フジノンレンズ『XF35mmF1.4 R』× 存在感や表情を捉えるポートレート〜Yuma Takatsuki vol.2〜
こんにちは、フォトグラファーのYuma Takatsuki(@yu_umaa06)です。
長年愛用している富士フイルムのレンズについて、僕なりの視点でシチュエーションに合わせた使用感や撮影ポイントなどを書いていくこの連載シリーズ。全3回のうち第2回となる今回のレンズは、『XF35mmF1.4 R』です。
vol.2:XF35mmF1.4 R
『XF35mmF1.4 R』は富士フイルムユーザーなら一度は使ってみたいと思うレンズの一つかなと思います。このレンズは”神レンズ”とも言われているように、2012年の発売以来、その描写の虜になっている方は多いのではないでしょうか。
僕が『XF35mmF1.4 R』を使用するときは、「この景色と撮りたい」、「きっちり決めた表情を撮りたい」など腰を据えて撮影するときが多いです。今回のポイントは”作品性”と”距離感”です。
撮影ポイント① 奥行きのある背景でモデルの存在感を出す
第一回でもお伝えしましたが、僕は季節のものとモデルさんを一緒に撮影することが多いです。『XF35mmF1.4 R』はピント面はカリッと、ボケ感はふわっとします。この特徴的なボケ感や描写を活かすために、奥行き感がある場所を背景によく使用します。そうすることでモデルさんの立体感を出しつつ、背景の情報もしっかりと入れることができ、”作品性”を出すことができます。
このとき意識することは、撮りたい風景とモデルさんの位置をしっかりと決めることです。最初に自分の撮りたい風景を見つけることから始めます。次にモデルさんにどこにいてもらいたいか、どのような体勢がいいかなどを考えます。
何点か上記のポイントがわかるような写真をご紹介します。
こちらの写真は花火大会の写真ですが、モデルさんの奥一面に花火が上がることがわかっていたので、画角の全体に花火が広がる位置にモデルさんに立ってもらいました。
紅葉の時期は、落葉も構図の中に入れ込んで、上下を紅葉で挟むと季節感をより出すことができます。こちらの写真は紅葉の影が壁に落ちる位置にモデルさんに立ってもらい、足を出すポージングをしてもらうことでモデルさんの存在感を強調しました。
他の作例もご紹介します。
撮影ポイント② 光源を考えモデルの表情を捉える
次に『XF35mmF1.4 R』を使う場面として多いのは、モデルさんの表情がわかる”距離感”で撮影するときです。撮影ポイント①で書いたことも意識しつつも、よりモデルさんの存在感や表情にフォーカスしています。
このとき意識していることは距離感に加え、光源の向きや強さです。
こちらの桜の写真は、あえて強い順光下で撮影することにより、モデルさんの顔をはっきりと写しています。また、背景の桜にも光が当たる位置で撮影し、ボケさせても桜の存在感が薄れることがないように、モデルさんとのバランスを意識して撮影しています。
こちらの花火の写真は、花火の光がモデルさんの表情を照らすことで光源の少ない夜のシチュエーションでも、モデルさんの笑顔を逃さず撮影できています。このとき背景の玉ボケや、水面に当たる光も写すことでより印象的な雰囲気になります。
他の作例もご紹介します。
最後に
いかがでしたでしょうか? 少しでも『XF35mmF1.4 R』を使う際の参考になれば幸いです。
次回は『XF33mmF1.4 R LM WR』と『XF56mmF1.2 R WR』をテーマに撮影ポイントなどを書いていくので楽しみにしていてください。少しだけそれらのレンズと『X-T5』で撮り下ろした写真を紹介します。
それでは次回の記事でお会いしましょう。 最後まで読んでいただきありがとうございました。