Column 2021.07.06

日々を彩る花に惹かれて、寄り添って。mei vol.1〜四季の花々〜

はじめまして。
mei(@4_adiantum7)と申します。

花や草木を始めとした自然や、器・雑貨・お菓子といった暮らしの1コマなど心ときめく色々を追いかけ、日々を写真に残しています。そんな常日頃から写している植物やテーブルフォトをテーマに、此度は富士フイルムさんから連載のお声掛けを頂きました。

私が常に憧れ、作風に大きく影響を受けているのは、印象派*、新印象派期の絵画作品です。
小さな頃から印象派の色彩を好んでいたことに加え、その背景について学び始めて以降、私の理想となっています。

*印象派とは:西洋絵画のジャンルの一つであり、明るい色彩を用いて、外の建物や人物などをふんわりと空気で包まれた印象として表現しているもの。

そこで自然を写す際には、明るい色彩を取り入れ光溢れるような雰囲気を、室内ではそれに加えてしっとりと落ち着いた雰囲気で撮影するようにしており、フィルムシミュレーションはそれに合わせて使い分けています。

クラシックで可愛い姿と、どこへでも連れて行きたくなるコンパクトさに一目惚れした『X-T3』を相棒にお迎えして約1年半。写りにも惚れ込んだ今、改めてその魅力を噛み締めながら綴っていきます。
連載第1回目となる今回は、これまで私が撮りためてきた四季折々の花達を、花への想いやときめきと共にお届けします。

『X-T3』で撮る四季の花々

〜春〜

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:3.6 /シャッタースピード:1/4000 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:6.4 /シャッタースピード:1/15 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T3と初めて迎えた春から選ぶのはこの2枚。いち早く心躍る春を連れてきてくれる河津桜と、桜といえば誰しもが思い浮かべる可憐な染井吉野。河津桜の鮮やかな花弁は青空によく映え、染井吉野の薄く淡い花弁は夕暮れ色に染まり、妖しく幻想的。強風や雨の日も少なく、長く桜を楽しむ事が出来たこの年は、いつにも増して、毎日花を見上げることができ、楽しい春でした。

〜梅雨〜

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:4.0 /シャッタースピード:1/1600 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:4.0 /シャッタースピード:1/1000 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:4.0 /シャッタースピード:1/500 /フィルムシミュレーション: ASTIA

春が過ぎ、世間は“ステイホーム”が続く梅雨の頃、あちこちの花壇で花開く色とりどりの紫陽花に慰められました。遠目に見ると、もこもこと雲のようで愛らしく、ぐっと近づいてみれば繊細な工芸品のようで美しく、好きな花の1つです。
丸みを帯びた花弁の子も、星の欠片のような花弁の子も、薄く淡く砂糖菓子のような花弁の子もどれも素敵。画面いっぱいに紫陽花を埋め尽くし、宝物をあつめるような気持ちで写しました。

〜夏〜

X-T3 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:8.0 /シャッタースピード:1/4000 /フィルムシミュレーション:PROVIA

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F値:2.0 /シャッタースピード:1/8000 /フィルムシミュレーション:PROVIA

茹だるような暑さが続き、無くしかけた元気も向日葵や百日紅(さるすべり)といった夏の花の鮮やかさに触れると少し取り戻せるような気がして、無意識に探してしまいます。厚みのある雲、陽射しが照りつける突き抜けるような快晴の空、夏らしいもの全部を詰め込みたくて、しゃがみこんで下から覗き込むように花と空を写しました。

〜秋〜

さて、標準ズームレンズに加えて、夏に新しく迎えた『XF35mmF1.4 R』が大のお気に入りになった秋。
見たままを写したような丁度良い距離感が心地よく、絞った時のシャープな写りも開放時の軟らかいボケ感も表現できるレンズです。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F値:5.6 /シャッタースピード:1/3200 /フィルムシミュレーション:PROVIA

涼やかで優美な花手水はF値を5.6にしっかり絞り、水面も花も透き通った、どこか飴細工のような風合いに写っています。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F値:1.4 /シャッタースピード:1/3200 /フィルムシミュレーション:ETERNA

多くの花が咲く時期も終わりを迎え、街中が赤や黄色に色付いた秋の暮れには、少しだけもみじ狩りへと出かけました。拾い集めたお気に入りの楓の葉と小さな松ぼっくりを切り株の上に置いた本に散らしてみれば、まるで絵本の一コマのよう。とろけるようなボケ感もそんな雰囲気にぴったりです。

〜再びの春〜

咲く花の少ない冬はお休みして、あっという間の2度目の春。
例年通りいち早く春を運んだ河津桜も、今年は満開とともに強い風に散り、染井吉野も同じく風と雨に早々に散る少し切ない春の幕開けでした。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F値:1.8 /シャッタースピード:1/8000 /フィルムシミュレーション:PROVIA

思わず目を瞑ってしまいそうな程の花吹雪をおさめた一枚は、ぼんやりと最前景に浮かぶ花弁が本当に雪のようでお気に入りです。

そして、XF35mmF1.4 Rに続き、お迎えしていた『XF23mmF1.4 R』と『XF50mmF2 R WR』も春の花盛りに大活躍。

X-T3 /XF23mmF1.4 R /F値:2.8 /シャッタースピード:1/125 /フィルムシミュレーション:ASTIA

捉える景色もぐっと広がるXF23mmF1.4 Rで一面の花を写すと、はらりと花柄の布地を拡げたよう。陽が落ちて紫がかる空と薄紅藤の淡い色のグラデーションは惚れ惚れしてしまう宵の情景でした。 

X-T3 /XF23mmF1.4 R /F値:5.6 /シャッタースピード:1/2500 /フィルムシミュレーション:ASTIA

マーガレットとパンジーの花壇は、まさに春爛漫。爽やかで溌剌としたビタミンカラーのパッチワークです。少し主張の強い色が重なる一コマも、フィルムシミュレーション『ASTIA』を使えば程よい軽やかさを纏う写真になりました。

X-T3 /XF50mmF2 R WR /F値:2.0 /シャッタースピード:1/6400 /フィルムシミュレーション:ASTIA

X-T3 /XF50mmF2 R WR /F値:3.2 /シャッタースピード:1/800 /フィルムシミュレーション:ASTIA

対してXF50mmF2 R WRは、XF35mmF1.4 Rで「あともう少し寄りたい!」と思うようなシチュエーションで痒いところに手が届く、そんなレンズです。

ネモフィラの海で見つけた、少し離れた場所の真っ赤な可愛いてんとう虫。驚いて逃げてしまわないようにそっとシャッターを切りました。落ち着いた桃色が素敵な躑躅(つつじ)も、花に埋もれたような視点で切り取っています。

これからのこと

こうやって思い返してみても、あっという間の1年半。
とにかく夢中になって、常に4本のレンズと共に写し続けてきました。つまり、逆を言うと“1つのレンズだけを持ち歩く日”、というのは改めて考えてみるとありません。

そのことに気づいてみて、この先はレンズ其々の魅力ともっとじっくり向き合い、深掘りしてみる時間も作りたいと思っていたり。

早速、次はレンズ1つでのんびりと気侭なお散歩を始めてみます。どんな出逢いと発見があるかしら。今からとっても楽しみです。

今回登場したカメラ

FUJIFILM X-T3

Profile

mei

会社員/フォトグラファー
学生時代は美術史を専攻。明るい色彩を取り入れ、光溢れる写真は、子供の頃から好きだった印象派・新印象派期の絵画作品に影響を受けている。 花や草木や海といった自然から、心地の良い宿、可愛らしい器やお菓子まで、自らの心ときめく色々を追いかけ、Twitter等のSNSを中心に発信中。
Twitter:@4_adiantum7
Instagram:@m_adiantum

その他【Column】はこちらから