富士フイルムの肌の色の良さと、シーンを選ばない『PROVIA/スタンダード』の魅力について〜コハラタケルvol.3〜
連載最後となる第3回は富士フイルムの“色”について話していきます。
富士フイルムといえば、やはりフィルムシミュレーション。実際にXシリーズ/GFXシリーズを買おうと検討している方も、フィルムシミュレーションに惹かれている人は多いのではないでしょうか。
IRODORIではこれまでに、フィルムシミュレーションについて書かれた記事があります。例えば、こちら。
僕が今回の記事で「フィルムシミュレーションの種類は……」とそれぞれの写真を見せても同じことになってしまうので、今回は僕自身が思うフィルムシミュレーションの魅力についてお話しさせていただきます。
『FUJIFILM Imaging Plaza』の展示写真でも発揮された『PROVIA/スタンダード』の魅力
これまでに何度も展示会をしたことはありますが、自分がデジタル画面で見ている写真と実際プリントされた写真の色味について、違和感を覚えることはほとんどありませんでした。
僕にとっては当たり前の感覚だったのですが、「プリントすると色が変わっちゃって……」という話を耳にすることがあります。
2022年の4月〜6月、『FUJIFILM Imaging Plaza』東京/大阪の2会場で高橋伸哉さんと一緒に展示(『高橋伸哉、コハラタケル2人展』)をさせていただきました。
このとき『FUJIFILM Imaging Plaza』にいる富士フイルムのスタッフさんと何度かお話しさせてもらう機会があったのですが、富士フイルムのカメラはプリントすることを前提として色作りをしている、ということを聞きました。
僕はその話を聞いたとき「なるほど。だからXシリーズ/GFXシリーズで撮影した写真はプリントしても違和感を感じることが少なかったんだ」と思いました。
『FUJIFILM Imaging Plaza』での展示作品は全部で12点だったのですが、Lightroom CCでRAW現像する際、すべて『PROVIA/スタンダード』を選択しています。
例えば、こちらの写真。
Lightroom CCのプロファイルを『PROVIA/スタンダード』に設定。それ以外は露光量やコントラストしか調整していません。実際の現像画面がこちらです。
上の画面に見えていない部分であるトーンカーブやHSLは数値を変えず、そのままです。シャドウに緑が入っているほうが好きなので、キャリブレーションの色かぶり補正(シャドウ)だけをマイナス3にしています。そのほかは粒子を少し足すぐらいでした。
撮影時は『クラシッククローム』、RAW現像は『PROVIA/スタンダード』
僕は撮影するときは『クラシッククローム』を選択することが9割以上なのですが、Lightroom CCでRAW現像するときに選ぶのは『PROVIA/スタンダード』なんです。
「どうして撮るときと現像で変えるのですか?」と気になる人もいると思うのですが、Xシリーズ/GFXシリーズのモニターで見る『クラシッククローム』の色味が好きなんですよね。
僕はスナップを撮ることも多いので、空の色や植物の色も気にするのですが、とくにこの2つに関しては『クラシッククローム』で見る色味が気に入っています。
また、『クラシッククローム』は彩度が低く、『PROVIA/スタンダード』と比べて硬い表現を得意としています。スナップでは構造物を撮ることも多いため、硬い表現が合います。このように全体のバランスを考えて、撮影時は『クラシッククローム』に設定して撮っているんです。
しかし、Lightroom CCでRAW現像するときは異なります。とくにポートレート写真で気にするのは肌の色です。
撮るシーンや色温度にもよるのですが、Lightroom CCでRAW現像するときにプロファイルを『クラシッククローム』にすると「ちょっと肌の色が白すぎるかな」と思うときがあります。
次の写真は左が『クラシッククローム』、右が『PROVIA/スタンダード』です。
どちらも同じ現像で、プロファイルだけを変更しています。
『PROVIA/スタンダード』はなんと言っても肌の色が良いです。富士フイルムは基本的に肌の色が良いと思うのですが、なかでも『PROVIA/スタンダード』で映り出された肌の色の良さは群を抜いていると思います。
先ほども話したように『クラシッククローム』は『PROVIA/スタンダード』に比べると彩度が低く硬い表現のため、肌の色や肌のやわらかい質感を出したいと思ったときは『PROVIA/スタンダード』のほうがおすすめです。
次はLightroom CCに標準装備されているプロファイル Adobeカラーと比べてみましょう。
左の写真がAdobeカラー。右の写真が『PROVIA/スタンダード』です。
Adobeカラーのほうは彩度が低いこともあって、『クラシッククローム』と似たような乾いた雰囲気があります。対して『PROVIA/スタンダード』はAdobeカラーに比べると彩度が高く、落ち着いた印象を受けます。
富士フイルムはベースの色づくりの時点で良いことがよくわかります。
肝心な肌の色ですが、やはり僕は『PROVIA/スタンダード』のほうが好きです。肌の色に関しては好みもありますし、Adobeカラーは乾いた印象があると言いましたが、これを良しと捉える人もいるでしょう。
他の写真も見てみましょう。
どうでしょうか。この微妙な違い、わかりますでしょうか? 本当はこれを読んでくれている皆さん自身が撮影した写真で、違いを見て欲しいというのが正直なところです。
ただ、ポートレート写真を撮った経験がある人ならわかると思うのですが、肌の色の調整って細かいところにこだわるし、ちょっと全体の色を変えるだけでも納得いかないときがありませんか?
フィルムシミュレーションのスタンダードモードである『PROVIA/スタンダード』は、発色も良く、肌の色と全体のバランスが良いです。展示作品をすべて『PROVIA/スタンダード』にした理由もバランスの良さからでした。北は北海道、南は沖縄。撮影している場所も被写体もバラバラでしたが、『PROVIA/スタンダード』はすべてのシーンでうまく調整してくれました。
まとめ
・フィルムシミュレーションは撮影時だけでなくRAW現像でも使える
・スナップは彩度が低く、硬い表現の『クラシッククローム』がおすすめ
・スタンダードモードである『PROVIA/スタンダード』はどのシーンでも◎
3回に分けてお伝えしたコラム記事もこれにて終わりです。
最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。またお会いしましょう!
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