意識するだけで写真が変わる!基本の構図5選〜Photoli’s Tips vol.1〜
皆さん、こんにちは。Photoli編集部の横尾 涼(@ryopg8_tabi)です。
Photoli(@ photoli_info)は、写真の楽しさをたくさんの人に広めることを目的に、写真を撮るコツや撮影のアイデアを発信しているメディアです。
今回から全5回にわたって、Photoliより意識すると少し写真が上手に撮れるようになるかも?というアイデアをお伝えしていきます!最後までぜひお付き合いください。
記念すべき第1回は、“構図”についてお話しします。
構図って?
みなさんは“構図”に対して、どのようなイメージがありますか?
「構図を意識すると写真が上手くなるらしい」とは聞いたことがあるけど、上手く実践できていない……という方や、「写真は好きに撮ればいいのに構図なんて必要あるの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
構図とは、写真を“バランスよく、きれいに”まとめるために意識するとよい配置のことです!
このシーンでは絶対にこの構図じゃないといけない!とか、写真を撮るときは絶対に構図を意識しなければいけない!とか、そんな強いルールがあるわけではありません。ですが、この構図に沿って配置してみると整理された写真になるよ、というものなんです。
構図を覚えることで、今まで撮っていた写真が整う、覚えた構図に沿っていつもは撮らなかったものを撮ってみる……それくらいの距離感で、構図と付き合ってみましょう!
今回は5つの構図をご紹介します。肩の力を抜いてご覧ください!
①『三分割構図』画面を3つに分けた線を基準に考えてみる
三分割構図は、写真を縦横に三分割した線の上に被写体を置くことで、安定感が得られるという構図です。
この構図を意識するシチュエーションは、被写体をどこに配置しようかと迷ったときです。三分割線を表示しながら撮影できるフレーミングガイドを活用すると、より撮りやすくなります。
被写体の配置に迷ったときには、この三分割構図か、次に紹介する日の丸構図を使ってみましょう!
縦写真で使うと、特に力を発揮します。左右は対称で、被写体は上下どちらかの三分割線上に配置。余白をたっぷりと使うとミニマルな写真になります。
三分割線上に配置するのが基本ですが、慣れてきたら三分割線で区切った9つの枠のどれかの中に配置してもバランスを取りやすいです。この写真では、下段のまんなかの枠内に猫がおさまるように撮影しています。
②『日の丸構図』画面の中心に被写体を置いてみる
日の丸構図は、写真の中心に被写体を配置する構図です。とりあえず被写体をまんなかに置いただけでしょ……と思いきや、実は奥深い構図なんです。
中心に被写体を置くことで、中心とそれ以外の対比になり、写真がシンプルになります。
日の丸構図を使うときは、どれくらいの余白を作るのかを考えながら撮ることが大切です。ちょっと遠くから被写体を見ているから余白は多めにしよう、被写体とは心の距離が近いからできるだけ近寄ってみよう……など。自分と被写体の距離感を考えることで、日の丸構図はその力を発揮します。
こちらの写真は、旅先で出会ったじゃれてくる猫です。しっぽをピンとたてて僕の周りを回っているのがかわいく、写真に残したくてシャッターを切りました。猫をいっぱいにうつすのではなく、あえて少し引いて撮ることでその場の状況込みで切り取れました。
旅先で出会った猿の集団。一番大きな猿がこちらを威嚇していました。少し離れて撮り、緊張感がある距離感と余白になりました。愛用している『GF80mmF1.7 R WR』は遠くから撮ってもしっかりボケを作ってくれるので、この距離感で印象的な写真を撮るのに活用しています。
複雑なことよりもシンプルなことが好きな自分に、一番あっていると感じる構図です。日の丸構図を引き立てるために、できるだけ背景に入る情報を減らそうと思っているくらいです。
三分割構図と日の丸構図は扱いやすいので、常に意識しながら写真を撮ってみましょう!
③『三角構図』三角を意識してどっしりとした安定感を
三角構図は、写真の中に三角形を入れる構図です。三角形の頂点が上を向くように配置するとどっしりとした安定感が生まれ、逆に頂点が下に向くと少しアンバランスな印象を与えます。
建物がそびえたっているときや道が遠くまで続いているときは、三角形の形に意識を向けてみましょう!どれくらい三角形を傾かせるか、どれくらい三角形の底辺部分を大きくするかなどを意識して写真を撮ります。
また、花がたくさんあるときは、三角形に見えるような角度を探すと印象的な写真になります。
建物や道以外にも“三角形にできそうセンサー”を常にはたらかせて景色を見てみましょう!
人を撮るときもシルエットを三角形として捉えると、写真の重心が下になって整理された印象になります。三分割構図や日の丸構図とくらべて登場頻度は多くないですが、意識すると新しい視点をもたらしてくれる構図です。
④『S字構図・C字構図』写真の中に曲線を効果的に入れこむ
S字構図、C字構図はその名の通り、写真の中にアルファベットの”S”や”C”を入れてバランスを取る構図です。曲線が多い状況を撮るときに活用しましょう。
波はいつも違う形で現れる、不思議だけど心惹かれる被写体の一つです。波が寄せる途中、引いていく途中で綺麗にS字が出るように意識して撮ります。何枚撮っても一枚とて同じ写真は生まれません。一度だけシャッターを切って一期一会を味わうのもよし、何回もシャッターを切ってその中から好みの波を見つけるのもよし、です。
被写体をみたときに直線と曲線を意識するくせをつけるのが、この構図を使いこなすための一歩目です。曲線をどう綺麗に見せるかを意識しましょう。
⑤『額縁構図』写真の中に枠をつくる
額縁構図は、写真の中に枠を作る構図です。”写真”という枠の中にもう一つ枠を作ることで、枠内がより強調されバランスの良い配置になります。
照明をつけていない屋内では、窓の外のほうが明るくなります。そのとき、部屋の中から外にカメラを向けてみてください。全体を少し暗めに撮ることで窓が額縁のようになり、窓の外の景色をより印象的にすることができます。
フェリーの窓を額縁に見立てました。ちょうど遠くに見えた小さな島が、真ん中に来るまで待って撮ったのを覚えています。ただ海を撮るのではなくフェリーの窓を通すことで、“フェリーに乗っていて出会った景色”という状況ごと切り取れた写真です。
この構図は窓だけではなく、木々などの自然にあるものや、門などの小さな建造物も額縁に見立てることができます。東屋の抜けにある桜が満開だったので、東屋の入り口を額に見立てました。「窓がないと額縁構図は撮れない」と思わずに、街を歩くときは、風景を切り取る”枠”がないかを意識してみましょう。
まとめ
5つの構図を紹介しました。これらの構図はあくまで、写真を撮るときのほんの一つの拠り所にすぎません。だけど構図を意識しながら撮ってみると、今までなんとなく撮っていた写真がよくなったり、普段シャッターを切らないようなところでシャッターを切りたくなるかもしれません。
5つの構図のうち、ひとつでも覚えておいて、次の撮影でぜひ試してみてほしいです。きっと新しい視点を得ることができると思います!
この記事によって、みなさんの写真生活がより充実したものになりますように!
次回は、“ボケを使いこなそう!いろんなボケとその作り方”についてお伝えします!お楽しみに!