【Xシリーズレビュー】〜アウトドアクリエイター・YURIE〜 Xシリーズ新製品『X-S20』で、好きなものを好きなだけ!
2023年5月24日、Xシリーズ最新モデル『X-S20』が発表されました! シンプルな操作性と撮りたい気持ちを掻き立ててくれる『X-S10』からさらに進化した『X-S20』は、タフなバッテリーやVlogモードをはじめ、ノスタルジックネガを含む19種類のフィルムシミュレーションなど、自分の好きなものを好きなだけ表現出来る一台。今回は、Xユーザーでありアウトドアクリエイターとしてキャンプや外遊びの魅力を発信している人気インフルエンサー・YURIEさん(@yuriexx67)が、いち早く『X-S20』での撮影にトライ。福島県で撮りおろした写真とともに、アウトドアシーンで感じた『X-S20』の魅力をたっぷり語っていただきました。
Interview:YURIE
――YURIEさんには、以前『X-S10』発売時にもお話をお伺いしましたが(X-S10レビュー)、今回はさらに進化した『X-S20』についてご感想を聞かせてください。まず、第一印象はいかがでしたか?
『X-S10』もかなり使いやすいモデルですが、『X-S20』はさらに扱いやすさが倍増したなと感じました。コンパクトで、ボタン操作がシンプル。『X-S10』と同じく、被写体を確認しながらダイヤル操作でそのときの感情に合ったフィルムシミレーションにパッと切り替えられるところも好きなポイントです。そして、なんと言ってもしっかり握り込めるグリップの深さが頼もしいですよね。普段『X-T4』を使うときはストラップをつけていますが、今回は手ブレ補正も強化されているというところで、あえて手で持ち歩きながら撮影にトライしてみました。登山のように動きまわるシチュエーションでも特に心配なかったです。
――普段、山に登るときはどんな装備で臨まれるんですか?
あまり大きなものは持っていけないので、『X-T4』以外だとコンパクトデジタルカメラやスマホの出番が多いです。だけど、このサイズ感であれば、どこにでも持っていけちゃいますよね。さらに感動したのが、バッテリーの持ちの良さ。ここは明らかに進化していると感じました! 今回、旅のお供ということで念のため予備バッテリーを4台準備していたのですが、1日中撮り歩いても交換する必要がありませんでした。撮影枚数にもよるとは思いますが、移動が大変なアウトドアシーンでは交換の手間が省けるのは本当に嬉しいです。
――『X-S10』からの進化ということでいうと、ノスタルジックネガを含む19種類のフィルムシミュレーションが搭載されています。YURIEさんもノスタルジックネガは気に入って使っていただいたようですね。
普段の撮影ではクラシッククロームを好んで使っているのですが、今回初めて『X-S20』でノスタルジックネガを使ってみて、私がXシリーズを選ぶ理由でもあるクラシカルな佇まいとぴったり重なるような色表現だなと感じました。このチューリップの写真もノスタルジックネガで撮影しました。ちょっとレトロな風合いでお花の色味がはっきりと引き立っていて、すごく好きです。
こちらの写真もノスタルジックネガで撮影しました。写真手前側とテントに落ちた木の影がきれいだなって。奥に見えているのは磐梯山(ばんだいさん)。湖畔のそばで磐梯山を眺めながらキャンプしている様子が撮りたかったので、このような構図で撮ってみました。ノスタルジックネガの色みは、撮ったあとの調整がいらないというより、調整して近づけたい理想の色が撮って出しで完成しているような感覚でした。
――撮影中ファインダーを覗きながら、自分の表現したいイメージに合うフィルムシミュレーションを重ねられるのも楽しいですよね。
そうですね。今回の撮影でも、ダイヤルをくるくる回して「この景色にはどのフィルムシミュレーションが合うかな」っていろいろ試しながら撮ってみました。たとえば、こちらの写真は磐梯山の麓でPRONeg.Stdを使って撮影したんですけど、プロネガってとくにポートレートに向いているんですよね? だけど、私はこの景色をこの色みで撮りたいなと思ったんです。まるで海外のような空気感のある写真になって、気に入っています。
――もちろん、フィルムシミュレーションごとにより得意な被写体やシーンはあると思いますが、その場で感じたままに選べる楽しみも大きな魅力のひとつだと思います。
この景色にはこの色がいいなって視覚的に捉えられるのはすごく楽しいです。それと、旅をしているとき車の中から見える景色や動物を撮りたいなと思ったことがきっかけで、最近望遠レンズを購入したんです。この写真も『XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR』で撮影したのですが、遠くの景色をダイナミックに写せるのはすごく楽しいですね。
また、こちらのカモの写真も『XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR』を使って撮った一枚。背景のボケ具合もすごくきれいだし、後ろの赤いカヌーがいいアクセントになってくれました。鳥みたいに動きの早い動物にもAFがしっかりピントを合わせてくれるので、『X-S20』でもっとたくさんの動物を撮ってみたいです。
――今回、夜のシーンでも撮影いただいたとのことで、使用感のほどはいかがでしたか?
キャンプって結構忙しくて、夢中になって写真を撮っているとすぐ暗くなってしまうんですよね。こちらの写真は、夫がランタンを用意してくれているときに撮ったんですけど、「きれいだな」って思った瞬間にさっとカメラを構えてこんなにブレずにしっかり撮れたことに驚きました。三脚を取りにその場を離れていたら、この写真は撮れなかったと思います。
――心が動いた瞬間にシャッターを切れると気持ちいいですよね。
もちろん三脚を立てて、しっかりアングルを調整して撮るのも楽しいですけど、これはリアルに私が見ていたそのままの光景だし、やっぱりそういう写真にこそ惹かれるなと思っていて。キャンプって、1日を通してシャッターチャンスが本当に多いんです。暗くなってから撮りたくなる場面も多いですし、私は星を撮るのも好きなので。さまざまなシーンに対応できるカメラが一台あることで楽しさがどこまでも広がりますよね。
――YURIEさんのお話を聞いているとそれをより実感しますし、『X-S20』とアウトドアの相性がすごく良さそうですね。
コンパクトなのに写真も動画も撮れちゃうので、荷物を増やしたくないキャンプや旅のお供にぴったりだと思います。あまりカメラに詳しくない人でも操作がシンプルでわかりやすいし『Vlogモード』も搭載されているので日常風景や旅先での思い出を手軽に動画で記録したいという人にもオススメできるカメラですね。背面のバリアングル液晶も、特に動画を撮るときにはすごく便利だと思います。私もお試しで望遠レンズを使って火山の動画を撮ってみたら、ドキュメンタリー番組のような映像が撮れて感動しました(笑)。動画にもフィルムシミュレーションが設定できるので、ちょっとしたものならそのままで十分だしSNSに投稿するまでの時間も手間も省けて便利だなと思います。
――次に『X-S20』を持ってお出かけするなら、どんなところでどんなものを撮ってみたいですか?
今年、アイスランドを車で巡りながらキャンプをする予定なんですけど、このカメラは海外旅行にもすごくいいカメラだと思います。今回の福島での撮影でも、このカメラだから4時間ぐらいかかる登山にも持って行こうと思えましたし、今はスマホでもきれいに撮れたりはするけど、レンズを変えたりファインダーを覗いたりしながら撮るほうが私は楽しいなって。テンションが違うと撮れるものも変わってくるんですよね。『X-S20』なら誰かに見せたくなっちゃうものがたくさん撮れそうだなと思います。
text by 野中ミサキ(NaNo.works)