人生の夏休み紀行 in LONDON 〜とある夏の日〜スイーツアーティストKUNIKA vol.4
2年間のイギリスのワーキングホリデーは終わりを迎えたが、制作活動を再スタートする前に一夏ロンドンで過ごすのも良いかも、ということでタイトル通りまさに今夏休みを過ごしている。
今までの人生、こんなに長期で休むなんて考えは微塵もなかったのに、この2年をロンドンで過ごし、たくさん旅をした結果、頭も心も柔らかくなったみたいだ。
せかせか働きづめにならなくても、たまには一旦休憩して楽しく生きている幸せを感じることの素晴らしさを知った。(のんびりぼけしているのかもしれない。でも、今はこれで良い。そう思えている。)
心機一転、ロンドンでの新生活はイーストエリアに住んでいるお友達のフラットを貸してもらった。
ショーディッチを中心に至る壁にアートが描かれ、古着屋やマーケットなど若者で賑わっている楽しいエリアだ。
チェーン店のドーナツショップ『Doughnut Time』もご覧の通り、パンチの効いたアートが描かれている。
今回のコラムでは、カメラ『X-T2』と共に過ごした何気ない1日を紹介しようと思う。
異常気象が起きない限り、8月でも最高気温は23度前後。とても過ごしやすい。
安定の曇り空、たまに青空が見えたりぱらっと雨が降ったりな天気だ。
3週間ぶりに帰ってきたので、まずは大好きなタワーブリッジを目指し2階建てバスに乗り込む。
ビッグ・ベンが工事中な今、一番ロンドンの中で好きな場所だ。
テムズ川沿を少し歩いたあと、すぐそばにある気になっていたジャパニーズブラジリアンレストランの『Temakinho』へ入った。
気になるスポットはインスタグラムのランダムに出てくるお勧めで見つけることが多い。
このお店もインスタグラムで偶然見つけた場所だ。
グーグルマップで検索し旗を立てて、巡って行くのが楽しい。
アンリ・ルソーの『夢』からインスパイアされてるであろう、密林の中に動物が見え隠れする一面の壁紙が最高で、まさに楽園のよう。
ここがロンドンだということを忘れそうになるくらい。
インテリアや照明、色のバランス、メニューのデザインなど全てのアートディレクションがしっかりされた店内だ。
新しくても古くても、派手でもシンプルでも、統一感のある空間はとても居心地が良い。
注文したサーモンアボカドロールもまるで絵の世界から飛び出てきたかのようにリンクされた盛り付け。
味もとても美味しかったので、お寿司が食べたいと思ったら是非お勧めしたい。
お腹いっぱいになったところで、前から行ってみたかった場所へ再びバスに揺られて向かう。
目的地はストック・ニューイントン地区にある『Abney Park墓地』だ。
海外の墓地巡りがちょっとした趣味であり、旅の途中でも雰囲気の良い墓地があれば立ち寄る。
ロンドンでも散歩がてら、色々な墓地を巡っている。
犬の散歩に来ている人がいたり、ベンチに座って本を読んでる人がいたり、喧騒から離れてリラックスするのにとても気持ちのいい場所だ。
多い茂った緑に囲まれた静かな空気の中佇んでいる天使の像。
蔦や苔に覆われ、風化して傾いている墓石。
聞こえるのは鳥のさえずりくらいで、歩いていると心が浄化され落ち着いていく。
墓地を後にし、次の目的地へはすぐにバスに乗らず少し散策することにした。
街を歩いているだけで沢山の発見がある。
古い建物が放つ素晴らしいデザイン、思わずくすりと微笑んでしまうユーモアあるデザイン、何気ないワンシーンの美しさに巡り合うと、たまらずカメラのシャッターを切る。
初めて通る道の景色を楽しみながら、次に向かった先はお気に入りのカフェ『Violet』 。
ハリー王子&メーガン妃のロイヤル・ウェディングケーキを制作したことでも知られている。
お店はハックニー地区の住宅街の静かな場所に位置し、着飾らない素朴な佇まいがなんとも落ち着く。
オーガニック食品と季節の食材にこだわり、暖かみのあるお菓子たち。
カフェの中にある小さなオープンキッチンで全て作られている。
行くたびにお菓子のラインナップが変わっていて、私のお気に入りはバナナケーキだけどこの日は出会えず。
代わりにとても可愛らしいカップケーキがあったので今日のおやつはこれに決定。
バニラレモン・エルダーフラワーカップケーキとグースベリーソーダ。
外のベンチに座り、のどかな風が吹くなかカップケーキを食べながら、明日は何しようかなーと考えたり、帰国した後のことを同時にぼんやり考えたりする。
夜20時になってもまだ明るい。
なんとなく帰るのがもったいなくて、最後に再びタワーブリッジへ。
ここから眺めるロンドンはとても都会だ。
高層ビルと自然溢れる大きな公園、新しいマンションと古い家々や教会、新旧が美しく融合し、様々な人種が共に暮らしているロンドン。
21時を過ぎてようやく少しづつ夜に近づく。
のんびりゆったり。
これが今の気分。
今はただゆっくりと、時間の流れに身を任せて生きるに尽きる。
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