Xシリーズと京都丹後鉄道に乗って、天橋立へ。〜f.uri vol.3〜
カメラを片手にのんびり旅を楽しむフォトグラファー・f.uri(@555uri555)さんが、愛用カメラ『X-T10』、『X-S10』で撮影した写真とともに綴る全3回の旅コラム。最終回となる今回は、京都丹後鉄道・丹後あかまつ号に乗り、日本三景である天橋立までの旅模様を綴っていただきました。
京都中心部からは少し距離があるが、京都北部の海の景色が好きだ。電車に乗ってのんびりと海を眺めていると、日常の嫌なことなどすぐに頭から消え去ってしまう。私は、友人と共に京都丹後鉄道・丹後あかまつ号に乗って、車窓からの絶景を楽しんだ後、日本三景である天橋立を眺める女子旅をした。
丹後あかまつ号に乗る
京都丹後鉄道(TANTETSU)は、宮豊線、宮舞線、宮福線と三路線を走っている鉄道で、それぞれ豊岡、西舞鶴、福知山から中心にある宮津を結んでいる。私が乗車した丹後あかまつ号は、海沿いの西舞鶴駅~宮津~天橋立間を走っている人気の観光列車だ。高校時代からの友人と女子旅をするにあたり、私は『X-T10』を持っていくことにした。富士フイルムのカメラはやはり見た目がレトロでおしゃれで、持っていて気持ちが上がる。旅をするにあたり、友人と一緒に行くとなると、少しおしゃれしてのんびり歩きたいと思うことが多い。後継機種で『X-T30Ⅱ』も出ており、女子旅のお供にピッタリではないかと思う。そして何よりこのシリーズは軽い。
また今回は、たまたま同じ列車にカメラが趣味という方がいらっしゃった。私の持っていた『X-T10』を見て、声をかけていただき、カメラの話で盛り上がることが出来た。写真を撮るにあたり、カメラの見た目もコミュニケーションの一環になると感じられた。
西舞鶴駅にて。
なんとも落ち着きのある木の温もりが感じられる電車内だ。
しばらくは友人とカフェタイム。かわいい車内で仕事やプライベートについて近況報告をしながら、車窓を流れる緑を眺めて優雅なひと時を楽しむ。
丹後あかまつ号に乗ると決まってから、一番楽しみにしていた由良川橋梁(ゆらがわきょうりょう)へ。
川の上を渡り始めると、待ち望んでいた自然豊かな景色に胸が高鳴ってくる。
右も左も川であった。電車は、由良川橋梁を渡る際は、ゆっくりと走行してくれた。思う存分に景色を楽しめて、しっかりカメラに風景を収めることが出来た。
その後は、奈具海岸の青く美しい海を眺め、終点の天橋立駅へ。
電車の中では友人の姿も撮影させてもらった。レンズはフジノンレンズ『XF35mmF2 R WR』を使用した。軽く小さくて、荷物が増えるのが嫌いな私には、ぴったりのレンズであった。本来ならば私が持っているレンズの中で1番広角である23mmのレンズの方が、車内全体の雰囲気を撮影するのにぴったりだったのではないか、と家を出て一瞬考えた。しかし、私は日頃から人の動きやその場のストーリーが想像出来るようなスナップを標準もしくは中望遠レンズで撮影しており、それらが私らしい写真だと周りからは言われることが多かった。今回も標準レンズを使用することで、結果的には私らしく、電車の中で友人がゆったりと大人旅をしている様子を表現することが出来た。その場の雰囲気を、人物に焦点を当てながら印象的に撮影することが出来るレンズだと思った。
天橋立へ
天橋立駅に到着後は、天橋立付近をぶらぶらとしたのち、笠松公園へ向かう。
船が通るたびに旋回する、動く橋だそう。
笠松公園では、日本三景の天橋立を上から望める。『XF35mmF2 R WR』を使ってちょうどいい構図で天橋立を撮影することが出来た。また、景色を眺める友人の姿と天橋立を合わせて撮ることも。やはり、35mmのレンズは風景だけでなく人物を入れた写真を撮ることも出来るので、一本持っていると心強いレンズだ。広角レンズで撮影すると、人物に焦点を当てようとどうしても近づいて撮影しなければならず、私自身少し苦手であり、また撮られる方も緊張することがあると思う。しかし、35mmであれば、それらをすべて解決することが出来ると考えている。
ここで“股のぞき”をすると、天橋立が天に昇る竜に見えると言われており、多くの観光客がチャレンジしていた。また、“かわらけ投げ”(高い場所から数メートル先にあるわっか(知恵の輪)に“かわらけ”を投げ、輪をくぐると願いがかなうと言われているもの)も。
絶景を眺めることが出来て、友人とのんびり旅をするにはぴったりの場所であった。観光列車に今回初めて乗車したが、何とも贅沢な気分を味わえるので、是非女子旅で乗ってみて欲しい。