【もしも企画 vol.4】フォトグラファーNana*× 富士フイルム『X-T5』〜暮らしに寄り添うカメラ〜
“もしあの写真家さんがX/GFXシリーズを使ったら、どんな世界観を創り上げるのだろう?” ーーそんな編集部の疑問を、写真家さんたちに投げかけてみたのが、この“もしも企画”。第4回は、テーブルフォトを中心に、暮らしのシーンを切り取った写真が人気を集めるNana*さん(@necozalenky_life)です。
はじめまして、Nana*です。
普段は静物写真をメインに撮影しています。
今回初めて富士フイルムのミラーレスカメラで撮影する機会をいただき、作例とともに使用感などをご紹介したいと思います。
お借りしたカメラは『X-T5』、レンズは『XF35mmF1.4 R』です。
私は普段、用途に合わせてカメラを使い分けていて、テーブルフォトはフルサイズミラーレス一眼、日常のスナップはフィルムカメラで撮ることがほとんどです。どちらも静物を対象とすることが多いので、出来上がった写真は見分けがつかないかもしれませんが、撮り方は全く異なります。スナップは目の前の光景を切り取るもの。テーブルフォトのように作り込んだり整えたりせず、一瞬の光を逃さないようにカメラに収めます。
今回『X-T5』をお借りしてまず感じたのは、フィルムカメラのような感覚で“日常を切り取る”のにとてもマッチしているということ。普段使っているフィルムカメラは、カメラもレンズもずっしりと重く、持ち歩くのが億劫になることもしばしばですが、『X-T5』はレンズを装着してもとても軽量で取り回し性が良く、家の中でも外でも気軽に撮影することができます。
日常の中には、朝の光、夕方の光、淹れたてのコーヒーの湯気など逃したくないシーンが沢山あります。『X-T5』のアナログ的なダイヤルはシンプルで分かりやすく、瞬時に設定を切り替えて撮影ができるので、一瞬の光を逃さずに済みますし、料理が冷める前に短時間で撮影することも可能です。
テーブルフォトは必ず三脚を使いますが、スナップは手持ちで。今回も主に手持ちで撮影しました。LCDが3方向チルト式なのも、あらゆるシーンに対応しやすく嬉しいポイントでした。
35mmのレンズは背景を含め、空気感ごと切り取るのに丁度良い画角。
こちらは、南向きの窓から光が降り注ぐ中でのコーヒータイムの一コマ。色被りしやすいシーンですが、AWB(オートホワイトバランス)を使用して、自然な色味に撮影できました。
センサーサイズはAPS-Cでありながら、想像していたよりもダイナミックレンジが広く、明暗差のあるシーンでもその場の光を再現してくれる様に感じました。
朝の光の中、俯瞰で朝食をとらえた一枚。実際に近い見た目に仕上げています。暗部を持ち上げてもノイズがそれほど気になりません。
フィルムシミュレーションも色々試してみましたが、ほんの少しの調整のみで自分らしい色合いを作り出せると感じました。「RAW現像に時間をかけるのはあまり好きではなく、なるべく簡単に済ませたいけれども、個性は大切にしたい」という、自分の我儘に応えてくれるように思いました。
特に気に入ったのはノスタルジックネガ。私は昔からミッドセンチュリーのデザインが好きで、インテリアもプロダクトも、20年ほどかけてコツコツ集めているのですが、今回写真に収めたものも、1950年代から1960年代にデザインされたものがほとんど。ノスタルジックネガがミッドセンチュリーのレトロモダンなテイストにマッチしていて、今回の写真はほとんどそれを使用しました。
ミッドセンチュリーらしいノスタルジックな色合いを生かしたいときにはノスタルジックネガ、コントラストが高くなるようなシーンではETERNAなど、シーンで使い分けられるのも良いですね。普段億劫だなと思いがちなRAW現像ですが、『X-T5』では調整が楽しくなるような感覚がありました。
被写体にフォーカスしたシンプルなカットですが、ガラスボトルの繊細なディテール表現に。温かみのある色調も相まってお気に入りの一枚。
お気に入りのヴィンテージテーブルウェアで楽しむ朝食時間。優れた機動性で、コーヒーやトーストが冷めないうちにサクッと撮影。
上の写真と同じ構図のまま、横3:2にトリミングしたもの。
40MPなのでこんな風にトリミングしても十分な解像度があるのが嬉しいですね。
レンズをつけたままコートのポケットに入るくらいコンパクトなカメラのため、深雪の中でも安心して持ち歩くことができました。
カラマツの森に急に霧が立ち込めてきて、咄嗟に撮影した一枚。
また、動画性能も見逃せません。一台で写真も動画も綺麗に撮影できるのは嬉しいですよね。ポケットに入るくらいのサイズ感なので気軽に持ち歩け、シーンを選ばずに使うことができます。『X-T5』は日常の光景を自由に切り取る楽しさを思い出させてくれるカメラでした。