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Interview 2024.04.30

【Xシリーズユーザーインタビュー】Yuriと『X-T4』『X-T5』 写真にのめり込むきっかけ、可能性を大きく広げた富士フイルムのカメラ

ふんわりかわいいパステルな世界を写真で表現し、自治体の観光プロモーションをはじめ、人物撮影やカフェ・ホテルの撮影などで活躍しているYuriさん(@camel8326)。作風を決定づける独特の色合いはXシリーズだからこそと話し、最近はフィルムシミュレーションを使った動画撮影にも積極的だそう。『X-T20』からスタートし現在お使いの『X-T4』『X-T5』まで、深いXシリーズ愛についてお伺いしました。

Interview:Yuri

 

楽しいという気持ちが溢れ出すXシリーズとの出会い

——写真をはじめたきっかけを教えてください。

社会人なりたての頃、偶然手にした雑誌でふんわりかわいい写真を使ったカメラの広告記事を目にしたんです。これは富士フイルムの広告ではありませんでしたが、それまで写真は記録的な用途というイメージで、“写真で表現する”ということを初めて知りました。自分も挑戦してみたいと思い、すぐにカメラを買いました。

X-T4 /XF90mmF2 R LM WR /F2.0 /1/4400秒 /ISO200
フィルムシミュレーション : PROVIA

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F3.6 /1/2700秒 /ISO250
フィルムシミュレーション : PROVIA

——“表現をすること”に興味があったのですか?

大学時代はフリーマガジンを制作するサークルに所属していて、創作することに楽しさは感じていました。ただ、当時は写真を撮っていたわけではなく、企画を考えたり文章を書いたりという感じでしたね。

——カメラを購入後、Xシリーズを手にすることになった経緯は?

しばらくは自己流で撮っていましたが、当時好きな写真家さんが開催していた撮影ツアーに参加してみたんです。そこで知り合った参加者のほとんどが富士フイルムのカメラを使っていて、みんなが口を揃えて富士フイルムでしか出せない色があると言っていて。出会う人が口々に富士フイルムの色を褒めてくるわけですから、もう気になるのは仕方ないじゃないですか(笑)。その後、社会人の写真サークルで『X-E1』をお借りして、初めて富士フイルムの色に触れてみましたが、想像通り色味が素晴らしく、当時発売されていた『X-T20』を購入しました。本当に買ってよかったです。撮るたびに楽しいという気持ちが溢れ出すような感覚で、写真を撮るために出掛けよう、という原動力になってくれるカメラでした。

▲『X-T20』で撮影された写真

——その後、『X-H1』も購入されたそうですね。

2019年くらいに写真を仕事にしたいなと思いはじめ、2020年3月に仕事を辞めてプロになりました。そのときに、当時買いやすい価格帯だった『X-H1』を購入したんです。実は夫もXユーザーで、夫は当時『X-T3』を持っていたので2台体制でプロとしての活動をはじめたのですが、手に馴染むと感じたのが『X-T3』の方で……。些細な違いではあるものの、フォルムの大きさやかわいらしさは『X-T3』のほうが好みで、手ブレ補正が搭載されたうえにバリアングル液晶の『X-T4』を発売直後に買い、いまも使い続けています。

▲Yuriさんがお使いの『X-T5』『X-T4』『X-T3』

——現在は『X-T5』もお持ちとのことですが、『X-T4』との使い分けは?

動画を撮る際、『X-T5』『X-T4』のどちらも使用していますが、バリアングル液晶の『X-T4』がやはり便利。富士フイルムの『プリントデイズ』のInstagramリールなどを担当させていただいていますが、自分の手元を入れつつ自撮りをするときなどは、『X-T4』が欠かせませんね。

▲『X-T4』で作成されたリール動画

——Yuriさんのように旅先での撮影が多いスタイルの方にとって、X-Tシリーズは使いやすいですか?

荷物としてかさばらないので旅先に持って行きやすいです。そして、天面にダイヤルで直感的に操作ができるのもありがたいです。旅先ではさまざまなシーンを撮ることになるので、即座に設定を変えることができるダイヤルに助かっています。

X-T4 /XF35mmF1.4 R /F6.4 /1/750秒 /ISO160
フィルムシミュレーション : PROVIA

X-T5 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F6.4 /1/125秒 /ISO250
フィルムシミュレーション : PROVIA

 

華やかさを演出するPROVIAの魅力

——Xシリーズの購入動機となった“色”についてお伺いします。お好きなフィルムシミュレーションは何ですか?

PROVIAです。好きすぎるくらい好きですね。8割はPROVIAを使っていて、カフェやホテルなどをシックな感じで撮るときはクラシッククローム、夕焼けなどを優しく撮りたいときはETERNAを使います。

X-T5 /XF56mmF1.2 R WR /F2.2 /1/125秒 /ISO400
フィルムシミュレーション : クラシッククローム

X-T5 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F6.4 /1/125秒 /ISO500
フィルムシミュレーション : ETERNA

PROVIAが好きな理由は発色の美しさ。黄色やピンクなど、全部の色が優しく見えるところがわたしの理想にマッチしています。ビビッドほどきつめの鮮やかさではなく、優しいけれど華やかに見えるところが大好き。ネガ系のフィルムシミュレーションは人気がありますが、わたしには少しシャドウが強いかなと感じています。

X-T5 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F6.4 /1/210秒 /ISO250
フィルムシミュレーション : PROVIA

——JPEG撮って出しは使いますか?

いまはRAWで撮影をしてAdobe Lightroomで現像しています。でも、カメラプロファイルでフィルムシミュレーションを適用できるので、必ずPROVIA等に設定し、そこから調整をかけて仕上げていく感じですね。動画に関してはPROVIAで撮ったものを、明るさや彩度の調整程度のほぼ撮って出しで編集していて、フィルムシミュレーションがあるからこそ動画の仕事をスムーズに行えることが多いと思っています。

——Lightroomで調整している項目は?

シャドウの調整は特に気を付けています。シャドウが残っている写真が好きなんですが、明るくは仕上げたいので、 Lightroomではシャドウや黒レベルの項目を細かく調整することが多いですね。また、空も白飛びをしないように心掛けています。Xシリーズを使いはじめた当初は、ハイライトの白飛びの少なさにも感動した覚えがあります。

ダイナミックレンジの設定はDR100、DR200、DR400から設定することができ、白飛びや黒潰れを軽減してくれます。DR400をよく使っていましたが、設定感度がISO800になってしまうので、いまはオフにしています。Lightroom上でDR200くらいの効果を目指して調整をしている、という感じでしょうか。

——カメラの設定では特に変更しているところはありますか?

RAW撮影がメインなので得にはないですが、他の方に写真を教えるときにはハイライトとシャドウにこだわるだけで、写真の印象は大きく変わるので大事にしましょう、とは伝えています。Xシリーズで撮影する際、ハイライトは白飛びを回避するためには−2にし、ふんわりかわいくするのならシャドウは−1〜1.5、かっこよく陰影を付けたいならばシャドウを+1〜2くらいというイメージ。動画の撮影時は、後からの調整を考えてスチール以上にトーンカーブのバランスは気にします。

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F7.1 /1/480秒 /ISO80
フィルムシミュレーション : PROVIA

 

メインレンズが『XF16-55mmF2.8 R LM WR』である理由

——レンズは単焦点を複数本、ズームも広角、標準、望遠、高倍率までさまざまなものをお持ちです。その中でメインレンズは『XF16-55mmF2.8 R LM WR』だそうですね。

2022年11月に買って以来、すっかりメインレンズとなっています。それまでは広角ズームを用途によって使うくらいだったんですが、本当に『XF16-55mmF2.8 R LM WR』は素晴らしいレンズで、瞬く間に欠かせないレンズとなりました。『XF35mmF1.4R』のように初期型のものを多く持っていて、もちろん単焦点レンズの写りは好きなんですが、少しやわらかな写りをするんですね。『XF16-55mmF2.8 R LM WR』はすっきりくっきり写って、なおかつ富士フイルムの優しい色になり、自分の中の最適解を見つけたという感覚です。ボケ味も満足していますが、どうしても大きなボケが必要なときは単焦点レンズを使います。ズームレンズだけを持ち出すということはなくて、必ず単焦点レンズは持っていくようにはしていて、『XF16-55mmF2.8 R LM WR』+『XF35mmF1.4R』または『XF90mmF2 R LM WR』の組み合わせは、画角のチョイスも広がりますし気に入っていますね。

X-T4 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F5.6 /1/850秒 /ISO160
フィルムシミュレーション : PROVIA

X-T3 /XF35mmF1.4 R /F1.4 /1/1250秒 /ISO160
フィルムシミュレーション : PROVIA

——夫婦揃ってXユーザーということで、機材の共有もできていいですね。

夫は昔からXシリーズ一筋です。最初に『X-A1』を買って以来、『X-T1』『X-T3』『X-T5』を夫が買い、わたしが使わせてもらっています。フォトグラファーではないものの、富士フイルムとカメラ専門店さんの企画として夫婦でチェキの写真展をやったり、一緒に活動をすることもあります。そういうのも嫌いじゃないみたいです(笑)。

X-T4 /XF10-24mmF4 R OIS /F7.1 /1/850秒 /ISO200
フィルムシミュレーション :PROVIA

 

Xシリーズとともに歩んだプロへの道

——富士フイルムとは、先ほども話しに上がった『プリントデイズ』にも関わっていらっしゃいます。写真をプリントやフォトブックにするという前提があると、撮影の意識は変わりますか?

お気に入りの1枚をプリントする場合はさほど変わりませんが、複数枚のプリントやフォトブックで見せたいという場合は意識が変わりますね。主役となる1枚だけでなく、手元や空のような、インサートカットをできるだけ撮るようになるんです。主役の写真と同じ色のものを意識的に撮ることもありますね。ふだんは撮らないものを撮ることで新しい表現ができるようになりますし、インサートカットは主題となるものと合わさると意味合いが変わってきてとてもおもしろいです。SNSだけを意識して撮っているとそういう表現はしづらいじゃないですか。アップしないなと思った時点で撮らないようになってしまったり。新しい表現を引き出してくれるのがプリントやフォトブックの良さだと思います。

 

——Instagramには #今日もX日和 というタグがあり、富士フイルムの公式Instagram @life_with_xseriesにフィーチャーされます。Yuriさんも #今日もX日和 を付けて投稿されていたそうですね。

かなり昔から付けています。Xシリーズを使いはじめた頃は、他のXシリーズユーザーの方がどのような写真を撮っているかが気になって、タグで検索をかけて写真を見てみたり、いいなと思う写真を撮っている方をフォローしたりしていました。そして @life_with_xseries にフィーチャーされたときは本当にモチベーションが高まりましたね。公式ですから、達成感は別物です。ぜひXユーザーの方にはトライしていただきたいです。

——最後にXシリーズへの思いをお願いします。

Xシリーズを使いはじめたからこそ、写真にのめり込むことができ、写真を仕事にしたいと思うようになっていきました。Xシリーズに買い替える直前から写真ブログもやっていて、Xマウントレンズのレビュー、Xシリーズで撮った旅行記、ふんわりかわいく撮るための設定などを記事にしていたんですね。ブログを見てくださる方が徐々に増えていき、記事を見てXシリーズを買ったとか、写真が楽しくなったというような言葉をいただき、それが本当にうれしくて写真を教える仕事をしたいと思ったこともプロを目指すもうひとつのきっかけでした。私の中の可能性を大きく広げてくれたXシリーズには、感謝してもしきれないほど。これからも温かく優しい富士フイルムの色を大切にしながら、少しでもたくさんの方に幸せな気持ちになってもらうような写真を撮っていけたらと思っています。

X-T5 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F2.8 /1/80秒 /ISO3200
フィルムシミュレーション : ETERNA

text by 鈴木文彦

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