに使った雲の間は煌びやかで、何度訪れても毎回しばらく見とれてしまう。
薄暗い室内でも『X-T4』の手ブレ補正機能は1/15秒での手持ち撮影ができるから、三脚の使えない場所で重宝している。
西の丸跡からは壮大な景色を望める。田園と琵琶湖、そして対岸の比叡山から比良山系まで。戦国の時代、この景色を見て何を想っていたのかな。そんなことを考えながら山を下りていく。帰路は貸し切りだった。
下りのロープウェーからはかつての城下町が見える。ここでもまた当時はどんな町だったのだろうなぁ、とぼんやり考えていた。
下りた先にある日牟禮八幡宮に立ち寄ると夕陽が差し込み始めていた。この時間に立ち寄るのはあまりないのでいつもと違う光の色を楽しめた。
さて、ここへ来たならやっぱり八幡堀は立ち寄りたい。季節の花が出迎えてくれる。冬は山茶花、水仙。春は桜、初夏は花菖蒲に紫陽花、秋は紅葉。いつ来ても楽しめるのだ。
八幡堀は八幡山城の大動脈として城下町の繁栄に大きな役割を果たした水路。秀次は八幡堀と琵琶湖を繋ぐことで湖上を往来する船を寄港させ、城下を活気づけ、のちの近江商人の活躍に繋がった。
一度は荒れてしまった八幡堀も保存会の方々によって復活した。今は時代劇のロケ地としても有名になり観光客も増え、またかつての賑わいを取り戻しつつある。
そんなお堀も夕刻になると観光船も終了し、人も少なくなり静かな時間を楽しめる。船が行き交う賑やかな景色も好きだけど、私は静かになったお堀を撮り歩くのが好きだ。
近江八幡は瓦の産地でもある。ここには国内でも珍しい瓦の博物館『かわらミュージアム』がある。『かわらミュージアム』の外壁には瓦が装飾に使われていたり、周辺の道には瓦が埋め込まれていたり、ちょっとしたアートな空間になっている。
道の模様が面白かったので『X-T4』のバリアングルを使ってローアングルで撮影してみた。
日没が近づいてきたので近くの水郷へと移動する。車で5分ぐらいのところに西の湖という琵琶湖最大の内湖がある。山頂から見た時、ヨシ原に囲まれていた湖である。ここは近畿地方最大級のヨシ群落があり、多くの魚や水鳥の住処となっている。私がASTIAを使う最大の理由がここの夕景にあるといってもいい。
水鳥が集い、空の色を映す水面。優しさと強さを兼ね備えたASTIAの色はこの空間そのものだと思う。
湖面が穏やかで空模様を映す日は船を被写体にしたくなる。船が空に浮かんでいるように見え、その船に乗って空へと漕ぎ出すような感覚を味わえるから。
刻々と変わりゆく空の色を楽しんでいるとあっという間に暗くなってくる。暦では立春とあって最後は春を思わせるような色に出会えた。
何度も通う場所でも毎回違う景色に出会える。そんな一瞬を切り取れるから写真は面白い。私はこれからもこのまちで相棒の『X-T4』とそぞろ歩きを続けてゆく。
今回使用したフィルムシミュレーション








































