『X-T30 III』片手に猫と過ごす休日。写真家・あおいとりの猫島スナップ
明日から休日というある日、僕の手元には富士フイルムの『X-T30 III』がありました。前モデルの『X-T30 II』同様、クラシカルでコンパクトな外観に、優れた描写力を併せ持ったカメラであることには変わりありませんが、動物写真を撮る者からみた一番の進化ポイントはやはり、『被写体検出AF』を備えたところでしょう。
休日は、この『被写体検出AF』を備えた『X-T30 III』と一緒に、少し遠くの猫島まで猫さんに会いに行くことにしました。
どの猫島に行こうかワクワクしながら悩んだ結果、今回は福岡県の新宮町にある『相島』に行ってきました。相島は、今や世界的に有名になっており、外国の方もたくさん見かけます。相島行き渡船場から約17分なので、猫島の中ではフェリーに乗っている時間は短めで、比較的気軽に行ける島だと思います。
さて、フェリーを降りるとタイミングよく猫のポーズでお出迎え。うれしい!とりあえずカメラを向けてシャッターを切っただけでこの一枚。『X-T30 III』のAFは、被写体検出と相まって、本当に頼りになるなあとまずは実感。
帰りのフェリーのチケットを買っておきたかったので、渡船待合所に行くと、子猫がお休み中でした。天使や。電子シャッター(ES)に切り替え静音シャッターで撮影します。
この日は暖かかったのもあって、午前中から島の猫たちはこのとおりです。
こちらもすやすや寝てますね。羨ましいなあ。
ちょっと前の被写体検出AFは、目を閉じているとうまく目元にピントを合わせてくれなかったりしたものですが、ちゃんと合わせてくれました。
こちらは別のチャトラさん。この子も眠そうですね。『X-T30 III』はボディが小さいので、猫に威圧感を与えることがありません。
ちょうど、季節的にランタナが咲いていました。フィルムシミュレーションはVelviaを使っています。
ちなみに、『X-T30 III』には左手側に、フィルムシミュレーションダイヤルがあります。僕は普段、フィルムシミュレーションはREALA ACEで撮ることが多いですが、このダイヤルを使うと瞬時に切り替え可能ですので、シーンに応じて色々と使い分けたくなりますね。さらにFSレシピ機能を使うと、シャドーやハイライトなど少し細かい調整も予め登録しておくことができます。僕はよくシャドーとハイライトだけ調整するので、これも便利です。
近寄って来てそのまま甘えモード?
こちらは、フジノンレンズ 『XF33mmF1.4 R LM WR』で撮りました。最近、お気に入りのレンズです。富士フイルムの色合いの良さやボケ味の良さはそのままに、従来のレンズよりややくっきりしっかり写る感じで、猫の毛の描写も大好きです。
長年連れ添った夫婦みたいな空気感の猫たち。こちらの写真はフジノンレンズ『XF18mmF2 R』を使いました。『X-T30 III』の小さいボディにはこのレンズはベストマッチです。少し世代の古いレンズかと思いますが、『X-T30 III』の約2610万画素には十分な性能ですし、少し柔らかい描写がお好みの方は、この世代のレンズもぜひ試してみてほしい一本です。
どうもこの枝で歯磨きをしていたようです。じゃましてごめんね。
こっちの二人も仲良しコンビかな?相島はチャトラさんが多い気がします。
毛繕いにも余念がありません。舌の模様がバッチリ写ってますね。『X-T30 III』は解像力もしっかりしています。こちらは少し温かみを出してみたくなったので、フィルムシミュレーションはノスタルジックネガを使っています。
こちらのさび猫さんもなんか人間みたいな座り方して、すっかり寛いでますね。ちょっと、おじさんぽい?
猫の目線に合わせるには、ファインダーを使わずに、チルト液晶を使って低く構えると撮りやすいです。
ランタナの向こうには、爪研ぎ真っ最中のハチワレ猫さんが。こうやってカメラを向けてサッと撮れるのはほんとに心強い!
さっきの夫婦っぽい猫がまだ寛いでいました。今度は海を入れて撮らせていただきました。
まだまだ見ていただきたい写真がたくさんあるのですが、そろそろまとめを。
『X-T30 III』はコンパクトで軽いカメラなので、猫島散策に持っていくと、まずとても軽快で、歩くのが楽しくなります。これは大きな一眼レフやミラーレスカメラを抱えての撮影とは全く別の感覚で、どちらかというとスマートフォンを片手に島を歩きまわる気軽さに近いくらいの快適な旅となりました。
それでいて、約2610万画素のセンサーと最新の被写体検出AFにより、上位機種にも遜色ない写真が撮影できます。また、フィルムシミュレーションでシーンによって、好みの色使いを選べますし、なにより外観がカッコイイので、旅の気分を上げてくれる旅カメラとしても優秀ですね。
そして、最後にお伝えしておきたいのが今回初めて使った『オートモード』について。カメラ天面にあるレバーで切り替えられるこの機能を使うと、自動的に被写体を判別してくれます。猫を撮っている最中に、急にトンビが飛んできて「撮りたい!」となった時、そのままカメラを向けたらトンビにピントを合わせてくれました。これは便利。家族や友達と一緒に猫島に行った時も、猫と人など被写体をいちいち切り替えなくて良いので、これはいい機能ですね。
今回は島猫さんを撮りましたが、『X-T30 III』の長所は、室内での撮影にも有効だと思いましたので、今度は室内で猫さんたちを撮影してみたいです。
みなさんにも是非、猫島旅のお供やお家の猫ちゃん撮影などに使ってみていただければと思います。
今回登場したカメラ
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