【X-E3で撮る編集部旅行記】北欧・ノルウェーの大自然に飲み込まれた夏
7月半ば、たまたま機会に恵まれ、一週間半ほどノルウェーに行ってきました。
訪れたのは北部にある、とある小さな島。島唯一のスーパーとカフェには徒歩1時間かけて行かなくてはならず、娯楽施設は全くなしといった環境です。もともと都心に暮らしていて、今までの旅行でも建築物や美術館など人工的に作られたとこばかりを巡っていた都会派にとって、長い期間大自然のなかでの生活なんて途中で飽きてしまうのではないか……なんて一抹の不安にも襲われましたが、そんな懸念は杞憂に終わりました。
ノルウェーといえば「深い森」のイメージがありましたが、島の自然は別もの。海風が強い場所のため高い木などは育たず、ゴツゴツとした岩肌を苔や雑草が覆い尽くしているような風景が広がっており、雑草のなかにはブラックベリーなど食べられるベリー類も盛りだくさん。未体験の自然は、今まで出会ってきたいかなる娯楽よりもワクワクする。まるで幼い頃、全ての環境が新鮮だったことを思い出した気がします。
スニーカーで過ごしたけれど、歩き回るならトレッキングシューズがベスト
とにかく草花だらけ。赤いベリーは食べられるものではないらしい
夏のノルウェーは白夜。夕飯後でもこんな風景が見られる
ホリデーを楽しむ人たちがボートで行き交う様子は日常風景
岩肌にくっついている謎の赤い生物を発見……
島の散策以外には、前述したスーパーに日用品の買い出しに出かけたり、近くの別の島を訪れて過ごしていましたが、1週間半なんて気がつけばあっという間。生い茂った草花や美しい景色がどこまでも広がり、バターたっぷりのノルウェー料理を楽しむ、まさに“スローライフ”な生活に別れを告げるのはとても寂しかったです。
スーパー到着後、チョコレートアイスで糖分摂取
近くの島へ。パブが一軒営業しているぐらいでとても静か
パブの壁に貼ってあった味わい深いポスター
(左から時計回りで)ジャガイモ→カブ→マトンの塩漬け→ウィンナー→カリフラワー→にんじん→ヘラジカのシチュー。これらに溶かしバターをたっぷりとかけていただく。ホロホロとした口触りのヘラジカのシチューにこけももジャムをあわせて食べるとコクのある味わいになり絶品!
島では太陽が地平線から消えてからも美しい景色が広がっている
“幸せのものさし”は一人ひとり違うと思いますが、いつまでも太陽が昇っている夏、この島でホリデーを過ごせるノルウェー人はとてつもなく幸せ者だなと感じました。今までの海外旅行とはひと味もふた味も違う異色の体験でしたが、死ぬまでにまた行きたい場所リストのトップにランクインしました。夏に過ごすノルウェーの孤島、最強です。
なお、今回の旅にあたって「X-E3」を持っていったところ、これが大正解でした。毎日息を呑むような景色に出会っているなか、時々スマホでも写真を撮りましたが、それらと比べると一目瞭然。肉眼で見たものに近い風景を記録し、感動を蘇らせてくれたのは圧倒的にデジタルカメラの写真でした。ちなみにコントラストの強い彩りが好みだったため、上記ほとんどの写真はフィルムシミュレーション「Velvia」に設定しているものです。改めて、美しい景色を楽しむ旅にはデジタルカメラを持参することをおすすめします。
Photo&text by 編集部Y