フォトグラファーYuma Takatsukiの『FSレシピ』集〜冬の空気をまとうポートレート〜
富士フイルムXシリーズの『X-E5』や『X-T30 III』に新たに搭載された、フィルムシミュレーションと画質設定を自由に組み合わせて自分好みの『FSレシピ』として保存できるカスタム設定機能。軍艦部左側のフィルムシミュレーションダイヤルにてお気に入りの設定を3つまで登録することができ、シーンに応じて瞬時に切り替えられるように。本企画では、この機能を活かしたオリジナルの『FSレシピ』を、Xシリーズを愛用するフォトグラファーに紹介していただきます。
今回は、人物・風景写真や広告写真などを手がけるフォトグラファーのYuma Takatsukiさん(@yu_umaa06)に、冬のポートレートをテーマに3つの『FSレシピ』を作成いただきました。寒い季節ならではの空気感を纏うポトレ写真を撮りたい方、必見です。
富士フイルムのフィルムシミュレーションは、単に色を“再現”するだけでなく、写真に写る光や空気感そのものを“創造”できる点が大きな魅力です。本記事では、REALA ACE、PRO Neg. Hi、ノスタルジックネガをベースに、撮影シーンと意図に応じて組み上げた3つの『FSレシピ』を紹介します。
【FSレシピの分類】
① 汎用性と正確性を軸にした『REALA ACE』ベースのレシピ
② 難しい光の中で安定感を重視した『PRO Neg. Hi』ベースのレシピ
③ 意図的に色を転ばせた表現的な『ノスタルジックネガ』ベースのレシピ
撮る前に“どう写したいか”を考えるきっかけになれば幸いです。
レシピ①:“Subtle Depth(静かな奥行き)”
FSレシピ①は、フィルムシミュレーションにREALA ACEを採用し、忠実な色再現と立体感のある階調表現をベースに組んだレシピです。REALA ACEの落ち着いた彩度をベースに、カラークローム・エフェクトを弱で重ね、色の深みと階調の美しさを自然に引き出しています。グレイン・エフェクトはWEAK/SMALLに設定し、デジタル感を抑えつつ質感をプラスしています。スムーススキン・エフェクトは弱に留め、撮って出しでも肌が不自然にならないツヤ感を意識しました。トーンカーブでコントラストを少し調整し、シャープネスとノイズリダクションで輪郭と解像感を整えた、汎用性の高い仕上がりになっています。
レシピ②:“Stable Dusk(安定した夕暮れ)”
FSレシピ②は、ポートレート撮影を想定して設計されたフィルムシミュレーション、PRO Neg. Hiをベースにしたレシピです。彩度を抑えつつもコントラストが高く、色の転びが少ないのが特徴で、特に肌色が安定しやすい印象です。夕方のように光量が落ち、色温度が刻々と変わる時間帯では、クラシッククロームではシャドウが沈みすぎ、肌が重く見えると感じましたが、PRO Neg. Hiは立体感を保ったまま自然に写ってくれました。今回はグレイン・エフェクトを使わず、スムーススキン・エフェクトを弱で加えることで、肌のツヤ感をそのまま活かしています。カラークローム系は弱で彩度を補い、トーンカーブでハイライトとコントラストを調整しました。夕方のポートレート撮影で、撮って出しでも安定感のある仕上がりを狙ったレシピになりました。
レシピ③:“Amber Memory(琥珀色の記憶)”
FSレシピ③は、ノスタルジックネガ特有の暖色寄りのハイライトと色の乗ったシャドウを、6000K固定でより強調した表現重視のレシピです。強い昼間の光をあえて使い、時間軸をずらすことでノスタルジックな夕暮れの雰囲気を演出しています。グレイン・エフェクトはWEAK/LARGEに設定し、粒子の存在感だけを残して印画紙のような質感を出すようにしました。DR100とカラークローム系の設定はOFFにして素のコントラストを活かし、正確さよりも空気感や記憶を優先した、飛び道具的な仕上がりとなっています。
おまけ|3つのレシピの使い分け
FSレシピ① Subtle Depth
色と階調を自然に整えたいときの基準。人物・風景問わず使える万能型。
FSレシピ② Stable Dusk
夕方など光が揺れる時間帯の人物撮影に。人肌の色の安定感を重視したレシピ。
FSレシピ③ Amber Memory
正確さより空気感を優先したいときの飛び道具。強い光を、記憶の色へ転ばせたい場面で。
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今回登場したカメラ




















