『X-T20』を片手にダガヤサンドウフォトウォーク! 新国立競技場〜アパレル×お花のユニークなショップ、新感覚の日本茶スタンドカフェをご紹介
【IRODORIシティスポット〜ダガヤサンドウ篇〜】
おしゃれに敏感な人のあいだで話題の“ダガヤサンドウ”。千駄ヶ谷から北参道をつなぐこのエリアには、こだわり指向のおしゃれさんが通う個性的なショップやカフェが点在。テレビや雑誌、SNS等で取り上げられるだけでなくダガヤサンドウにフィーチャーしたWEBメディア「DAGAYASANDO TIMES」が立ち上がるなど、近年大きな盛り上がりを見せる注目のエリアです。また、2020年に向けて建設工事が進められている「新国立競技場」や再開発途中の街並みも見どころのひとつ。そんな千駄ヶ谷〜北参道周辺を今回は「X-T20」と一緒に散策。ショップ単位のこだわりから、ふと目についた街の風景まで、大人の視点で楽しめるダガヤサンドウの魅力を深堀りしてみました。
ダガヤサンドウの街並み
今回は、千駄ヶ谷駅から北参道へむけて散策スタート。新宿駅から2駅の距離にありながら、落ち着いた雰囲気の千駄ヶ谷エリア。少し足を伸ばせば、新宿御苑や明治神宮外苑など、緑豊かなのんびりスポットにアクセスできるのも大きな魅力です。また、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて建設中の新国立競技場も見ておきたいスポットのひとつ。未完成ながらも迫力の光景は、ある意味今しか見ることのできないレアな眺めです。
新国立競技場からほど近い場所に、人気セレクトショップ「ロンハーマン」と同ショップが手掛ける「RHカフェ」、少し進んだ先にはSNSでも話題の「キッピーズココクリーム」「デービットオットージュース」といったショップが続々登場。実は、アパレルのプレスルームやメディア関連の会社が集中しているこのエリア。おしゃれ業界に携わる人のアンテナにひっかかるような、こだわりのあるお店が集まっているのもダガヤサンドウが注目される大きな理由です。
THE MOTT HOUSE TOKYO / VEIN
千駄ヶ谷と北参道の真ん中ほど。花たちに彩られたグリーンの扉が目印の「THE MOTT HOUSE TOKYO/VEIN」は、ディレクターの柴田麻莉さんとフローリストの山口香織さんが店主を務める、アパレルとお花が同居するユニークなショップ。お互いの独立タイミングが重なったことをきっかけに、2016年11月にオープン。こだわり指向の大人たちがここでしか出会えないアイテムやお花を求めて足を運ぶ、隠れ家のようなお店です。
扉のすぐ先で出迎えてくれるのは、山口さんがセレクトした花たち。旬の花はもちろん、ユーカリの実やパイナップルの花など普段あまり見かけないマニアックな植物も並びます。自宅用はもちろん、周辺にオフィスが多いこともあり展示会用の装飾を注文されることも多いのだとか。お花を一輪から購入できるのもうれしいポイント。「日によって置いているものが違うので『今日はラブリーだね』『ちょっとダークだね』と、お花次第でお店の雰囲気がガラリと変わることもありますね(山口さん)」。
カラフルで、どこかノスタルジックな花たち。一輪一輪の個性的な姿は、眺めているだけで柔らかな気持ちになれる不思議な力を宿しています。ここでは、カメラをフィルムシミュレーションの『クラシッククローム』に設定し、射し込む光と花の重なりが生み出す陰影の美しさ、シックな店内の空気感を再現。花の撮影にはディテールまで写し撮れるマクロレンズ(XF60mmF2.4 R Macro)を使用。スクエアで切り取ることで、シンプルながらもアートのように洗練された1枚になりました。
お店の奥側は、柴田さんがディレクションを務めるショップ兼ショールーム。NYブランドでお仕事をしていたという経験を経て独立、『NYのインディペンデントブランドの窓口になれるようなお店を』と「THE MOTT HOUSE TOKYO」を立ち上げたそう。山口さんの装飾と併せて、デイリーウェアにパジャマ、アクセサリー、キャンドル、陶器などなど、他ではあまり手に取ることのできないブランドのアイテムが並びます。
「お店のコンセプトは、おうちのクローゼット。1ブランド・1カテゴリでアイテムをセレクトしています。メインは、NYの小さなインディペンデントブランド。たとえばこの陶器は、ブルックリンに工房を持っている女性陶芸家ヘレン・レヴィの作品。彼女はひとりで活動していて、あまり卸しなども積極的にやらずに自分の作りたいものを作るというスタイル。ファッション業界の人たちにすごく人気があって、デザイナーつながりで紹介してもらいました。ここに置いてあるものは、誰かの紹介で出会ったものが多いですね(柴田さん)」
一輪ごとに個性のある花と、作り手のスタイルが見えるアイテムたち。そのどれもが、強烈な存在感と寄り添うようなやさしさを持ち合わせた不思議な魅力に溢れていました。
Spot Information
ダガヤサンドウの路地
「THE MOTT HOUSE TOKYO/VEIN」をあとにして、北参道駅付近へ。明治通りに面し、原宿に程近いということもあって、千駄ヶ谷サイドよりは少しにぎやかな雰囲気。大使館やイタリアンやメキシカンといった異国情緒を感じさせるスポットも多く、昭和に建てられた独創的なビルやレトロ建築もチラホラ。SNS映えするようなスポットはひとまずスルーして、路地裏を覗きつつ周りをぐるりと見渡してみたら、ふと気が抜けちゃうユニークな写真が撮れました。
八屋
明治通りを渡り、少し入った路地の先。白い暖簾が涼しげな「八屋」は、昨年12月にオープンした日本茶スタンドカフェです。店名の「八」は、『茶摘み』という手遊び歌にも登場する「八十八夜」から。組子細工や家紋といった和のモチーフを現代風にアップデートしたスタイリッシュなお店でいただけるのは、「日本茶を新しい文化として現代に再構築」をコンセプトに考案された新感覚のドリンクメニュー。フォーマルな印象のある本格的なお茶を新しい視点でフランクに楽しめる、注目のスポットです。
数あるメニューのなかから、人気の「煎茶スムージー」と「果実炭酸冷茶」をオーダー。軽い口当たりながらもこっくりと濃厚な煎茶の旨味が凝縮された「煎茶スムージー」は、たっぷりトッピングされたクリームの甘みと煎茶の渋味との掛け合わせがクセになる大人味な一杯。見た目にも涼やかな「果実炭酸冷茶」は、例えるならサングリアの日本茶版。炭酸でお茶を割るのではなく、味わいを損なわないようお茶そのものに炭酸を含ませるのが「八屋」のこだわり。ストローで吸うと口に流れ込んでくるカップ底のゼリーの食感も楽しく、フルーツや炭酸の爽やかさとお茶本来のキレを同時に味わえる驚き満載の新感覚ドリンクです。
ここではカメラをVelvia(ビビッド)に設定し、柔らかな自然光を生かして撮影。あえて少し引いたアングルで撮影することで、ドリンクと一緒に壁面から伝わるお店のスタイルもしっかり納めました。
見た目にも美しい「果実炭酸冷茶」は、真上からスクエアでも撮影。ひんやり冷たくて甘酸っぱい果実の風味を思わせる、夏の一枚に。
なつかしいけど、あたらしい。そんなドリンクを味わいながら和みの時間に浸りつつ、世界中の人で賑わうであろう2年後のダガヤサンドウを想像してみるのでした。
Spot Information
2020年に向けて徐々に盛り上がりを見せているダガヤサンドウ。点在するこだわり満載のショップ巡りだけでなく、建設途中の国立競技場や路地裏のレトロ建築など、画になる風景を探し歩く楽しみもあるエリアです。カメラと一緒に、ぜひ散策してみませんか?
今回登場したカメラ
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
photo by 高見知香