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Tips 2021.06.22

写真家・Mizukiさんの“自分らしい写真”を見つけるまで

カメラが手に馴染むようになってくるころ、おそらく多くの人が考えるのは“自分らしさをどう表現するか”ということではないでしょうか。現在プロとして活躍されているフォトグラファーの方々も、きっと「これだ!」というかたちに出会うまでは紆余曲折があったはず。そこで、IRODORIではXシリーズを愛用しているフォトグラファーの方々の“自分らしい写真”に出会うまでのストーリーやそれを叶える機材・設定などを詳しく綴っていただきます。第9回目は写真家のMizuki(@tm.9729)さんです。

Vol.9:Mizuki

はじめまして、Mizukiといいます。大阪出身で主に大阪・京都の風景写真を撮っています。カメラを始めてから約3年になります。

祖父がカメラを趣味にしていたということもあり、幼い頃から身の回りにカメラがある環境で育ちました。祖父が持っていたのは他社の一眼レフ機だったのですが、たまにそのカメラを借りて京都に写真を撮りに行っていました。しかし、その頃は特に知識もなく、ただ単に撮るだけというスタンスでした。

2017年頃、僕は初めて自分のカメラを購入しました。撮影したものはInstagramに投稿し、その過程で自分の好きな系統が定まっていきました。同時に他のフォトグラファーさんが撮る写真の中で「好きだな」と思うものは、すべて富士フイルムのカメラで撮影されたものでした。それが、僕の“富士フイルムのXシリーズを買うきっかけ”になりました。

憧れの写真家さんの研究をすることから始めた

僕の写真のルーツはInstagramです。Instagramを始めた当初からよく拝見していたのは、保井さん(@_tuck4)とTetsuさん(@tetsu6o6)です。僕はこのお二方の写真からすごく影響を受け、Xシリーズのカメラを購入するまでに至りました。さらに、撮影場所や撮影機材、色味なども研究するようになりました。

X-T1 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:4.0 /シャッタースピード1/125 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

ただ、同じカメラ・レンズを使用していても、同じような写真は撮れないし、ましてや“自分らしい写真”を撮ることはできないという事実に気が付き、そこから撮影・編集の知識を増やしていくことになります。

X-T2 /XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS /F値:8.0 /シャッタースピード1/100 /フィルムシミュレーション:クラシッククローム

行き着いた答えは“色味調整は二段工程を行う”

僕はあまりテーマを決めずに撮ることが多く、その時その時の自分の視点に任せて撮っています。
ストリート系や風景、寺社・仏閣なども撮ります。とにかく自分が良いなと思うものは撮影するタイプです(笑)

X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS /F値:6.4 /シャッタースピード1/640 /フィルムシミュレーション:PROVIA

また、撮影と同じくらいにRAW現像が好きで、レタッチをしたいがために写真を撮っているのかとたまに思ってしまうくらいです。レタッチすることで自分の理想の色味に近づけることができ、それが自分にとっての写真の楽しみ方の一つでもあります。

X-T2 /XF10-24mmF4 R OIS /F値:9.0 /シャッタースピード1/160 /フィルムシミュレーション:PROVIA

自分らしいトーン・色味とはなんだろうと悩んだ末に行き着いた答えが“トーンを調整して一度JPEGに書き出し、それに対して色味の調整をする”という二段工程を行うことでした。この作業を行うことで思い通りのトーンの作成が可能になりました。

具体的には、RAWで撮影したデータに一旦フィルムシミュレーションを乗せ、ハイライト・シャドウなどのパラメーターを調整してJPEGに書き出します。(この際、HSLなどの色味に関するパラメーターはいじりません。)次に、書き出したJPEGに対して色味の調整を行います。なぜこの段階で色味を調整するかと言うと、個人的な感覚なのですがRAWデータにフィルムシミュレーションを乗せたものを色味調整してしまうと、フィルムシミュレーションの色味が崩れてしまっているのではないかと感じることがあるからです。僕はあくまで“富士フイルムの色を活かしてレタッチすること”を意識していますので、この方法をとっています。

X-T2 / XF10-24mmF4 R OIS /F値:4.0 /シャッタースピード1/125 /フィルムシミュレーション:PROVIA

自分の理想を追い求めた結果、『X-T2』を使うことに

今使っている『X-T2』というカメラは見た目・操作性・持ち運びやすさ・色味のすべてにおいて僕の心を掴みました。ボディのシルエットや軍艦部のかっこよさは世にある他のカメラと比べても群を抜いていました。操作性に関して言えば、富士フイルム特有の軍艦部のダイヤルによるISO感度・シャッタースピードの変更は行わず、カメラ前後にあるダイヤルに割り当てて使用しています。その割り当ての方が個人的には使いやすく重宝しています。

X-T2 /XF23mmF2 R WR /F値:4.0 /シャッタースピード1/800 /フィルムシミュレーション:PROVIA

やはりXシリーズを使っている多くの人はフィルムシミュレーションの恩恵を受けたいからではないしょうか。僕もその一人であり、この機能には感動しかありません。種類は様々ありますがよく使っているのがPROVIAやクラシッククロームです。昔は彩度を低めにしていたのですが、最近はある程度彩度は保ったままにしています。

X-T2 /XF10-24mmF4 R OIS /F値:8.0 /シャッタースピード556 /フィルムシミュレーション:PROVIA

僕が主に使用しているカメラは先程書いたX-T2、レンズは『XF16-55mmF2.8 R LM WR』、『XF10-24mmF4 R OIS』、『XF23mmF2 R WR』を使っています。基本XF16-55mm F2.8 R LM WRを付けていますが、軽装で撮影したいなと思った日はXF23mm F2 R WRを使っています。お寺や神社など、あまり広くない場所を撮るときは広角レンズのXF10-24mm F4 R OISを使っています。僕のレンズの使い分けはこんな感じです。

X-T2 /XF10-24mmF4 R OIS /F値:8.0 /シャッタースピード1/400 /フィルムシミュレーション:PROVIA

Xシリーズの購入を考えていて最初のレンズを迷っている方には、僕は『XF16-55mmF2.8 R LM WR』をお勧めします。このレンズはボケ感が素晴らしく、風景・スナップ・ポートレートにも使える万能レンズです。この一本さえあれば数多くの表現ができると思います!

大事なことは“撮り続けること”

写真を撮っていると必ず「自分らしい写真とは何か……」という考えを、頭に巡らせることになるかと思います。僕の場合は憧れの写真家さんの真似をしたり、他の方が撮った写真をより多く見たり、とにかく写真を沢山撮っていく中で「比較的暗めの落ち着いたトーンで、日常を切り取るような写真が自分は好きなんだな。」と思うようになりました。

やはり撮り続けることは大事なことですね。その中で好きな構図や色味が分かってくると思いますので、自分らしい写真を見つけるきっかけにしていくと良いと思います。

X-T3 /XF10-24mmF4 R OIS /F値:4.0 /シャッタースピード1/50 /フィルムシミュレーション:PROVIA

また、“研究する”“真似る”と言ってもそのまま一緒ということではなく、何かしらの自分らしさをプラスしていくと良いと思います。僕の場合は、色味調整だったり、必ずと言っていいほど風景の中に“人”を入れたりすることです。写真に人が写っていると、その時のドラマが表現できるからです。そのようなプラスαが必ず自分にとって大事なものになっていくと思いますので大切にしてください。

X-T2 /XF16-55mmF2.8 R LM WR /F値:2.8 /シャッタースピード1/250 /フィルムシミュレーション:PROVIA

ここまで長く書いてきましたが一番伝えたいことは写真を撮ること、カメラを楽しんで欲しいということです。その先に自分らしさを見い出せると思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回登場したカメラ

FUJIFILM X-T2

Profile

Mizuki

フォトグラファー
1997年、大阪府生まれ。
京阪神を中心に活動。ストリート、風景 をメインで撮影。日常を切り取ることが得意。
SNSの総フォロワー数は52,000人以上。
Twitter : @tm_9729
Instagram : @tm.9729
Note : http://note.com/tm_9729

『“自分らしい写真”を見つけるまで』一覧はこちら

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