フィルムシミュレーション『クラシッククローム』で撮るベストショット〜コハラタケル・茶々・平井裕士〜
Xシリーズを愛用しているフォトグラファーさんに、各フィルムシミュレーションで撮影したベストショット2枚と、そのフィルムシミュレーションに感じている魅力や自身の想いをご紹介していただく本企画。今回は、かための階調と彩度の低さが特徴で、仕上がりに個性を生み出せるフィルムシミュレーション『クラシッククローム』について、コハラタケルさん(@takerukohara_sono1)、茶々さん(@kissa_chachaya)、平井裕士さん(@yuji87)に語っていただきました。
クラシッククローム①:コハラタケル
今回、ベストショットを選んでくださいと言われましたが、そうするとついつい意気込んでしまいます。でも、本当のベストショットって実は何も考えることなく「なんか良いな」と思ってシャッターを切ったときなのではないか。そうすると道中で撮影した何気ない写真のほうが良いなと感じることがあります。写真は仕事の撮影で北海道へ行ったときのもの。雪が大好きで、何度もシャッターを切りました。
こちらは大阪へ旅行に行ったときの写真。カメラは『X-Pro2』。昔から広角レンズが好きで、このときはフジノンレンズ 『XF16mmF1.4 R WR』で撮りました。今は慣れたのですが、僕はビビットなカラーよりもファインダーを覗いている時点では彩度が低い状態のほうが撮りやすいです。発色を抑え、落ち着いた色合いのクラシッククロームは、まさにそんな自分に合っているフィルムシミュレーションです。
クラシッククローム②:茶々
旅行やふらっと出かける際、『X100V』 だけを持って行くことが多いです。
心惹かれる瞬間や景色を、印象的に残してくれるのがクラシッククローム。
こちらの写真は 12 月に東京へ向かう際、飛行機から撮影したものです。 搭乗する時は雪が降っていましたが、雲の上は晴れて青空が広がっていました。 一面に広がる雲の上にちょこんととんがり帽子のような雲が乗っており、それが可愛くて写真に収めました。
クラシッククロームで撮る空のグラデーションがとても好きです。立体感もしっかりと表現されています。
こちらは友人が新しく買ったスニーカー。
社会人になってから大学時代の友人たちと久しぶりに泊まりがけのプチ旅行をした際、ホテル内で撮影したものです。 朝目覚めてカーテンを開けたら良い光が差し込み、ちょうどよく友人の可愛いスニーカーがあったので思わずシャッターを切りました。光を入れるとどこか懐かしい雰囲気に。
こういった何気ない日常の一コマを印象的に残してくれるクラシッククロームが、私がXシリーズを使う一番の理由になっています。
Profile
クラシッククローム③:平井裕士
クラシッククロームは、普段気にならないような風景でも、ファインダーを覗くと撮りたくなるフィルムシミュレーション。撮れる写真の可能性を広げてくれます。ボクが初めて買った富士フイルムのカメラ『X-T10』でクラシッククロームに魅了され使い始めました。フィルムシミュレーションを使う醍醐味は、撮影時の気分を盛り上げてくれることだと思っています。
こちらの写真は、陽射しが強かったのと、被写体が賑やかな色をしているので、少し落ち着いた印象にしたくクラシッククロームで撮影しました。たくさんの色が写っていますがクラシッククロームの深みのある色合いにより、ずっと眺めていても目がチカチカしない仕上がりに。また、ハイライトをマイナスにすることで、視線が明るい部分に引っ張られないように意識しています。全体をフラットに見て楽しんでもらえたら嬉しいです。
こちらの写真は、ゲリラ豪雨の様子。都市風景のような無機物は、クールな印象に仕上げたかったのでクラシッククロームを選びました。中央の雨が降っている領域の左側から光が当たっており、右側は影になっています。階調が柔らかくなる特長が効果的に作用して印象的な写真が撮れました。