【Xシリーズユーザーインタビュー】“欲しい”が叶う、異能にして至高の一台。monograph編集長・堀口英剛と『X-T4』
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40万人の読者を持つ、一人暮らしモノメディア『monograph』編集長の堀口英剛さん。自身が設立した株式会社ドリップの代表を務める傍ら、ライフスタイル全般にまつわるモノゴトを独自の視点でレコメンドする動画をYouTubeチャンネルで毎日配信するインフルエンサーとして活動中。その支持率の高さは、チャンネル登録者数8.9万人という数字にも表れています。そんな堀口さんが現在撮影に使用しているのが、X-Tシリーズの最新機種・X-T4。今回は「ここまで必要な機能が揃っているカメラは今のところ他にない」と言い切るほどに信頼を寄せるX-T4の魅力を動画撮影という用途にフォーカスして語っていただきました。
Interview:堀口 英剛
--まずは、堀口さんのご経歴について教えていただけますか?
もともとは、日用品やガジェットを紹介するブログを仕事と並行して書いていました。独立して会社を立ち上げたのが2017年。今は、インフルエンサー的な方たちと一緒に商品を企画・開発して販売する、株式会社ドリップの代表を務めています。
--動画での発信を本格的に始められたのが、1年半ほど前とのこと。ご自身の配信動画でも「動画を始めたタイミングでX-T4を購入した」と語っていらっしゃいましたね。
はい。それまでブログの写真撮影で他社のカメラを使っていたんですけど、動画を撮るとなったときに、同じカメラをそのまま使い続けることがなかなか厳しいと感じて。具体的な例を挙げると、バリアングル機能がないとかAF機能が弱いとか。そこからまた別に動画用のカメラを買ったんですけど、次は充電がもたなかったり。
--裏を返せば、そういった動画撮影に求める機能を網羅していたのが、X-T4だったと。実際に、X-T4のどんな機能が役立っていますか?
バリアングルはもちろんですが、『X-T4』は手ブレ補正がめちゃめちゃ強力なので、動画のときには本当に役立ちます。手持ちで自撮り棒をつけたくらいでもすごくいい映像が撮れるんです。最近はV-LOGにも使っていて。バリアングルで撮れるしカメラ自体がそんなに大きくないので、手持ちでも撮りやすいんです。動画向きのカメラって、基本的にサイズが大きいので、室内で三脚を使って撮る分にはいいんですけど、V-LOGみたいに手持ちで使うのはちょっと厳しいところがあって。その点、手持ちで自撮りとか人の表情を撮れるというのはすごいと思います。
--撮影のシチュエーションが限定されないぶん、発信する内容も広がりますね。
それと、とにかく動画精度がすごくて、4Kの30pや60pでも10bitの撮影が内部記録出来るんですよね。10bitだと動画の編集範囲がすごく広がるんです。その機能が搭載されているカメラはこれまで他社にもなかったので、いち早く取り入れたのはすごいことだと思います。そして、フィルムシミュレーション機能。これまでは撮影後に補正をかけていたんですけど、それが結構手間で。写真と比べて動画は同じカットでも光の当たり具合で色みが変わってきちゃったりするので、補正箇所が多くなってしまうんです。これまではその作業に時間を取られていたんですけど、X-T4で撮った動画は撮影した時点で色みが完成されてしまっているので、改めて補正しなくてもいいじゃん!って。今までと比べて、動画編集の手間も時間もすごく省けました。
--ちなみに、動画公開までのプロセスは?
朝プロットを考えて、30分から1時間くらいで動画を撮ります。10時から18時くらいまでは会社で働いて、そのあと家かカフェで編集を一時間くらいやって、20時30分から23時くらいまでに動画をアップする--というのを毎日やっています。
--編集の手間が省けることは、動画自体のクオリティやパフォーマンスに関わりますか?
そうですね。やっぱり本数を出すことも大事だと思っているので、手間を省いてくれて、かつクオリティも担保してくれるのは本当にありがたいです。このX-T4は本当に動画をちゃんと撮っている人が考えて作ってくださったんだろうなと思える機能がたくさんあります。たとえば、静止画/動画の切り替えなんかもそうで、サムネイル用の写真と併せて動画も撮るっていう時にこれまではそれぞれのモードで設定をし直さなくちゃいけなかったんですけど、X-T4はワンタッチで切り替えられるんです。そこが本当に素晴らしくて。これは動画を撮っている人じゃないと気づかないポイントなんじゃないかなと思います。
--先ほどフィルムシミュレーションのお話が出ましたが、堀口さんはたくさんのシミュレーションのなかから動画に合うものをどう見つけましたか?
結構いろいろ試したんですけど、僕の場合は<PROVIA/スタンダード>が合っているかなと。というのも、僕の場合はブツ撮り以外にカメラの前で話すことも多くて、そのときに肌の色が一番きれいに見えるのが<PROVIA/スタンダード>や<ASTIA/ソフト>なんですよね。そこも今まで課題としていたところで、他社のカメラは肌の色みがきれいに見えづらいし、日本人の肌に合わないなと感じていたんです。肌をきれいに見せるというのは富士フイルムさんが得意としているところだし、それが動画でもちゃんと再現されているのは、富士フイルムさんのこれまでの技術の積み重ねがあってのことだと、すごく感じます。
--ここまでは撮影機器としての実質的なポイントを語ってくださいましたが、モノにこだわる方の視点でX-T4の魅力を語るとすれば、どんなところでしょうか?
まず、デザインがすごくいいので、持っていて気分が上がるっていうところは大きいですね。クラシックなダイヤル式の操作系も見た目のデザインとして活かしつつ、そこを動画撮影にも適したかたちにアップデートしてくれたっていうのはすごく嬉しくて。富士フイルムさんは本当にこだわりが強いブランドですよね。X-Proシリーズなんかが顕著ですけど、“写真を撮る喜び”みたいなところを追求していて。そんななかで、X-T4はすごくバランスを取った機種だなって思います。これまでの富士フイルムらしさを少し崩してでも、かなり動画のユーザーにも寄ってくれたなと。そんなところも含めて、すごく好きなんです。
--そこは、富士フイルムのものづくりの姿勢にも係るお話だと思います。堀口さんのモノ選びには、そのモノ自体のストーリーや企業理念なども加味されていますか?
日用品や雑貨とかはできれば背景やストーリーがあるものがいいなと思っているんですけれど、ガジェットや電化製品はフラットに見ようと思っていて。というのも、そういったものに関しては、企業理念が機能として表れているべきだと思うんです。いくら信念があっても、それが機能として落とし込まれていなければ、それはちょっと違うんじゃないかと。カメラもいろいろ試しているなかで、富士フイルムさんはフィロソフィーがしっかりあって、それがカメラで体現されていると感じています。
X-T4は、その一本通った芯から外れない範囲でようやく作ってくれた、動画撮影向きのカメラだと思ったんです。突然新しいアプローチをするのではなくて、あくまでも今までの流れのなかでこういうカメラを出してくれた。そこがやっぱり良いところだなと思っています。
--お話からは、“自分にとってベストなカメラをつくってくれた企業への信頼”を感じます。
周りのX-T4持っている人とも「こんないいカメラは他にない」っていう話になります。でも、それ以外のカメラ仲間と話すと、そもそもX-T4の存在自体を知らないっていう人も多いんです。動画を始めようと思っている人は、既に活動している人の動画を参考にするし、その人が使っているカメラを使いますよね。写真という面での富士ファンは多くいますけど、Xシリーズで動画を撮っているっていう人は、まだ圧倒的に少ないと思います。
--X-T4ユーザー、増えて欲しいですか?
僕としては、めちゃめちゃ増えてほしいですね。これから先、動画部分の性能の向上のためには、動画ユーザーが増えることが絶対条件だと思うので。だから、勧めていきたいっていうのもあります。このカメラで本格的な映像制作をする人がもっと増えるべきだし、ここまで必要な機能が揃っているカメラは今のところ他にないので。だから最初の一台としてもオススメしたいです。使いこなすまでにハードルの高いカメラがたくさんあるなか、X-T4なら初心者でもいい画が撮れちゃうんですよね。これから動画を撮ってみようと思っている人が僕の動画をきっかけにX-T4を知る可能性があると思ってやっているので、今後ももっとたくさんの方が観てくださるように発信していきたいです。
text by 野中ミサキ(NaNo.works)
Photo by コハラタケル