“瞬きをするようにシャッターを切ろう。「X-T2」とともに夏の夜を歩く”- 写真家・渡邉真弓
カメラを始めてから日々の暮らしがすこし変わった。
行き帰りの道に咲く花が可愛かったり、空は毎日同じではないこと。
ファインダーを通してみる私の世界は、ささやかな発見の連続だ。
仕事が終わった帰り道で、
誰かを待ちながら窓の向こうで、
ひたひたと夜が静かに訪れる時間が好きだ。
空が青からオレンジに染まりそして漆黒になる。
満点の星空に息をのんでみたり、
まだまだ続く喧騒の中に身を置いてみたり。
自分の居場所によって夜は感じ方が違う。
街の、そう街の中にいると、夜は漆黒ではない。
とても光にあふれている。
うだるような暑さをすこしだけ横によけて、
気持ちの良い風とともに、光を掴まえに出かけよう。
夜の光といえば、街灯り。
光につられて気になるお店を覗いてみたり。
あ、ここはゆっくり本が読めそうだ、とか、
おいしそうなものがたくさんだからみんなで一緒に来たいな、とか
楽しい想像をしながら歩く。
夜の光といえば、街灯もそのひとつ。
左右の壁に映りこむ色が違って面白い。
夜をみつめる花。
この花の前ではどんな夜がひろがるのだろう。
しんとした路地裏の向こうに、今日を惜しむようにキラキラとした時間が続く。
店先から漏れた光が植木に夜のグラデーションを落とす。
店先から漏れる灯りが夜に表情をつけてくれる。
光とシルエットのハーモニー。
ショーウィンドーに映りこむ街の灯りも、夜ならでは。
ヘッドライトに照らされ、風に揺れながら咲き誇る。
タチアオイは今がちょうど満開の時期。
ゆらゆらと揺れる光の美しさ。
のんびり夜風に吹かれながら、そのニュアンスを楽しむ。
BGMは短い夏を楽しむ人々の声。
日中のキラキラとはまた違う、夜ならではの時間。
見慣れた街の景色も、時間が変わるだけで、全く違う顔が見える。
さあ、今日も出かけよう。
お気に入りのカメラ「X-T2」を持って。
撮影MEMO
・今回のお供は X-T2+XF35mmF1.4 R。(※1枚だけXF23mmF2 R WR)
・明るいレンズなので夜スナップも楽々。
・ISOを高感度にして手持ちで撮影。ノイズは気になりません。
・3方向チルト式TFTカラー液晶モニターが撮影のバリエーションを豊かにしてくれる。
・フィルムシミュレーションモードは夜に自分らしいニュアンスをプラスするのに欠かせない。ACROSもおススメ。
・夜スナップ、楽しいのでぜひみなさんも撮影してみてください!
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