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Tips 2021.12.17

【テーブルフォトテクニック vol.4】インテリアコーディネーター兼フォトグラファー・maruさんに学ぶ、自宅で雰囲気のあるテーブルフォトを撮るコツ

Vol.4:maru

X-T30 / Zeiss Touit 32mm F/1.8 /F2.0 /1/50秒 /ISO400
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

はじめまして。Maru(@maru_grt)と申します。福岡県生まれの東京育ち。現在は埼玉県で暮らしています。

不動産業、インテリアなどの暮らしにまつわる仕事をメインに、写真撮影もお仕事としています。
写真歴は約10年。もともとはフィルムカメラのみで撮影していましたが、好みの質感がデジタルでも表現できるようになったと感じてからは、少しずつXシリーズへと移行してきました。最近はその手軽さからデジタルカメラをメインで撮っています。

撮影しているものは主にテーブルフォトや植物、お部屋のインテリア写真などです。
その中でもテーブルフォトは日常が感じられて好きな被写体です。昨年まで勤務していたアンティークショップでは室内での商品撮りをたくさんさせていただき、時間帯で移り変わる光とにらめっこしながら被写体とじっくり向き合うというたくさんの学びと経験をさせていただきました。
その時使用していたカメラは『X-T2』です。そんな経験も活かしながら、難しいことはなるべく抜きにして、お部屋で写真を撮ることが楽しくなるようなアドバイスができたらいいなと思っています。

X-T30 /Zeiss Touit 32mm F/1.8 /F1.8 /1/60秒 /ISO2500
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

テーブルフォト撮影のポイント

室内でテーブルフォトを撮るための一番のポイントは“光”だと思っています。
簡単なようですがとても大切なことだと思うので、今回は光に絞ってお話させていただきたいと思います。

ポイント① 自然光を使う

写真を撮るために光はとても大切な要素です。より自然体な雰囲気、色味で撮るためには、蛍光灯や電球などのライトを使わずに自然光で撮影すると良いと思います。
ただ、室内だとどうしても自然光が届かない場所がありますよね。我が家のダイニングテーブルも自然光が届きづらい暗めの場所にあるので、窓際に撮影用の小さなサブテーブルを置き、そこで撮るようにしています。
商品撮影などの物撮りでは“その物の情報”をきちんと伝える必要があるのでフラッシュなどを使ってきっちりと撮ったりもしますが、テーブルフォトは暮らしぶりが伺えるような雰囲気写真が素敵だなと思うので、私は自然光で撮るということを大切にしています。

X-T30 /Zeiss Touit 32mm F/1.8 /F1.8 /1/50秒 /ISO250
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

ポイント② 光の向き

同じ被写体を撮るにしても、光の向きで写真の雰囲気はガラッと変わります。
覚えておきたい主な光の向きは『順光』『逆光』『半逆光』の3つです。
順光は太陽に背を向けて撮る方法。被写体は太陽を向いている状態で、集合写真などでよく使われる基本のパターンです。そのものに対して忠実に表現できる反面、雰囲気作りには少し欠ける気がします。

X-T30 /XF56㎜F1.2 R /F1.2 /1/100秒 /ISO160
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

これに対して『逆光』とは、太陽にカメラを向けて撮影する方法です。つまり被写体は太陽に背を向けていて真っ暗になりがちなので、私はほとんど使いません。
下の写真は同じ被写体を『半逆光』で撮っています。逆光より斜め少し前から撮っています。この位置からの光は質感が程よく分かり雰囲気も出るので、私はこの半逆光の光を一番よく使います。

X-T30 /XF56㎜F1.2 R /F3.2 /1/80秒 /ISO1000
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

光の向きを捉えるには慣れることが一番だと思います。そうして光を意識するようになるとお部屋の中に差し込む美しい光を発見するのが楽しみになってきたり、今まで気づかなかった光に気づけるようになり、素敵な写真が撮れるようになってくるので、光を意識することはとてもおすすめです。
そしてできれば同じ被写体をいろいろな方向から撮ってみる。これは写真の先生から教わったことですが、光を捉えるにはとてもよい勉強になり、今も実行していることです。

機材について

テーブルフォトで使用している機材は主に『X-T30』です。X-T2からの買い替えでX-T3と迷いましたが、趣味の登山に持っていくことも考えて、コンパクトですが安定感のあるX-T30にしました。フィルムカメラユーザーとしては、フィルムカメラのような軍艦部もお気に入り。また、見た目だけではなく、カメラ上部で露出やシャッタースピードなどをダイヤル操作で瞬時に変えられるのはとても便利です。フィルムシミュレーションはクラシッククロームを使用しています。

レンズは『XF56㎜F1.2 R』とCarl Zeiss 『Zeiss Touit 32mm F/1.8』を使用しています。
Touitは富士フイルムのXマウント用に作られたカールツァイスのレンズ。プラナーと呼ばれる柔らかな描写がお気に入りです。XF56㎜はF1.2と明るいレンズで、ボケが美しく暗い場所でも雰囲気良く写してくれる心強い相棒です。ただ56㎜は35mm判換算すると焦点距離85㎜と画角は狭いので、画角に慣れるまで時間がかかるかもしれません。
通常室内撮りをするのであれば、XF35mmF1.4 Rあたりがおすすめです。35mm判換算すると約53㎜と撮りやすい画角で、こちらもとても美しく目を惹かれる写りです。

X-T30 /Zeiss Touit 32mm F/1.8 /F1.8 /1/80秒 /ISO160
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

構図について

最後に構図のお話を少し。
テーブルフォト、特に食べ物などの食卓フォトは、動きが感じられる写真が好きです。例えば写真の枠に対して角度を付けて撮るとその場の空気感も感じられるような気がします。

X-T30 /Zeiss Touit 32mm F/1.8 /F1.8 /1/100秒 /ISO160
フィルムシミュレーション:クラシッククローム

角度を付けた写真に人の手が入るとより暮らしをイメージしやすくなり、躍動感も生まれます。そして少しはみ出し加減に撮る撮り方も、その先にも食卓の彩りが続いているようなワクワクしたイメージが持てるので、私は好きな撮り方です。また俯瞰写真といって真上から撮る写真もカッコよく撮ることができます。その時は低めのテーブルや味のある板などがあれば、椅子の上など高い所に上がらなくてもラクに撮ることができるのでおすすめですよ。まずはお家の中で光のあたるところを見つけて、光を意識して、いろいろな方向から撮ってみてください。
きっと新たな発見があるはずです。

Profile

maru

インテリアコーディネーター/フォトグラファー
福岡県出身、埼玉県在住。
不動産の仕事をしながらインテリアコーディネーター、写真撮影の仕事をこなす。
「家」という暮らしの礎の提案、インテリアのコーディネート、写真撮影と、トータルで寄り添えるような暮らしのスペシャリストを目指す。
リノベーションをした自宅を被写体とした室内フォト写真教室を現在準備中。
Instagram:@maru_grt

NU renovation コラム 「春夏秋冬の暮らしごと」連載中

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