日々を彩る花に惹かれて、寄り添って。mei vol.3〜住まいを飾る花との暮らし〜
こんにちは。mei(@4_adiantum7)と申します。
連載最後となる今回は、一番身近な空間、“住まいを飾る花との暮らし”に焦点をあててみようと思います。
今回お供に選んだレンズは、『XF35mmF1.4R』。
見たままに近い画角と、美しいボケ味が魅力的なこのレンズ。穏やかな日常の一コマに、そっと寄り添ってくれそうです。
花のある暮らし
元より花が大好きな私ですが、住まいの中に花を取り入れだしたのは去年の春頃からで、最近のこと。
コロナウイルスの蔓延により、家に籠る時間が突然に増え、これまで毎週のように外に繰り出しては花を撮り歩いていた日々からの反動で、とにかく花や緑が恋しくなったのを覚えています。
そんなご時世の中、珍しい花やお洒落な花の通販サービスが一気に充実し出したのは本当に嬉しいことでした。近くにお洒落な花屋さんが無くても、色んな種類の花が元気なまま手元に届くなんて夢のよう。今やすっかり部屋に花を飾るのが習慣になって、その時の気分で色んなお店の花を注文しています。
この日飾った花は薄ピンクのトルコキキョウとスターチスに千日紅(センニチコウ)。
この組み合わせはどれも花持ちの良い子達で、しっかりと楽しんだ後はドライフラワーにすることに。部屋に花が吊るされているのを見ると、なんだかお洒落な雑貨屋さんの気分になれて楽しいんです。
花をいけることが習慣になってからはこんな調子でどんどんとドライフラワーが増えています。この写真に写っているブーケやスワッグはどれも部屋でいけていたものを自分でドライフラワーにし束ねたもので、お気に入り。
束ねずに無造作に空き瓶に挿してみたり、シードボトルに詰めるのも可愛いんです。
春に迎えた爽やかなミモザとユーカリは、初めて自分でスワッグにしたもので1番思い入れが深いもの。今ではすっかりシックな色合いになりました。この色褪せ具合も個人的には堪りませんが、そろそろお別れのタイミングな気がしています。また次の春に新しいミモザを迎えるのが楽しみです。
とある朝を飾る花たち
花と共に迎える朝というのはなんとも心地いいもの。花を飾るようになって、特に休日は花を楽しみながらのんびり朝ごはんを食べる時間が至福のひと時です。
部屋に差し込む朝日で少し日向ぼっこさせる時間も好きな時間のひとつ。あまり直接日差しに当てすぎない方がいいらしいので、少しの間だけ。床に写る花と葉の影が可愛らしく、それが見たくて晴れた日の朝はいそいそと窓辺へ花を移します。
お花達の短い日向ぼっこを終え、朝ごはんにします。この日に用意していたのは、とっっても楽しみにしていた金木犀のジャム。
透明なジャムに小さな金木犀の花がたゆたっています。繊細で美しくて、なんだか食べるのが勿体ないくらい。
焼きたてのトーストにジャムを乗せ、花達を机に戻し、花柄のランチョンマットに紫陽花の花弁を模した豆皿も用意して、テーブルの上は花尽くし。大好きなものを詰め込んだ空間に、心が躍ります。
少し寄ってみました。なんて可愛いの……。
色も鮮やかなままで、本当にトーストの上に金木犀の花が咲いているみたいです。
目でもしっかり楽しみ、早速いただきます。
香ばしいトーストの香りと共に、この季節には誰も彼もを虜にしてやまない甘くて優しい香りが仄かに広がります……美味しい。なんとも贅沢な朝を過ごすことが出来ました。
午後を共にする花たち
さて、午後はのんびりとティータイムを楽しむことに。花がブレンドされたお茶3種を選んで用意してみました。
ラベンダーに癒されるルイボスティーに、バラが散るダージリン、コーンフラワーの青が目を惹くアールグレイはどれも見た目にも可愛らしく、味も香りも華やかで、休日の為のとっておきです。
午後のテーブルにもお気に入りを詰め込もうと、色違いで揃えたカップに、大好きなお店の焼き菓子、ドライフラワーやお菓子の型、ヴィンテージの植物画をいっぱいに並べてみました。
このカップ、外側はくすんだ色と金彩で落ち着いた雰囲気もお気に入りですが、特に内側描かれた繊細で華やかな花や蝶が魅力的なんです。紅茶を注いでもそれが透けて見えるのが可愛らしくて、お茶の時間をとびきり楽しくしてくれます。
花も、花をモチーフにした小物達も眺めているだけで幸せで、ついついコレクションが増えてしまいます……。
中でもカップと並んで特に集めているのは、先程から写真の背景に覗いているヴィンテージの植物画。雑貨屋さんや古本市で少しずつ買い集めています。
百年以上前の図鑑がこんなにも綺麗に残っている、花をこよなく愛してきた人達の証が私の手の中にある。そのことを思うとなんとも感慨深く、胸が高鳴ります。この本のように、私の写真達も花を愛する人の心に届いていくといいな、なんて。
これからも花と共に
今回の連載では、旅先で出逢う花、道端で出逢う花、住まいを飾る花、それぞれ異なる距離感の花達との記録を見つめてきました。
四季の移ろいを感じ、何気ない景色にときめきを感じ、心地良い空間を楽しむ為に、花の存在は一際大きいもの。そして花そのものの造形、佇まい、色、香り、味といった様々な要素を愛でる時間は、常に心を癒してくれる。花との関わりは私にとっていつでも、どこに居ても欠かす事の出来ないものだと改めて感じる機会になりました。
これからも常に花に寄り添いながら、日々を過ごして穏やかに写していけたらと思います。
少しでも私の写真と言葉から花の魅力が伝えられたことを願って。またいつか。