古性のち×富士フイルムレンズ『ときめく写真を探して vol.5』 XF90mmF2 R LM WRと旅する山梨
キラキラの木漏れ日、風のざわめき。長く伸びていく影や、ゆっくり顔を出す月を、私たちは日々特段に気に掛けることは少ない。今日も明日も変わらず、当たり前にそこにあると、意識しなくとも思っているからだ。
そんな当たり前のものたちを特別なものに変えてくれてる魅力が、カメラにはある。日々を慈しむ一番簡単な方法はもしかしたら“世界にシャッターを切ってみる”ことなのかもしれない。
こんにちは。フォトグラファーの古性のちです。家におこもりを始めて約1ヶ月。お家フォトを楽しみながらも、やはり写真を編集しているとどこか出かけたくなります。
今回の旅は新しいレンズと共に、おこもり前に立ち寄った最後の旅、山梨県にある星野リゾート『星のや富士』へお連れします。
一緒に旅したレンズ『XF90mmF2 R LM WR』
5回目の旅を一緒に楽しんでくれたのは、今までご紹介した中でも最も被写体との距離が近くなる『XF90mmF2 R LM WR』の90mmレンズです。一見扱いが難しい気がするレンズですが、一度手にすると魅せてくれる世界の美しさにうっとりします。わたしはハマりました。
【ポイント】予想外の世界を受け入れて楽しんでみる
以前一緒に鎌倉を旅した60mmのレンズよりも、さらに一歩(もしかしたら2歩)被写体との距離が縮まるこのレンズ。覗いてみると「これはどこを写しているのだろう?」と迷子になることも。だけれど、だからこそいつもとは違う世界を楽しむことができるのがこのレンズの魅力なのではと思っています。
いつもの自分から少しだけ冒険に出かける、そんな自由さを楽しめると仲良くなれるのではないでしょうか。
『XF90mmF2 R LM WR』と旅する山梨
柔らかく伸びやかで艶のある質感。普段よく使っている23mmF1.4のレンズより、輪郭を少しシャープにはっきりと際立たせてくれる90mmF2のレンズ。
中望遠レンズならではのボケ感は、普段あまり進んでは切り取らない距離のある風景やポートレイト、ご飯の写真の「そうそう。本当はこんな感じで切り取りたかったんだよね」のニーズにぴったりと寄り添ってくれた。
普段生活をしていて意識しない木漏れ日も、ファインダーの向こう側では存在感が抜群に。外の席でいただいた星のや富士のランチも、木漏れ日たちがしっかりと際立たせてくれました。慣れない距離感に戸惑いつつも、普段よりも近い好きなものとの距離感にテンションが上がってしまい、シャッターを切る手が止まりません。
ある程度離れなければいけないものの、全身のポートレイトも雰囲気抜群。被写体と離れることで、自然な表情を引き出すことができるのもこのレンズの魅力です。
AFも速いのでゆったり飛んでいる鳥の自然な姿も撮れました。
自然との距離を縮めてくれるレンズ
富士フイルムの様々なレンズと旅するシリーズもあっという間に最終回。過去いろんなレンズと旅をしてきたけれど、なんだろう、今回のレンズは、普段目に止まらなかったり、見えなかったりするものたちとの距離が一番近いな、と感じるレンズでした。
60mmもほどよい距離感で好きだったけれど、個人的にはもう少し扱いが難しい、だけれど世界との距離を縮めてくれる90mmの方がより好きでした。
ぜひこのシリーズが、レンズを選ぶときの手助けになったら嬉しいです。
それではまた、どこかで。
今日も良い旅を。
撮影協力:星のや富士
【今までのシリーズ一覧】
vol.1:XF8-16mmと旅するトルコ
vol.2:XF23mmF1.4と旅するバンコク
vol.3:XF60mm F2.4 Macroと旅する鎌倉
vol.4:XF35mmF1.4・XF35mmF2と旅する横浜
※記事内に登場する人物・施設には許可を取って撮影しています